リフォーム 施工事例一覧
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島田工務店
受け継ぎ、引き継ぐ家
武家屋敷や町家といった、歴史的な建造物が建ち並ぶ風情ある地域の同邸宅は築70年の古民家住宅だ。ご家族でゆったりと暮らすことができ、訪ねてくる親戚やゲストも、快適に過ごせる住まいへと再生させた。その設計・施工を『島田工務店』に任せたのは、同社が古民家の改修に長けている上に、地域密着の工務店らしく〝まちづくりのルール〟にも詳しかったからだという。玄関扉を開けると、広々とした土間空間。足もとはタイル敷きで、大きな吹き抜けの下には床や階段が新設され、昔ながらの趣を残しつつもモダンな装いとなっている。土間とつながる和室やLDKも、四間取りから変更されて明るく開放的。中庭が眺められるキッチンの天井には、格子付きの採光部があり、2階の窓から差し込む明かりを1階まで届けてくれる。さらにその奥には、リビングから出入りできる〝インナーガレージ〟も用意。中庭にあったトイレや浴室は屋内に配置され、既存のものを生かした収納も生活動線上にあって便利そう。また耐震対策として、壁の中に構造用合板が用いられ、以前よりも地震に強く安全に暮らせるように。完成した住まいは、次の世代にも安心して引き渡せる〝暮らしやすさが詰まった家〟となっている。
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島田工務店
趣とアートを楽しむギャラリー
「ここはひと目ぼれでした」と話すお施主様は、東京を拠点とする陶芸家。しかしギャラリーとして選んだのはここ桜井市で、高台ゆえに見晴らしがよく、造りが良いこともこの物件を気に入った理由だという。そして伝統的な美しさを持つ築80年以上の古民家は、お施主様と『島田工務店』の手により、備わっていた以上の魅力と現代の暮らしに合った機能性を手に入れた。今は多くの作家たちの作品を展示・販売するギャラリーであり、またお施主様の陶芸工房となっている。展示される作品は布・木・ガラス・陶など、さまざまな素材の作品たち。そのひとつ一つが、まるで建物の息吹きのように輝いている。設計・施工を進めるにあたって大切にされたのは、ギャラリーに展示される作品と建物のイメージが、お互いに調和することだ。そのために、お施主様自身が各空間を細部まで監修したという。玄関から続いている土間スペースは天井板を取り払い、大きな梁を現しにした大空間に。梁の下にある耐力壁は特注品。職人の伝統的な技術を一目で見て取れるよう、上下で色が違う柱もあえてそのままで……。作家の発想と職人の技を融合させたこちらのギャラリー空間は、日本の伝統美の魅力を改めて認識させてくれる。
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輪和建設
格天井に鎧壁、和室から望む枯山水庭園…昔ながらの離れに心がなごむ、こだわりを尽くした和の邸宅
自然素材で丁寧に仕上げた ゆったりとくつろげる木造の家 大阪や奈良へのアクセスも便利な王寺駅から南に向かって車を走らせ、家々が建ち並ぶ、とある住宅地へ。邸宅は、その一番奥の広い敷地にゆったりと佇んでいます。母屋のリフォームと離れの新築を手掛けたのは、自然素材の家づくりを提唱する『輪和建設 株式会社』。ご夫妻と『輪和建設 株式会社』中西社長との出会いは、同社の構造見学会でした。その時ご主人は、松や杉、桧といった国産の無垢の木や職人手作りの建具など、自然素材で丁寧に仕上げた「和みの家」と、何よりも中西社長の温かい人柄に触れて、同社で家を建てることに決めたといいます。もともと木造の家が好きだったというご主人が決めたコンセプトは、「ゆったりとくつろげる木造の家」。大まかなプランを設定し、いよいよ工事が始まりました。工事がスタートしてからも、お仕事柄よく利用されるという料亭や建築雑誌などを見ていろんなイメージを膨らませたというご主人。その都度、中西社長や大工さんに相談し、計画を変更することも度々あったそうです。 快適で楽しい暮らしのため、 すべてのこだわりをカタチに 平屋造りの離れには、広縁のある二間続きの和室とご両親の寝室があり、玄関ホールは格縁を格子状に組んだ格天井になっています。奥の和室には本格的な床の間も設けられ、天井板や欄間、床柱の杉、框床の欅などはすべて天然物。ご主人と中西社長が吉野まで足を運び、じっくり選んできたものだそうです。ご主人がモデルルームでひと目惚れしたという大黒柱も、離れのシンボルとして圧倒的な存在感を放っています。渡り廊下でつながった母屋から見える天然杉の鎧壁も、もちろんご主人のこだわり。そこには格子窓や丸窓が配され、和の邸宅ならではの風情と懐かしさを漂わせています。洋の佇まいを残した母屋のリビングには、本格的な薪ストーブを設置。今回は、一家9人という大家族の食を支えるキッチンを筆頭に、快適で楽しい暮らしのためのリフォームにも力を入れたそうです。実はこの邸宅、取材当日はまだ工事の途中。これから、離れには枯山水式庭園と数寄屋造りの表門を、母屋にはシアタールームとウッドデッキを作る予定だそう。「私たちの希望を叶えるために、あれこれ悩んだり、変更したり…。そんな家づくりに、中西社長をはじめ、職人さん方はよくつきあってくれていると思います」と感謝の想いを語るご主人。完成予定は今年の秋の終わり頃。ご主人と社長の家づくりはこの先もしばらく続きます。
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スペースマイン
三世帯が快適に暮らす家を追求、全室エアコンレスの健康住宅
両親の想いを汲み上げ、全員が心地良く暮らす 健康住宅へのこだわり お施主様のご両親の家を、奥様のお母様を含めた6人で住む家に全面リフォームしたい。「大手ハウスメーカーのモデルハウスを見学したとき、匂いが気になって、だんだん息苦しくなった」と話す奥様。雑誌の施工事例を見て気に入っていた『スペースマイン』のショールーム「四季の家」では、体調の変化を感じることはなく、有害化学物質ゼロの健康住宅の良さを体感。子どもや年配の両親とともに暮らす家には、「安心・安全で健康な住まい」をという思いが強くなり、同社に任せることに決めたのだそう。全員が無理せず、気持ち良く生活するために大切にしたのは、もともとお住まいだった両親の想いを汲み上げること。「リフォームを決めた以上は若夫婦の思い通りに」と遠慮する両親の要望に耳を傾け、以前から使っていた場所にスペースを確保することを最優先に考えた。図面では想像できなかった6人が集まる25帖近いリビングダイニングや、ご両親がギリギリまで悩まれていたという畳の寝室、対面キッチンにも、今では大満足とのこと。「何でも気になることは聞いてください」という同社の言葉どおり、打ち合わせの回数は数えきれないほど。断熱・耐震という基本性能を高めることはもちろん、携帯電話やルンバを充電・収納する場所に至るまで、住んでからのことを考えた行き届いた配慮に感謝の気持ちしかないとお施主様。住む人の想いをあきらめることなく形にしたリフォームは、三世帯にとって理想の家となった。
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ROKA architecture. by VENDOR株式会社
部屋ごとに異なる雰囲気を楽しむオフィスリノベーション
フルリノベーションし事務所兼モデルルームとして、同社スタッフが約2年間オフィスとして実際に使用していたマンション。間取りから見直し、廊下幅を広くとり、リビングには希少な無垢のチーク材を採用した。素足で心地よく過ごせる床は、スタッフも思わず寝転ぶほど。天井と壁はすべて塗装仕上げ、扉もハイドアで造作し、空間全体に統一感と洗練をもたらしている。キッチンは標準仕様のPanasonicラクシーナの背面にタイルを加え、既製品でありながらオリジナリティを演出。水まわりにはタイルを使い、作業スペースには耐久性の高いフロアタイルを選んだ。各部屋の巾木の太さを変え、素材感や見え方の違いを体感できるように工夫。トイレ扉には和の要素を取り入れた造作扉を採用した。バルコニーにはウッドデッキを敷き、夏は蚊取り線香を焚きながら電話や会話を楽しむ場にもなった。この空間には実際の暮らしから得た工夫とアイデアが詰まっており、リノベーションの可能性を体感できる一室に仕上がっている。 ■写真:無垢フローリングのチーク材が際立つLDK。時間が経つほどに風合いが増すチーク材はインテリアにもよくなじんでいる。
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ROKA architecture. by VENDOR株式会社
プライバシーが保たれた、新しい二世帯住宅
土地面積100坪を超える広さを活かし、既存建物をフルリノベーションして完全分離型の二世帯住宅を実現した。玄関動線を完全に分け、キッチン・浴室・洗面室・トイレといった住宅設備もすべて1階と2階にそれぞれ設置。家族同士が心地よい距離感で暮らせる、プライバシーに配慮した間取りとなっている。1階には庭をゆったり眺められる位置にリビングを配置し、くつろぎの空間を演出。2階は北欧家具を取り入れ、インテリアにこだわった上質な住空間に。リビング中央の階段はガラス張りで圧迫感のないように設置し、昼夜で雰囲気が変わる間接照明も設けた。夜はakariランプの柔らかな光が家族団らんの時間を包み込む。設計では生活音にも配慮し、水まわりの配置にも工夫を施した。玄関の概念にとらわれず、大きなエントランスホールを設け、来客を迎える設えにもこだわっている。介護経験のあるお施主様の視点を反映し、手すりの設置や水に強い床材を取り入れ、将来を見据えた快適な住まいを形にした。プライベートを尊重しつつ、家族が穏やかに共に暮らせる理想の住まいが完成している。 ■写真:ガラス張りの階段手すりと木の温もりが調和した、明るく開放感があふれるダイニングとキッチン空間。
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ROKA architecture. by VENDOR株式会社
古民家を活用した事務所兼ショールーム
お世話になっている設計士さんの事務所でありながら、一般的なオフィス機能はほとんど持たず、ご本人が手がけた空間や家具を体感できるショールームとして設計された古民家改修プロジェクト。将来的にはポップアップイベントや展示など、交流の場としても活用できるよう構想されている。この空間は、既存の古民家の味わいを活かしつつ、現代的な設えを加えることで、落ち着きと洗練を両立した仕上がりとなった。茶室に置かれた茶道具もすべてオリジナルで制作されるなど、細部までこだわり抜いた空間づくりが光る。設計では、既存と改修部分のバランスに細心の注意を払い、一度スケルトンにした上で、新しい要素を空間に丁寧に差し込むように計画。どちらも主張しすぎず、自然に溶け込むようなデザインを実現した。また、二畳の茶室スペースも備えており、茶道の稽古にも使える場として設けられている。このショールームは人と人をつなぐ新たなご縁の場となるだろう。 ■写真:既存の趣を活かしつつ現代的に設えた、古民家を再生した落ち着きある空間。
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建築工房 和 -nagomi-
ここから30年を住まう終の棲家、築45年の戸建てをフルリノベ
あちこちに不具合が出始めた築45年の住まい。「水回りなどを個別にやりなおすのか、家全体をリノベーションするのか、5年ほど前から検討していました」とお施主様。『建築工房 和』に家づくりを依頼することになった理由は、自然素材を使った家づくりを行っていること。加えて、断熱性や気密性といった性能部分のこだわりを兼ね備えている点も大きな決め手になったという。以前の家は、普段使わない南側の洋間にだけ光が差し込む、もったいない間取り。階段で分断された北側の居間や台所で家族が生活していたので、自然光がたっぷり入る家にしたいというのが大前提だった。使い勝手のいい家事動線や愛猫の居場所づくりなど、間取りにはさまざまなご要望が盛り込まれている。奥様のご要望で、通りに面している1階掃き出し窓には電動の通風シャッターを設置。開け閉めに時間がかからなくなり、窓を開けながらも、外からの視線を遮り、風は取り込める優れものだ。お引っ越しから1カ月。2月という一番寒い時期にも関わらず、エアコン1台での暮らしは想像以上に快適だという。これからの30年を快適に過ごすための工夫をたっぷり盛り込んだ住まいが完成した。 ■写真:2人で立っても十分な広さがあるフラットタイプのキッチン。天井には見せ梁を施している。
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スペースマイン
リノベーションで魅せた「庭を愛でる家」
築百年の古民家を減築 無駄のない快適な空間へ 築100年以上の蔵も備えた同邸宅。お施主様は、手入れが届かなかった枯山水の中庭と共に住まいを再生し、住み継ぎ歩むことを決めた。外観は、白い壁を黒い格子と腰壁が飾る〝モダンな町屋スタイル"。次世代へと守りつないでいくための耐震補強を施し、五間続きだった和室を二間に減築することで、駐車スペースを確保した。減築してもなお、枯山水の中庭に視線の抜けが広がる設計により、家全体が開放感に満ち溢れている。間仕切りをなくし一続きになったLDKは、自然光溢れる心地よい空間に。また、トイレや洗面・バスルームをLDKと直結させ、廊下をなくすことでも住空間を広げ、断熱性能をあげることで温度差も解消された。ゲストのエリアと、家族のエリア、ご両親の部屋がLDKを軸として程よい距離感で分かれているのも同邸宅の魅力。もともと蔵だった建物は修繕し、ご夫婦の寝室としてリノベーション、コンパクトなくつろぎスペースも設けた。経年変化と共に隠れていた古民家の魅力を引き出すことで、暮らしの中に自然がある快適な空間に生まれ変わった。
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一級建築士事務所リビングデザイン
百楽園の家
そこかしこに見えるホテルのような空間の美しさが日常を特別な一日へ 広い敷地に建つ中古物件を購入し、「デザイン性と機能性を併せ持つ、最上級のホテルライクな住まい」を実現するために、リノベーションを検討されていたお施主様。しかし信頼できる建築事務所になかなか出会えず探していたとき、小誌「奈良すまい図鑑」に掲載されていた『リビングデザイン』の施工例が目に留まったそう。「掲載写真のようなラグジュアリーなイメージでお願いします」とリノベ依頼を受けた同社は、お施主様にOB様の住まいをご見学いただき、イメージを再確認。同社ならではのホテル設計の経験を生かし、住宅ではなくホテルを設計する視点で今回の住まいづくりに取り組んだそう。タイルや石材といった上質な素材を室内外に使用し、高級感のあるデザイン性に加え、機能性の向上も踏まえたリノベーションが行われた。建物は当初、建築当時のまま赤御影石が使われた外観だった。その見た目をどうにかしたいというご要望から、重厚な印象を持っていた石をすべて削ぎ落として左官仕上げで施工。玄関ドアには黒色の鏡面扉を。その周りの壁面には高級感のあるタイルを取り入れ、扉を開けた先に広がる真っ白な大理石のエントランスホールへと誘っている。 元は1階から2階へ空気が流れ込み、冬場はとても寒いという難点があったそう。そこで悪い気流を止め、断熱性能を高めることで住み心地を改善。LDKのほぼ中央にあるコンクリート製の階段はもともとあったものだが、色と素材のセレクトでデザイン性を高め、以前のナチュラルな雰囲気を排除。キッチンとリビングを視覚的に分けながらも、一続きの大フロアのアクセントとなっている。同邸宅のこだわりは、バスルームにも。ジャグジーと2つの洗い場、2種のシャワーコーナーがある広い浴室は、ラグジュアリーなホテルをイメージ。空調設備も完備され、冬の寒さ夏の暑さ対策も万全になっている。照明を落としてジャグジーに入ると、ここはもう別世界。建築材料に金属やガラス・石材・タイルを効果的に使用し、間接照明の取り付け場所・角度などを緻密に計算して合わせることで、お施主様が思い描いていた通りのホテルライクでラグジュアリー感のある住まいに生まれ変わった。お引き渡し時、お施主様は想像以上のクオリティーにとても喜ばれたそう。同社の経験値と設計力・技術力がなければ、この邸宅は完成しなかっただろう。 ■写真:ご夫婦が望まれた広々としたLDKは、綿密な収納計画と同社の施工技術により実現した。白でまとめられたリビングと落ち着いた色合いのダイニングキッチン、色の対比が広い室内にメリハリを生んでいる。