新築 施工事例一覧
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一級建築士事務所リビングデザイン
宮森の平屋
住まい手の要望にプラスαが凝縮 暮らすごとに満足度が深まる 高い品質を保つ住まい シャープな輪郭が際立った、シンプルな印象の建物。しかしよくよく見れば、さまざまな方向や角度でかかる屋根のあり方に、見た目の広がりと設計の遊び心も感じられる。こちらの同邸宅は、100坪以上の広々とした敷地に建つ、平屋の住まい。南北へと横長に続くその外観からも見て取れる贅沢さは、室内空間にも表現されている。玄関扉を開けてまず目に飛び込むのは、LDKへと真っ直ぐにのびる廊下と、天井高までの大きな窓を介して見える広い中庭。室内への期待感をあおる玄関ホールは、明るくて視線の抜けもよく、実に開放的だ。そして廊下に続くLDKもまた、中庭に向けて設けられた大開口と梁を現しにした高い勾配天井によって、なんとも心地よい空間。ここから中庭を介して洗面スペースや子供部屋の方まで視界が続き、家族の様子がうかがえる。リビングとフラットにつながる中庭は全面がウッドデッキになっており、外からの視線が届かないので、プライベート感が高くリビングの延長として使うことができる。アウトドアリビングでの食事やティータイムは、室内とはまた趣の異なる心地よい時間が過ごせるだろう。また雨の日でも濡れることなく車への乗り降りができ、ストレスなく荷物が運べるインナーガレージは、とても便利な存在。その奥にあるもうひとつの庭の目隠しとしても活躍している。中庭をコの字型で囲うようにしてレイアウトされた同邸宅の家づくりは、「中庭のある、インナーガレージ付きの平屋を」というオーダーから始まった。お施主様からの依頼に対し、『リビングデザイン』が出した答えは「LDKを敷地の北側に配してガレージを南側に置く」という、少しトリッキーにも思える設計プランだった。ところが、敷地の広さを生かしたこの提案は、ガレージ側の建物は高さを抑え、中庭も広くとることによりLDKへの採光は十分。また、表通りからの視線を建物自身がしっかりと遮り、塀がなくてもプライバシーは守られている。つまりは、「中庭」「インナーガレージ」「平屋」という〝住まい手の希望〟と、〝敷地が持つ条件〟とを見事に融合させた設計から生まれた邸宅なのだ。もちろん、室内空間を彩るクロスやタイル、さらに家具や建具も、空間構成やコストバランスを重視して提案・採用されたもの。素材の取り入れ方や家具のセレクトで、室内全体のバランスが良く高級感も生み出されている。そして完成した住まいは、設計面でもデザイン面でも、『リビングデザイン』の代表・井上氏らしい、〝柔軟な発想〟と〝卓越した設計力〟が発揮された邸宅となっている。 ■写真:LDKは勾配屋根の形状を生かしつつ大空間に。現しになった梁は、空間を引き締める要素としても活躍。テレビボードまわりをはじめ、間接照明を用いた“光の演出”は室内の至る所で取り入れられている。
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ビーライフ 一級建築士事務所
住まいの内と外が心地よくつながる、ラグジュアリーな住空間
「ラグジュアリーでホテルライクな住空間を、できるだけ明るくつくりたい」。そんなお施主様ご夫婦のオーダーに、『ビーライフ』の代表・山下氏は“異素材を巧みに組み合わせたコーディネート”と“内外が心地よくつながる設計”で応えた。勾配天井も印象的な大空間LDKには、東面上部の大きな三角窓やテラスとつながる大開口が“穏やかな自然光”をたっぷりと採り入れる。キッチン部から続く石タイルの床や米杉張りの天井は室内と外部テラスの境界線を程よくぼかし、それゆえに生まれる内と外の一体感は格別だ。無垢のウォールナット材を用いたリビングの床、玄関部とLDKを仕切る石タイルの壁、そして黒でまとめたキッチンまわりの設備と各所に施した間接照明なども、同邸宅を贅沢かつ豊かな装いに。その上で、主寝室・ファミリークローク・サニタリーなどのプライベートエリアがLDK奥にまとめて配置され、さらに目隠し壁で守られた屋外物干し場への最短動線も整っている。もちろん、収納計画や断熱・耐震面も万全だ。見た目だけでなく、“暮らしやすさを前提”としたこの住まいづくりは、いかにも山下氏らしい。 ■写真:間仕切りなくつながる大空間LDKは、床の素材を使い分けることで各所の見た目・役割にメリハリをつけた。
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北条工務店 一級建築士事務所
集う家
池と庭の美しい景色を取り込み、空間の一つ一つを丁寧に整えて…… 美しい景色が目の前に広がる、抜群のロケーション。『集う家』は、そんな土地の魅力を贅沢に生かして建てられた住まいだ。その設計・施工は、『北条工務店』の代表・北条氏によって手掛けられた。こちらのお施主様はもともと、リノベーションでの住まいづくりを検討されていたそう。そんな頃、ご夫婦で池を見渡せるこの土地の前を通りかかり、「お互いが〝この景色を見ながら暮らしたい〟と思ったんです」と、この場所での新居づくりを決めたという。だからこそ、こちらの設計プランの軸となっているのは、〝眺望をいかに生かすか〟という点。そして「人が集まる場所にしたい」というお施主様のもう一つの願いも、北条氏の〝想いを丁寧にくみ取る住まいづくり〟によってしっかりとかなえられている。道路から見る外観は、コンクリート打ち放ちの壁と杉板張りの軒天がバランスよく配された、端正で美しいデザイン。少し入り込んだエントランスは雨に濡れず出入りでき、格子の玄関扉も印象的だ。その先の土間スペースは、エントランスホールとビルトインガレージの双方とつながり、車での出入りもスムーズ。ホール空間も広々としていて、そこにある跳ね出しの階段や年代物の屏風絵からも、住まいに備わる〝上質さ〟が伝わってくる。2階ホールにたどり着くと、階段部の吹き抜け越しに早くも見事な池の眺望が。視点が高くなった分、その見晴らしは路面よりもはるかに良い。続くLDKに入ってみると、そこは間仕切りのない大空間だ。池側のほぼ全面が床から天井まで続く大窓となっているので、視界に入る景色の爽快さはさらに大きなもの。そして池と反対側を見てみれば、こちらにも大きな窓と、その向こうには悠々とした庭。池側だけでなく庭の眺望も生かしているのは、常に〝期待以上〟を追求する北条氏らしい設計だ。細部まで丁寧に整えられた空間そのものの装いも、このLDKにある心地よさを高めている要素だろう。床にオーク、天井・壁に珪藻土クロスを用いたプレーンな空間を、お施主様こだわりの品々が彩っている。オーダーメードのキッチンは扉材が床とほぼ同等の光沢感に調整され、見事なまでの溶け込みよう。またリビング部に設置された暖炉も、普段は空間と違和感なく同化していながら、火が入ればくつろぎの時間を一気に盛り上げてくれる。このほか、目に映るものすべてが洗練されたデザインで、空間にしっくりと調和したものばかり。お施主様のセンスと北条氏の設計力が合わさったこちらの邸宅には、常に〝特別な時間〟が流れている。 隅々にまで備わる〝ゆとり〟が 暮らしをもっと豊かにする 『集う家』に備わる〝上質さ〟や〝こだわり〟は、LDKからの眺望や空間の装いだけではない。建物内・敷地内のありとあらゆるものが、綿密な計画によって生み出された〝ゆとり〟となっている。例えば3階の個室3部屋とバスルームも、それぞれから池を眺められるレイアウトだ。また2階バルコニーの一角にはきれいな夕日を眺められる特等席が設けてあり、さらに庭から続くデッキテラスはガーデンパーティーの休憩所にもなるよう計画されている。そして、あえて〝離れ〟としたお施主様こだわりの和室は、もともとお持ちだった古建具を使いつつ、床の間、床脇も設けて品格を高めた空間。茶室としても使えるよう炉も切られている。またその外観は、黒壁を基調に格子や軒天で〝和の趣〟が添えられ、母屋の壁とのコントラストが美しい。そんな和室の手前は、通路を生かしたライブラリースペースだ。広々とした石張りの庭には、家庭菜園コーナーも造られている。普段は穏やかで豊かな暮らしを送れて、招くゲストも心地よさに包まれる……『集う家』は、そんな素敵な住まいに仕上がっている。 ■写真:水平ラインが強調された外観は、どこか静かで、上品で、まるで美術館のような佇まい。手すりを細くしてその存在感を軽減する工夫や、2階のガラスの下半分をスモークにしている点など、住まう人への配慮も見事。
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北条工務店 一級建築士事務所
憩う家
想いを紡ぎ、丁寧に織り上げた “ 心地よい暮らし” が広がる住まい 柔軟な発想による立体的な空間づくりで、暮らしに広がりと豊かさを こちら『憩う家』が建っているのは、50年ほど前に開かれた住宅街の一角。周囲には大きな公園や遊歩道が整備され、緑も豊かな環境だ。 黒い壁に映えるよう計画されたアプローチの植栽は、鎧張り仕上げの玄関部と見事に調和。その玄関まわりには、ガラスブロックやレトロなデザインの照明が印象的にあしらわれており、〝モダンさと懐かしさ〟を兼ね備えた佇まいは、長い年月を経て成熟してきた住宅街の風景にも、違和感を与えることなくなじんでいる。 草花に囲まれたアプローチを通り抜け、桧の無垢材で造られた玄関扉を開ければ、そこにあるのはLDKに真っ直ぐつながるホール空間と、奥の方へと続く土間スペース。白い壁・天井と、ナチュラルな色合いの床や造作建具などでプレーンな装いにまとめられているホール空間に対し、土間スペースは天井がシナベニアの板と角材で仕上げられ、また足元はモルタル塗りと、空間全体に素朴かつどこか武骨でもある〝シンプルな美しさ〟が備わっている。このゆったりとられた土間スペースは、お施主様ご主人の趣味であるロードバイクを保管し、またメンテナンスもできるように整えられた場所。それだけに、ロードバイクを掛ける壁には窯業系の材が張られていたり、また床にモルタルが用いられていたりするのも、傷みや汚れに配慮してのことだ。そしてこの土間スペースはLDKの入口前でホールとつながり、また勝手口から庭側のポーチにも出られるレイアウトで、さらに〝家族用の動線〟としても使いやすいよう造作の収納スペースも用意されている。 続くLDKに入ってみると、そこは全面が吹き抜けとなった大空間。視線のずっと先にある勾配天井は、リビングとキッチン・ダイニングとで高低差があり、その立体的な空間構成からは〝より一層の広がり〟を感じることができる。ご主人によると、「この開放感を実現するためにSE構法を採用した」とのことだが、それに加え、キッチン上部を照明用の部材のみですっきりとさせていることや、リビング階段に軽やかな見た目のスケルトンタイプを用いていること、また建物周辺の緑豊かな風景を取り込む窓のサイズや配置といった、〝意味のある余白〟もこの開放感を演出する欠かせない要素となっているようだ。また、ご夫婦には「将来的には平屋感覚で暮らしたい」との思いもあったそう。その希望は主寝室を1階に置くことでかなえられており、そこでは床を張る方向をほかと変えることで、空間の印象に変化が付けられている。 こちらの設計・施工を手掛けたのは、『北条工務店』。『憩う家』に備わっている〝空間の広がり〟はやはり、同社ならではの柔軟な発想や、それを実現できる設計・施工力の高さがあってこそと言えるだろう。 住まい手のこだわりに応えつつ、より高い意匠性と機能性を実現 『憩う家』のLDKに備わったのびやかな抜け感は、当然ながら2階の空間にも広がっている。それを最も享受できるのは、吹き抜けに面したホール空間だ。吹き抜け部分に足を跳ね出して座るワークスペースに腰を下ろせば、視点は建物のほぼ中心。住まい全体を見渡せて、ちょっぴり浮遊感も味わえる、遊び心に富んだ場所となっている。さらにホール空間とつながる〝小上がりの和室〟も、心地よさに溢れた空間。天井部の三角窓から降り注ぐ自然の光が心地よく、地窓から眺める景色も素晴らしい。なお、畳の下の空間には、ホールとの間仕切り用建具を収納できるのだが、普段の暮らしでは大開口のままつなげ、お施主様ご主人もここでまったりとした時間を過ごしているそうだ。また各個室の前にある通路には、吹き抜け部の手すりを兼ねた本棚が造られており、その通路の突き当たりにも小上がりになった小さなフリースペースが用意されている。畳が敷かれたこの場所は日当たりが良く、窓も掃き出しなので、吹き抜けを見て感じるものとは異なる開放感を楽しめる。 そして建物を敷地の後ろ側から見てみると、受ける印象はまた違ったものに。大きな切妻屋根と、遊歩道や庭の緑が相まって、その姿はまるで大自然の中に建つロッジのよう。『憩う家』は、室内・外観ともにさまざまな表情を持っている住まいだ。 ■写真:敷地の裏手にある遊歩道から見た『憩う家』の姿は、大きな屋根の重なりが印象的で、まるで大自然の中にあるロッジのような、堂々とした佇まいだ。黒い建物と周囲の色濃い緑が、よくなじんでいる。
3,000~3,500万円 -
輪和建設
中庭が「一体感」をつくり出す、家族と共に成長を続ける平屋住宅
回遊性とプライベートな屋外空間が心地よい、口の字の家 無垢の木をはじめとした「自然素材」をふんだんに使い、太陽光の明るさや風の流れといった「自然の力」もしっかりと取り入れる……そんな『輪和建設』ならではの住まいづくりこそ、お施主様ご夫婦がかねてから求めていたものだった。雑誌で同社を知り、その施工例が「まるで自分たちの理想を体現したかのよう」と感じたお二人は、すぐにモデルハウス『和みの家』を見学。「木の香りに癒されて、自然との一体感に感激した」というその帰り道にはもう、「絶対に輪和さんで家を建てる」と決心していたそうだ。「中庭のある平屋建て」により、室内全体の明るさと開放感、さらにプライバシーが守られた屋外空間までもが備わる同邸宅。床や天井、造作家具・建具の材料はすべて無垢の杉で、壁にもホタテ漆喰が用いられたその装いは、ご夫婦が一番落ち着くという和モダンテイストに仕上がっている。また、間取りは回遊性と効率的な家事動線を意識した計画で、加えて「LDKのどこからでも、中庭を通して子ども部屋が見えるようにしてもらいました」と奥様。そんなこだわりが詰まった我が家での暮らしに、「のんびり過ごせて快適です」とご主人も大満足のご様子だ。 ■写真:梁を現しにした高い天井と中庭に向けた大きな窓により、自然光の心地よさと格別の開放感を享受できるLDK 空間。まだまだ明るい色の木部も、長く暮らすほどに飴色へと変化していく。
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ビーライフ 一級建築士事務所
斬新な空間設計がかなえるラグジュアリーホーム
柔軟な発想が生んだ立体的なデザインが 抜群の開放感と洗練された暮らしを約束 木目をアクセントにした黒ベースのシンプルな外観は、外部から窓が見当たらないため、プライバシー重視の閉鎖的な設計をイメージさせる。けれど、中に入ればその印象は一変。空間を完全に切り離す壁や建具はなく、可能な限り仕切りを排したウォールレスな大空間がひろがっている。吹き抜けを備えた「LDK+フリースペース+和室」は、2階の天井まで設けた大きな窓から自然光が贅沢に注ぎ、日中はとても明るく開放感たっぷり。フリースペースの先にあるオープンテラスは“半屋外”の空間でありながら、室内と一続きのようなデザインで視線の抜けも十分だ。 ただ広いだけでなく、リビングや和室を小下がりにして空間に高低差をつけることで、壁がなくても部屋を仕切る効果を与え、大空間にメリハリをプラス。さらに、1階フロアのほぼ全面がタイル敷きなのに対し、リビングにはアンティーク調に仕上げたアカシアの無垢材、和室は畳と、エリアごとに素材を変化させて、さらなる広がりを生み出している。また、カーテン代わりに外壁で家の周囲を目隠しするなどプライバシーにも配慮し、テラスでも人の目を気にせずゆったり過ごすことができる。 従来の間取りや固定観念にとらわれない大胆なアイデアと、それをかなえる優れた技術力で、くつろぎとデザイン性が同居する理想の住まいが完成した。 ■写真:大きな壁がプライバシーを守る半屋外のオープンテラス。BBQを楽しんだり、「エコスマートファイヤー」で暖を取ったりと、季節問わず暮らしに彩りを与えてくれる。
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輪和建設
大自然と共に時を過ごし、いずれ「古民家」と呼ばれる住まい
自然素材の心地よさへと 出迎えてくれるのは 家のシンボル 自然いっぱいの風景の中にあって、溶け込むように馴染んだ姿の同邸宅。でもその風格は、日本の伝統的な家屋を彷彿とさせます。日本瓦が葺かれた大きな屋根に、漆喰塗りと焼杉の壁の佇まい。深い軒は夏の日差しを遮り、冬は部屋の奥まで暖かさを届ける、先人の知恵が生かされた設計です。無垢の杉床をはじめ、ほたて漆喰の塗り壁や大谷石の土間空間など、住まい全体に本物の自然素材がたっぷりと使われています。リビングとつながる和室は、炉が切られ、床の間も備えた本格の仕様。一直線の細長い廊下も、新しいのにどこか懐かしい。そう感じるのは、以前ここに建っていた住まいの面影が残っているからでしょう。こちらの邸宅は、ご主人が生まれ育った築150年を超える古民家を建て替えた住まいです。リビングの壁に見える内窓の形は、家で使われていた屋号を模ったもので、むかし、山の作業道具一つひとつには、この形を印していたそう。そんな家族のシンボルが、この住まいを見守ってくれています。 育んだ愛着を散りばめながら まったく新しい住まいに 同邸宅を手掛けたのは『輪和建設』。同社が持つ「古民家再生」の実績から、ご夫婦は定年退職を機に住まいの相談を始めたそうです。そして結果的には建て替えとなったものの、玄関や和室の位置など、以前の住まいに感じていた「愛着や慣れ」はしっかりと引き継ぎました。また、訪ねて来られるゲストにも心地よく過ごして貰うため、間取りの工夫もいろいろ。洗面室と脱衣室・バスルームを分けた点や、2つのトイレもその例です。さらに無双窓付きの戸や蓋付きの戸袋など、職人たちの技と細部へのこだわりにも驚かされます。さて、同邸宅にはシンボルがもう一つ。それは土間空間の薪ストーブ。この冬からは、その暖かさとご夫婦の笑う声が、この住まいを包みます。
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輪和建設
自然素材へのこだわりと匠の技が成す、日本古来の伝統工法「木組み」の家
木の魅力を最大限に生かし 強度と意匠性を併せ持つ家 築50年以上の離れを解体して建て替えられた同邸宅は、日本古来の伝統工法で建てられた「木組み」の家です。神社仏閣などに見られるこの工法では、金物に頼らず、熟練職人が柱や梁を手刻みし、熟練の技術で組み上げて強い骨組みをつくります。木材を多く使い、継ぎ方も複雑なため、その建築には伝統工法への理解と匠の技が求められます。また、使用する木材はすべて天然乾燥材でなければなりません。そんな難易度の高いこちらの住まいを手掛けたのは、長年「自然素材による家づくり」を貫いてきた『輪和建設』です。お施主様ご夫婦は、新潟に住む奥様のお父様からのご紹介で、建築家の松本昌義氏に設計を依頼されました。お父様はお仕事で松本氏とお付き合いがあり、伝統工法で建てる頑丈で美しい住まいに魅力を感じられていました。そして、奈良県内でその家づくりが可能な工務店を探し求めていたところ、『輪和建設』に辿り着いたそうです。さらに、偶然にも同社は松本氏から伝統工法を学んでいる弟子であり、依頼の決め手となりました。こうして、さまざまなご縁が重なって完成したのが、木の良さを存分に引き出した「自然とともに生きる家」です。 次世代へも引き継いでいける 強く健やかな住まい 天然乾燥の吉野杉を使い、木組みで建てられた同邸宅。金物を使わずに一本一本組み上げられた構造体は、筋交いで支える家と性質が異なり、地震発生時には木組みそのものも粘り強く家を守り、次世代、次々世代へと残していける長寿命の住宅です。また、構造だけでなく、採光や通風についても、住まい手と建物が長く健康でいられるよう、自然の力を最大限に取り入れています。リビングは南に掃き出し窓、天井に吹き抜けを設け、上からも横からもたっぷりと光を採り込んでいます。緩やかな勾配天井と2階の格子床によって、明るさや開放感は保ちつつも落ち着きのある空間になっています。温熱環境は、壁内通気工法を採用。1階の空気が2階、小屋裏を通って外へと流れるため、夏場は熱気が溜まりません。冬場は薪ストーブに火をつければ家中暖か。一年中いつでも快適に暮らせます。 設計/建築家「松本昌義」+輪和建設株式会社
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輪和建設
伝統的な建築技術と自然の力を生かした、広がりと心地よさを備える平屋の住まい
夫婦二人の暮らしも見据えて のびのび暮らせる平屋建てに 広々とした庭に、趣向が凝らされた庭石や植栽。種々雑多に集めた草木は、冬に向けてそれぞれに葉の色を変え、その場を華やかに彩っています。平屋建ての悠々とした佇まいは、この美しい眺めにしっくりと馴染むもの。こちらは、落ち着いたまち並みの一角に建つ邸宅です。この場所にあったもともとの同邸宅は、築40年超えの2階建て・9SLDKという建物。お施主様ご夫婦がそちらを購入したのは十年以上も前のことで、建物診断の「耐震性に不安あり」という結果もあって、いずれは建て替えるつもりでした。とは言え、その住まいには前のお施主様のこだわりが随所にあり、またお施主様ご家族にとっての魅力も備えていました。そして仕事や子育ての忙しさもあり、建て替えの機会が見つからないまま月日は過ぎていったそうです。お施主様ご夫婦が今回の建て替えを決めたのは、消費税率の変更や金利の低さなど、時期的にちょうど良いとの判断から。またお子様たちが大きくなり、子育てが落ち着いたことも理由の一つで、だからこそ将来やって来る「夫婦二人の暮らし」も意識した住まいづくりが行われました。 平屋・縁側・庭を生かした 内にも外にも広がる住まい 広い縁側と大開口でつながるリビングは、庭の眺めやその向こうに広がる風景も取り込み、格別の開放感と心地よさを備えています。高い天井がつくり出す空間の広がりも、LDKや小上がりの和室が一体となった間取りも、平屋建ての同邸宅ならではです。細かく間仕切られた以前の同邸宅に、この一体感はありませんでした。そして現しになった梁や柱、さらに床や建具、造作家具まで、住まいの中は木の温もりでいっぱい。壁の漆喰や天井の和紙の風合いに、木の色合いと表情豊かな木目がうまく調和しています。寺社建築の趣がお好きだったお施主様は、今回の建て替えに「伝統的な家づくり」を取り入れたいとお考えでした。しかし、それだけでは「時代に合った快適な暮らし」がかないません。そこで自ら調べ、たどり着いたのが『輪和建設』の「エアパス工法」でした。同邸宅には、「同社だからできる住まいづくり」が詰まっています。
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輪和建設
抜けるような青い空の下、住まう人の笑顔と、山小屋のようなやさしい家
吉野の大自然に溶け込んだ 開放感抜群の二世帯住宅 吉野の大自然に囲まれた環境に佇む邸宅。お施主様はこの地でご両親と共に、柿の生産を営んでいます。ご両親がお施主様ご夫妻に「任せる」と言ってくれたことで、自分たちの想いを新しい家づくりにたくさん込めることができました。またそれは同時に、ご両親を含む家族や地域の皆さんに対してもしっかりと責任を果たすことでもありました。基本的なテイストは依頼先の『輪和建設』からの提案で、「片流れ屋根の山小屋風」を採用。ご両親それぞれのために個室や、地域の方々や親族が集まるための広々とした和室を設けました。また、前の家で離れとなっていたトイレや風呂などの水回り、キッチンの使い勝手なども十分に考慮しながら家づくりは進みました。ご主人の希望のひとつであった小上がりの畳スペース。リビングの一角にしつらえたこのコーナーからは、文字通りの大自然の絶景を望むことができ、光と風がやさしく通り抜けます。そして、仕事の合間の休息の場としても大いに利用されています。 「みんなが集う場所に」 薪ストーブで味のあるリビング 昔から絵本が大好きな奥様。嫁ぐ際、お気に入りの絵本たちを段ボールに詰めて来ました。日々の忙しさに追われ、その箱を開けないままだった…。しかし今回の家づくりを機に、絵本を飾る棚も設けました。この棚のおかげで、忘れていた日々を楽しむ心を取り戻せました。天井と床に杉の無垢材を利用したリビングもお気に入りの場所です。天井に見える梁は、ご家族所有の山から切り出し乾燥させていた桧です。この桧を活かせたことも輪和建設に依頼したきっかけでした。一番のポイントは薪ストーブ。これにより、一気にリビング空間の味わい深さが増し、見ているだけで温かな心持ちになってきます。このリビングが「みんなが集う場所になれば」と、厳しい寒さの冬を、少しだけ楽しみに待っています。