新築 こだわりのデザイン 施工事例一覧
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吉川住研
シンプルなのに美しい、いつまでも愛せる家
高低差を巧みに使い、 開放感と安心感を両立 一生に一度の大きな買い物である、家。『吉川住研』ではそれにふさわしいものとなるように、奇抜なデザインは一切せず、「いつまでも飽きずに長く住み続けられる家」を提案している。同社がつくる家には、シンプルでありながらもどこか美しく、住む人の心を豊かにしてくれる魅力がある。その鍵は、自然素材そのものが持つ重厚感と、建物の所々に見られる造り手のさりげない配慮にあるようだ。このF様邸にも細かな配慮が多く見 受けられる。例えば、壁や天井の高低差でゆるく区切られたLDK、内と外との境界を曖昧にしている土間、勾配天井と化粧梁の遊び心のある2階など、一つ一つは目立たないながらも、建物全体につながりや広がりを持たせるのに大きく貢献している。一方、空間に開放感を感じさせながらも、落ち着きや安心感を与える配慮も忘れない。「人間は自分の視界の中に壁・天井・床が入っていると落ち着くのです」と吉川氏。真っ白な漆喰の壁には黒い窓枠でポイントを、高さのある天井には低い位置に梁やダウンライトを配置することで、壁や天井の位置を認識できるように工夫している。 思わず振り返ってしまう 圧倒的に美しい外観 同社のつくる家は外観の美しさにも定評がある。家の敷地にあわせて、軒高や軒の出、屋根勾配、窓の大きさや高さなど、緻密に計算し、圧倒的な存在感を放つ美しいビジュアルに仕上げる。F様邸は北側道路の家である。一般的に、北側にはトイレや浴室などの小さい窓が多いため、外観を華やかにすることができない。そこで同社は、足し算できない分、逆に、とことんシンプルに徹し、漆喰の壁の素材感がより引き立つデザインに仕上げた。また、窓の高さに変化をつけ、外から見たときに室内の構造がわかりにくく、期待感を持たせてくれるビジュアルにもなっている。家の前を通る人も「この家、何階建てなんだろう?」と、思わず立ち止まってしまうそうだ。なお、これらの窓は実用性も兼ね備えている。高い位置の窓は採光に適しているし、低い位置の窓は、光は要らないが風を入れたい場合に適している。 ■写真:壁や天井に高低差をつけ、面を多く作ることで立体感のある空間に仕上げている。漆喰の素材感も引き立っている。
2,000~2,500万円 -
スペースマイン
「奈良の木」へのこだわり、光と風にあふれた心地よい空間
同邸宅の使用材木は見えるところ、見えないところすべて、十津川村産を中心とした奈良県産材だ。同社の「地産地消」の精神を形にした、まさに“奈良の木の家”。手触りの良さ、足に触れる柔らかさ、木の香り、自然の空気に包まれる気持ちのいい家だ。光と風を取り入れるための工夫が随所にある。たとえば2階ホールの床にガラスをはめ込むことで、2階から入る光を柔らかく通してダイニングを優しく包む。また、子どもたちが下を覗き込んで大はしゃぎ。遊び場としても使え、機能性プラス遊び心が面白い。心地よさの秘訣は、化学物質0(ゼロ)の空間「抗酸化工法」を施した自然素材や、太陽や風などの自然エネルギーを活用する「エアパス工法」、超省エネのふく射熱冷暖房「クール暖」にもある。後者2つにより光熱費を抑えられ、さらに、電気の使用量や発電量の状況がPC画面で見られる「HEMS(ヘムス)」を採用し、スマートハウス化している。身体にも、環境にもおサイフにも優しいゼロエネルギー住宅なのだ。 ■写真:「エアパス工法」とふく射熱冷暖房「クール暖」を兼ね備えたリビング。クール暖は、無音・無臭・無風で、一年中快適に過ごせる。
2,500~3,000万円 -
ランドマーク建築事務所
住み手の想いと建築士の技が融合、真に納得のいく住まいづくり
『ランドマーク建築事務所』の家づくりは、工務店との直接契約。住宅会社では得られない感動と安心の価値をお届けできるとのこと。その上、価格の魅力もありお施主様としてとてもうれしい。これは設計事務所として当然のことながら、意外と全国でも稀有な仕組み。このたびのY様も、繰り返しの打ち合わせで、Y様のこだわりが随所に実現されている。軒の出(屋根)が大きいのは『ランドマーク』の家の特徴。薫風を呼び込み日差しを絶妙に制御するもので、このような住宅の基本機能は譲れない。さらに、バルコニーは雨に濡れない大きな屋根でうれしい。奥様の居場所となるキッチンが家の中心なのは家族が安定し、逆に、ご主人様の書斎は家族から隔絶された隠れた場所で居心地が良い。このような家族の在り方も、入念な打ち合わせで設計に反映されている。
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マイ工務店
周囲の美しい景観を生かしつつ、快適さも兼ね備えた住まい
光や風を利用したパッシブデザインに天然木や漆喰などの自然素材、また耐震性・断熱性能の高いSE構法を取り入れた家づくりを得意とする『マイ工務店』。今回手掛けたY様邸は「外の自然と室内が一体化した住まい」をテーマに、周囲の自然の借景を最大限生かせるようプランニング。1階はもちろん2階吹き抜けなど、建物の南側には可能な限り大きな窓を設置し、自然の光や風をたっぷり取り込むと共に、四季の移ろいが楽しめる自然と調和した空間に。春になると、道を挟んで隣にある公園の満開の桜を眺めることができ、窓からは、まるで絵画のように美しい景観を楽しめるという。このほかにも、天然木を用いた建具や特注のオリジナルキッチンに造作棚、考え抜かれた照明使いや動線など、自然と調和しつつ暮らしやすさも追求した住まいとなった。
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楓工務店
常に家族の気配を感じながらも、各々が「好き」に没頭できる暮らし
キッチンを中心に据えた 他にはない独創的な間取り リビングに足を踏み入れた瞬間、まるで外国のBARに来たかのような本格的なバーカウンターを備えたT邸。ご夫婦共にバーの雰囲気が大好きで「映画に出てくるようなカウンターでお酒を飲むのが憧れ」という夢を叶えるべく、約4mある大きな棚も造作。たくさんのボトルを置いても十分な余裕があり、また家電やゴミ箱もスッキリ収納できるようになっている。 もう一つの見所は、リビング横にある6.3帖の土間作業部屋。ここでリモートワークをしたりご主人の趣味であるDIYを楽しんだりするだけでなく、外から戻ってここに自転車を置きそのまま室内に入ることのできる、第二の玄関の役割りも果たしている。さらに室内窓を設け窓の高さと目線の高さを揃えることで、リビングと土間作業部屋に一体感をもたらせた。 またリビングの一角を造作家具で仕切り、小下がりのキッズコーナーを設けたのも他にはない独特な設計。あえて目線を仕切ることで、家族それぞれが趣味や遊びを思い思いに楽しむことができ、しかし空間は緩やかに繋がっているので、どこにいても家族の気配を感じることができるのである。 本当に必要なものを精査し 予算内でも理想の住まいを プランニングする上で重視したのが、必要なものとそうでないものの精査。過ごす時間が一番長いであろうキッチンには、ストレスフルなタッチレス水栓など最新の設備を導入する一方、これまでの生活でほとんど使わなかったグリルは外してコストを調整。あっても使わないだろうと判断し和室は無くすことにしたが、その代わり立派な信楽焼の洗面ボウルを手洗いコーナーに設置するなどして、空間に和のテイストをプラスした。また夫婦共働きなので、家事はとにかく機能性を重視。キッチン以外の水回りを2階の近い位置に集約。洗う・干す・たたむ・しまうが1か所で完結でき「家事がすごく楽になった」と奥様。 限られた予算の中でも希望やこだわりを余すことなく実現することができ、ご家族全員大満足の住まいとなった。
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ランドマーク建築事務所
フランク・ロイド・ライト建築を具現化、流行に左右されない上質な暮らし
設計された住まいは、 美しく機能的なデザイン 大地を抱え込むように伸びた深い軒に、リズミカルに連続する窓、大きくせりだしたバルコニーが伸びやかな水平ラインを協調した優雅なたたずまい。今回『株式会社ランドマーク建築事務所』が手掛けたこちらのY様邸は、世界的な建築家、フランク・ロイド・ライトの建築技法を用いた住まいです。 フランク・ロイド・ライトは近代建築の三大巨匠の一人として数えられ、世界屈指の建築家として知られています。日本においても、旧帝國ホテルや国の重要文化財にも指定されているヨドコウ迎賓館の設計を手掛けました。そんな彼は、生涯にわたり人々が快適に過ごすことの出来る住宅を設計し続けてきました。 屋外と屋内が流れるように融合し、室内には明るい自然の光が溢れ心から落ち着けると同時に、随所にドラマチックな演出が仕掛けられた空間。機能的で美しい、周囲の環境に溶け込む普遍的なデザインは、家族が快適で豊かな生活を送る場となり、心から満足できる、上質な暮らしを約束してくれるでしょう。 細部にまでライト建築の技法を再現 奈良では数少ないフランク・ロイド・ライト財団の正統なライセンスを所有する同社。当初お施主様との打合せでは、ホテルや旅館のようなデザインを予定していました。打ち合わせを重ねる中で、お施主様のつくりたい家のイメージとフランク・ロイド・ライト建築の優雅で上質なデザインがピッタリ合致し、随所に彼の建築技法を取り入れることになりました。 例えば大きくせり出した一続きの長いバルコニーは、彼の代表作「落水荘」をイメージした物です。また、面格子のような透かしになっているのが印象的な特殊な庇は、旧帝國ホテルのデザインをモチーフとしています。シンプルながら、流行に左右されない普遍的な建築美は、何十年先も色あせず、暮らしを豊かに彩ってくれるはずです。
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マイ工務店
瞬間を楽しむ家
大空間に満ちる自然の光と風が、暮らしに“ゆとり”をもたらす住まい 植物が織り成す癒しを取り込んで、住まい手が求めた心地よさを創出。ふとした瞬間の、小さな喜びを紡いでいく暮らし。 内と外とのつながりをつくる設計で、“心癒される住まい”を実現 近くにはショッピングモールや緑豊かな公園がある、周辺の雰囲気も区画のサイズもゆったりとした住宅街。30代の若いご夫婦が見つけたその場所は、働き盛りの忙しい日々にも〝ほっとできるゆとりの時間〟をつくり出せそうな環境だった。そんな土地を購入し、住まいづくりをスタートさせたお施主様ご夫婦は、複数の工務店にファーストプランの作成を依頼。各社からの提案を比較した結果、「自分たちの理想に最も近い内容だった」という『株式会社 マイ工務店』に設計・施工の依頼を決めた。 『瞬間を楽しむ家』は、「緑が見える家にしたい」というご夫婦の希望をかなえた住まいだ。芝生が美しい大きな庭にはたくさんの木が植えられており、近くにある公園の緑も〝室内から楽しめる借景〟として取り込まれている。そして建物の背面側には、リビング・トイレ・バスルームのそれぞれから眺められる坪庭も。暮らしの中のふとした瞬間、自然の緑に心癒されたい……そんなお施主様の想いを〝期待以上〟に実現させた設計プランは、いかにも同社らしい。 3台分の駐車スペースや広い庭などエクステリアを大きく取りながら、それでもこちらの1階LDKには、22帖を超える広さがある。敷地面積にも床面積にもゆとりがあるとはいえ、ここまでの大空間LDKを実現できているのは、玄関ホールをコンパクトにおさえたり、〝ただ通るだけの廊下〟は設けていないなど、「過ごす場所としての要素が低い空間」を最小限にしているから。そしてこのLDKには見通しや動線の妨げとなる柱がなく、リビング部の大きな吹き抜けやウッドデッキでつながる庭への眺めも開放的で気持ちいい。さらに自然光だけで部屋中が明るく、窓を開ければ風もよく通る。ご夫婦によると、夏は涼しくて冬は暖かい、一年を通して快適に過ごせる家となっているそうだ。こちらの住まいには、同社の代名詞である「SE構法」ならではの広く自由な空間づくりと、自然エネルギーを生かした「パッシブデザイン」の効果がしっかりと発揮されている。 1階の床に使われているのは、オークの無垢フローリング。その程よく明るい色合いと、壁に塗られた漆喰の滑らかな風合いとが調和し、住まい全体はナチュラルな印象だ。その空間にご夫婦こだわりの家具がよく映え、さらに階段や吹き抜けのオープン手すりなどに見える黒い部材も、広々とした空間を引き締めるアクセントになっている。またキッチン回りの装いも印象的で、ここはお酒が好きなご夫婦に合わせ、ワインのボトルやグラスが空間を彩るアイテムとなるよう計画されたそう。オールステンレスキッチンにダークトーンのタイルなどを合わせたその仕上がりは、言わば〝大人のカフェ〟といった趣だ。 空間の装いも暮らし方の計画も 住まい手の個性を反映させて 『瞬間を楽しむ家』の2階には、1階のLDKと同じくゆったりとした空間が広がっている。しかしその装いは、1階以上に落ち着いた印象だ。理由は、床材が1階とは異なるから。2階のすべての床には杉の無垢フローリングを用い、さらに自然塗料でやや濃い色に仕上げていることで、フロアごとの印象にしっかりとメリハリが生まれている。吹き抜けに面したホールは、スペースを有効活用してつくられた、暮らしに一層のゆとりをもたらす空間だ。吹き抜けに向けてカウンターデスクと本棚が一体となった造作家具が設置されており、この場所で過ごす時間が、ご夫婦のお気に入りだという。そしてホール空間の先にあるのは、10帖ほどのフリースペース。ここは現状、ホールと間仕切りなくつながるオープンな空間なのだが、将来の必要性に応じて、簡易な工事で2つの個室にもできるそう。 もちろん、暮らしやすさを左右する生活動線や収納スペースも、住まい手のライフスタイルを反映して計画されたものだ。特に玄関ホールから2階の主寝室まで一直線につながった動線や、洗濯やゴミ処理といった日々の家事をスムーズにこなせる水回りのレイアウトは秀逸。住まい手とのコミュニケーションを大切に考える『株式会社マイ工務店』だからこその、お施主様ご夫婦の暮らしにぴったりなじんだ住まいとなっている。 ■写真:大きな吹き抜けや柱のない大空間は、『マイ工務店』が標準仕様としている「SE構法」の住宅ならでは。こちらの住まいでは1階LDKに加え、2階にも広々と開放的なフリースペースが設けられている。
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楓工務店
リフト付きガレージと便利な生活動線の家
リフト付のインナーガレージを設けて、趣味の車を眺めて過ごせる家にしたいと考えたお施主様。もともと田舎暮らしがお好きなご夫妻は、ドライブがてら土地を探すところから家づくりのプランを立て始めた。その中で、今の土地にたどり着いたとき、雄大な山の景色に一目ぼれしたのだという。土地探しと合わせて何件も工務店を巡っていたH様だが、こだわりのインナ―ガレージを予算内でかなえてくれそうな会社は残念ながらほとんどなかった。ガレージ部分が2階の梁の高さを超えるデザインのため、施工例自体が少なく、非常に難易度が高い設計だったのだ。お施主様が相談した工務店の中で唯一「やれると思いますよ」と快く引き受けたのが楓工務店だった。接客や対応の良さもあり、安心してお任せできたとH様は語る。 ガレージにスペースを割く分、どうしても居住部分はコンパクトになる。そのため、お施主様ご家族が暮らしやすいよう、生活動線を徹底した空間設計を採用した。ランドリーや物干し場、クローゼットなど、毎日の家事に使うスペースは1階部分にまとめ、動線の距離をできるだけ短くデザインした。調理スペースは、回遊できる対面型キッチンとカウンターを組み合わせて、カフェスタイルに。子どもたちの勉強や遊びの場としても使うことができる。遊び心あふれるスキップフロアのリビングの下には畳の和室を設け、茶室のようなおこもり空間になっている。
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ランドマーク建築事務所
同居世帯ごとの希望に応え、将来にも配慮した二世帯住宅
親世帯が1階、子世帯が2階を主に使う二世帯住宅として設計されたK様邸。『ランドマーク建築事務所』の代表・森下氏が、設計開始時に大切にしたのは、それぞれの世帯で異なる“住まいに対する想い”を整理し、そのすべてに応えることだった。“明るさと風通しの良さ”が求められた2階LDKには、外に流れる風を受けて室内に効率良く取り込む「ウインドキャッチ窓」で対応。1階のトイレは、高齢になっても使い易いよう広々とした空間を用意した。間取りは、家事動線はもちろん、隣にあるK様の仕事場との出入りを念頭に入れてプランニング。そして“特許ウレタン遮熱工法”による、快適な住環境も実現している。住まい手それぞれにとって何がベストかを考え尽くした住まいである。
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吉川住研
感性を刺激する家
建物としての美しさを追求し、長く住まうほどに愛着が深まる住まいに…… 真正面から見た建物の輪郭は、〝住宅を表すピクトグラム〟かのようにシンプル。しかし、地面から2階の軒までダイナミックにつながる大窓や、日当たりによって強調される壁面の立体感、そして極限までシャープに仕上げられた屋根のラインなど、じっくりと見れば見るほど〝つくり手のプロの技〟が浮かび上がってくる。こちら『感性を刺激する家』は、『吉川住研』のプランナー・吉川氏が自邸として手掛けたものだ。「日常の中に、非日常を感じられる生活を求めて計画しました」と吉川氏は言う。外観でまず印象的なのは、やはり〝エントランスまわり〟だろう。玄関扉を囲う壁は、左右も上部も全面がガラス張り。しかも室内側の土間スペースは、その真上が大きな吹き抜けだ。それ故にここは、日中は自然の光でいつも明るく、室内でありながら外で過ごしているかのような、何とも心地よい感覚に包まれる場所となっている。そしてこの土間は、和室やリビングに沿って奥の方へと続いているのが特徴的。その突き当たりも玄関部と同じく、吹き抜けの広々とした空間だ。「無駄のない効率的な間取りを構成するために、玄関部や土間の空間を極力削るという考え方もあります。でもこの住まいではあえて土間を広くとり、視覚的な〝広がり〟や多目的に使える〝余白〟として生かしています」と吉川氏。確かに住まい全体を見渡せば、視線の抜けは抜群。実際の床面積以上に広々と感じられる。なお、間口側の全面を土間にしたことには、〝外部からの視線に対する緩衝材〟として役立てる狙いもあったという。壁の仕上げは内部・外部とも漆喰塗りで、その一部にアクセントとして用いられているのは石灰岩の化粧材。そして屋根には土間と同じ玄昌石、室内の床には素材そのものの色味を生かした無垢のパイン材が使われている。結果、住まい全体の装いはプレーンな印象だ。「無垢の木や漆喰など自然素材をふんだんに使った家づくりは、見た目が〝可愛らしいテイスト〟になりがちです。でもこの住まいでは、玄昌石や石灰岩といった天然石、階段・手すりなどのアイアン素材、また家具などのインテリアで〝ほんの少しのシャープさ〟を添えました」。間取りのポイントは、幾つもの〝回遊動線〟が用意されている点。玄関部からサニタリーを抜けてLDKへ……階段を下りてすぐの土間スペースから玄関へ……と、家族5人がスムーズに移動・出入りができるレイアウトに計画されている。素材と、意匠性と、暮らしやすさにも徹底してこだわった、何をとっても魅力に満ちた住まいだ。 流行に左右されない 〝経年美化〟する自然素材の家 『吉川住研』の住まいづくりは、化学建材に頼らず〝自然素材のみ〟を用いることが基本となっている。接着剤も米のりで、塗装材も天然由来のもの。外側からは見えない下地板にさえ、ベニア・合板を使わない。これは当然ながら、作業工程が大幅に増え、また高い施工技術も必要となってくる、言わば「職人泣かせな家づくり」である。しかし同社ではさらに、流行に左右されないロングライフデザインを取り入れつつ、そこに暮らす人がいつまでも愛着を持ち続けられる装いに仕上げていく。その結果として、「なんだか良い」「居るだけで心が休まる」という言葉では表現できない〝極上の空間〟をつくり上げることが、同社にとっての〝決して曲げられない信念〟だ。こちら『感性を刺激する家』もまさに、同社が掲げる理想をカタチにした邸宅と言えるだろう。「完成からもう7年近く経ちましたが、新築当時と変わらず快適で気持ちよく過ごせています。無垢の床や柱・梁なども、色合いに深味が出てきました」と吉川氏。〝自然素材の家〟ならではの魅力は、これから先にも増していく。 ■写真:新築から何十年と経っても古びた印象にならないよう、外観・内観ともロングライフデザインで計画されたこちら。実際、新築から7年近くが過ぎているが、以前も今も、周囲の景観としっくりなじんだ佇まいだ。