平屋ならではのミニマルさが 今の暮らしにちょうどいい
親の代に建てた家の老朽化に伴い、建て替えを決意したM様。リフォームにするべきかとも悩んだものの、子どもたち3人は皆独立しており、老後の一人暮らしを見据えた結果、新たに平屋の住まいとして造り替えることを選択。
暮らしの中心となるリビングは、平面積こそ10帖ほどだが、吹き抜け天井と南面に配した大きな窓が空間に抜け感をもたらし実際の広さ以上に開放感を感じさせるとともに、日の光がたっぷりと降り注ぎ、日中は照明無しでも十分明るく暖かい快適な空間に作り上げている。また、将来車いす生活になっても支障が出ないよう、ドアの段差を無くしたり通路の幅を広げたりしたほか、家事動線が極力短く済む間取りや、屈まなくて済むようコンセントの位置を腰あたりに配するなど、細かなところまでバリアフリーに配慮した暮らしやすさの工夫が凝らされている。さらに自社で家具製作ができる同社の強みを生かし、住まいのあちこちにオリジナルの本棚や飾り棚を造作。以前の住まいのときから処分しきれず置き場所に困っていたたくさんの本もスッキリ収納できるほか、思い出の家族写真や四季折々の花もディスプレーし、住まいにさらなる彩りをプラス。老後を見据えた暮らしやすさに加え、好きなものに囲まれたM様大満足の平屋が完成した。
■写真:「自然素材の家に住みたかった」というM様の要望に応え、床や柱はもちろん造作棚などにも十津川産の無垢材を贅沢に使用。また壁には漆喰を使い、身体に優しくあたたかみある空間に。たまに遊びに来るお孫さんもお気に入りのリビングだという。
以前の住まいにあった欄間を取り入れた趣ある和室。扉を閉めれば急な集まりやお泊まりにも利用できる。
オリジナルのキッチンカウンター兼飾り棚。思い出の写真や季節の花をディスプレーし、より豊かな暮らしを演出。
木目が美しい玄関。広々として出入りもしやすい。手洗い横の間仕切りには、以前のお住まいで使われていた建具のガラスがはめ込まれている。
取り出しやすく家電やゴミ箱もスッキリ収まる使い勝手の良さと、空間とよくなじむデザイン性の高さも魅力のオリジナル食器棚。
バリアフリーに配慮しトイレは広い間口の引き戸仕様に。
後から家具を買い足さなくても済むようにダイニング横の作業台と棚も同社で造作。
デッキ部分には掃除しやすくメンテナンスも簡単なタイルを採用。