「新しくて古い」 を異素材で表現した省エネ住宅
あえて新築らしい印象になることを避け、木の持つ豊かな経年変化とアイアンやレン
ガという異素材を組み合わせたN邸は「新しくて古い家」をテーマに掲げた。奈良県産木材の、「たわみに強い」という特性を使って大空間を可能にしたワンルーム型のリビングをもつ1階は、現しになった梁や柱から無垢材ならではの清々しい香りや豊かな表情を楽しめる。また自然の光や風の流れも計算しつくされたプランで取り込み、中にいながら外を感じる五感を満たす空間だ。もちろんこの空間の光熱費は、高気密・高断熱の省エネ設計で心配いらず。耐震技術認定者による安心の高耐震設
計で安心も忘れない。
長く快適に暮らしていくための工夫は、いつでも上塗りができる壁にも。和紙の上に漆喰を施すことで補修も簡単にできる仕様にした。また書斎や仕事部屋はその都度使う人間の用途に合わせられるよう、シンプルな造りに。玄関収納やキッチン奥に配置した大きなパントリー、広々とした小屋裏収納も家族のライフスタイルに合わせた設計だ。
インテリアが趣味である奥様のセンスは、キッチンを中心に家中の至る所に光り、お子さまには床の肌ざわりが好評。住む人の五感を満たしながら暮らしの便利さを追求する、「百年住まう家」を目指す『なかむら工務店』の家づくりへの思いが見事に表現された家といえる。
キッチン背面に貼られた緑のタイルや見せる収納、小物のコーディネートからは、新築ながらも大切に使い込まれたような風合いが感じられる。大きなシンクとワークトップで使いやすさも抜群。
木・アイアン・レンガなどのさまざまな素材が、違和感のない絶妙なバランスで配置されたキッチン・ダイニング。スタイリッシュな中にも温もりのある、調和のとれた空間だ。
玄関ホールにも天井に杉、床に桧を使用。リビングとの仕切りである壁には天井の高さまである内窓を設置したことで、小さな空間でも圧迫感がなく、また家族間のコミュニケーションにも一役。
書斎はあえてダークカラーに配色し、集中しやすい環境を整えた。天井は黒、壁はグレーでマットな仕上がりに。造り付けの広々としたカウンターは、国産無垢材を使用した同社のオーダーメード。