夢見た古都での暮らしに似合う、古民家風の住まい
大学生時代に暮らした奈良が大好きで、「いずれはここを永住の地にしよう」と考えていた奥様。こちらK邸は、“長く抱いてきた奥様の夢”を実現させた住まいだ。
奈良で過ごしていると感じる“落ち着いた雰囲気”が好きで、“情緒ある歴史的な建造物”も好きだから、K邸の装いは古民家テイスト。外観は白×黒の2トーンを主体としたデザインで、室内の木部も床以外はすべてが黒色。白い壁や天井、そして“無垢の桧”の明るい色合いをそのまま生かした床との組み合わせは、まさに“現代版の町家”といった印象だ。間取りを見てみると、1階にレイアウトされているのはLDKと水回りのみ。おかげでリビングはゆったりとし、「子どもが自由に走り回って遊べる家にしたい」というご夫婦の希望がしっかりとかなっている。またキッチンと一体型の“ダイニングテーブル&カウンター”は、ご夫婦厳選の一枚板で造作されたもの。「家族団らんの時間も、夫婦の時間も、このテーブルで過ごしていることが多いです」とご夫婦が口をそろえる、“住まいのシンボル”と呼ぶに相応しい存在となった。そしてご夫婦一番のこだわりは、小屋裏ロフトから“若草山と奈良の街”を望めるようにしたことだ。「家族みんなで山焼きを眺めながら、夫婦でお酒を飲みたいです」と、ご夫婦はこの住まいで初めて過ごす奈良の早春を、今からとても楽しみにされているご様子だった。
2階の上に設けられた小屋裏ロフトでは、窓の外に広がる奈良の景色と若草山の姿を眺めることができる。“大好きな奈良”を住まいの中からじっくりと堪能できる、奥様お気に入りの空間だ。
和室は、ホールとの境を建具で仕切らないオープンスペースに。吹き抜けを通して、“1階リビングとのつながり”を楽しめる計画だ。「休みの日には、ここでごろごろして過ごします」と奥様。
ダイニング横の壁には、お子様と一緒にお絵描きができる“黒板クロス”が貼られている。この場所は、水回りへと続く生活動線の通過点なので、家族の伝言板としても活躍しているそう。
K邸では天井にも壁にも白いクロスが用いられているが、階段と接している壁だけは“1階から小屋裏ロフトまで朱色”に統一。奥様が思う“奈良らしい色”を、装いのアクセントとして取り入れた。