それぞれのライフスタイルを尊重し、三世代がほどよい距離感で集う家
最も快適な部屋を
最も家族が集まる場所に
車椅子のお母様との二世帯同居を機に、リフォームを決意したY様。お母様が安心して暮らせ、また、スタイルの異なる三世代それぞれにとっても快適な家にしたいと、『株式会社 創造工舎』に依頼した。
伝統的な「田の字」型の家屋だったY様邸。冠婚葬祭を自宅で行っていた昔の日本では、明るく日当たりの良い南側に縁側や和室を設けるのが一般的だった。しかし、この間取りは現代の暮らしとは合わなくなり、「一番環境が良い部屋」は「一番使われない部屋」になっていた。
そこで同社は、南側にあった広縁と二間続きの和室を、三世代が集えるダイニングキッチンへと造り替えた。深い軒のある大きな開口部はそのまま生かすことで、コストを抑えながら、自然光豊かな、家族団らんを楽しめる明るい空間を実現した。収納力や回遊動線も確保し、機能性も抜群だ。
さらに今回のリフォームでは、家族がお互いに気を使うことなく、自由に過ごせるようにも配慮した。段差をなくし、扉はすべて引き戸に変えることで、車椅子のお母様が回遊できるようにし、また、介助が必要な場所はスペースを広くとって、家族にとっても使いやすい空間に生まれ変わった。「リフォームしてから家族が顔をあわせている時間が長くなった」とY様。快適に生まれ変わったわが家で、Y様家族は、にぎやかな毎日を送っている。
■写真:縁側を取り込んだダイニングキッチンには、南に面した大きな掃き出し窓から柔らかな光が差し込む。既存の欄間を再利用し、隣接する和室にも光を届ける。
■物件詳細:築28年(一戸建て)
■リフォーム面積:178.17平米(53.9坪)
キッチン前の造作テーブルではパソコン作業や読書が可能。家族そろって食事をとるテーブルとは用途を分けた。
お母様の部屋は飾り棚の奥に配置。ライフスタイルの異なる世代との同居でもお母様が落ち着いて生活できるよう配慮した。
応接室とリビングルームはテレビボードで仕切られ、それぞれがほどよくプライベートな空間に。
車椅子で生活しやすいよう、フローリングに変更したお母様の部屋。室内には専用の水回りも設け、自立を後押しする。