和の暮らしがかなう家
「洋風より和風、木造で瓦屋根の家を建てたい」。何が好きで、どんな暮らしをしたいかが明確だったI様にとって、思う家を建ててくれる工務店を探すことが何より重要だったそう。そんな頃、十津川産の木を使った家を建てる『建築工房 和』の存在を知り、「ここなら安心して家づくりを任せられる」と家づくりを依頼することに。土地探しに1年半をかけ、並行して間取りなどの打ち合わせを進めていったという。同社の熊谷氏は、「I様が求めた生活スタイルを間取りに反映する中で、畳コーナーではなく、十分な広さの畳リビングになりました」と話す。畳で食事をしようと決めていたというI様にとって、畳リビングは必然だった。そして、室内にある家具はほとんど同社のナゴミファニチャーのもの。どこに置くかを話し合い、収納計画を立てた上で造作しているので、まったく無駄がないのもうらやましい限りだ。「エアコンやストーブに頼らず、自然の風を感じながら、快適に過ごしたい」と話すI様にとっての理想の住まい。家づくりとは、本来こうあるべきものかもしれない。
寝室は和室で、畳に布団を敷いて、4人並んでお休みになっています。温度調節・空気の浄化作用などの効果も期待できる畳は質のいい睡眠という点でもおすすめ。和室から出入りする南向きのバルコニーで布団を干すことができ、押入れは大容量のクローゼットとなっています。
ふだんの食事はもちろん、畳でくつろぐことが多いI様ご家族にとって、畳リビングは当然の選択でした。畳と杉や檜の無垢材、そして造作家具との相性は抜群です。天井まである大きな窓から自然光が差し込み、とても気持ちのいい空間に仕上がりました。
「木が大好き」なI様のご要望で、外壁は焼杉、床は杉や檜の無垢材、収納スペースの中にまで杉板を張るなど、十津川産の木をふんだんに使った住まいが完成しました。
スペースや収納するものに合わせた杉の造作家具が、フロア全体の統一感を生み出している。
畳リビングのサッシは、普通より高い2.2m。4 枚障子の縦ラインで空間がすっきりとした印象に。
1階の床は檜、2階の床は杉の無垢材、シューズクロークや収納スペースの内側にも、調湿効果のある杉板を張るなど、あらゆる部分に徹底して木を使用しました。玄関の正面にある引き戸の奥は奥様のテレワークスペースで、キッチンにつながっています。
腰壁に杉板を張ったトイレ。奥の収納は同社のナゴミファニチャーの造作家具。
無駄のないシンプルな洗面台。
屋根は三州瓦を使用し、1階は黒い焼杉、2階は白い漆喰でコントラストがはっきりした外観は、「いい家ですね」と褒められることも多いそうです。24時間換気システム「sumika」とウッドファイバーの吹き込み断熱で、室内はいつも快適に保たれています。
ウッドファイバーの吹き込み断熱。
準防火地域のため、外壁の下地に防火仕様を施し、焼杉を張っている。