家づくりお役立ちコラム リノベーション 一覧
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2025/06/02
【キッチンの基本2】生活に合ったキッチンを見つける
毎日使うキッチンは、調理中も片付け中も、ストレスなく使いやすい場所が求められます。 だからこそ、キッチン選びの基本は、生活に合ったキッチンを見つけることです。 そのためには、ご家族の生活に合ったキッチンのスタイルをセレクトすることが必要になります。 【1】キッチンの向き、対面or非対面 敷地の大きさや間取りによって可能不可能はありますが、キッチンをどのように配置するかは、まずダイニングやリビングと向き合わせて配置され、お料理中も家族の様子が確認できる「対面」か、向き合わず調理に集中できる「非対面」の2パターンに分かれます。さらに、それぞれキッチンが壁に沿っているかどうかで、また2つに分かれます。 a、対面:アイランド(孤島) b、対面:ペニンシュラ(半島) c、非対面:壁付 d、非対面:独立(個室) それぞれメリットがありますので、詳しく見ていきましょう! a、対面:アイランド(孤島) アイランドキッチンは「孤島」のようにキッチンが配置され、左右どちらからでも入れるようになっています。 そのため、ある程度ゆったりとした面積が確保できないと、配置できないキッチンでもあります。 回遊動線がもてるので、複数人で一緒に料理がしやすいのが特長。 b、対面:ペニンシュラ(半島) 注文住宅・リフォーム問わずに、取材をしていて一番多いのがこちらのキッチンパターン。 キッチンの左右どちらかが壁にくっついて設置されています。 「ペニンシュラ」とは半島を意味しており、壁からニョキッと半島のように突き出た形からこの名前が付けられているそう。 例えば、火の近くにお子さまやペットを近づけたくないといったご家庭や、コンロの周りには壁を設けて清掃性を高めたいといった要望にバッチリ応えてくれる。 c、非対面:壁付 キッチン全てを壁沿いに配置するのが、壁付キッチン。 限られたLDKのスペースを有効に利用したいといった場合や、調理に集中したい!という方に人気。 d、非対面:独立(個室) ダイニングやリビングから離して、キッチンのみの部屋を設けるパターン。 料理の匂いが部屋に広がるのが嫌、キッチンを人に見られたくない、調理家電が見えることで部屋の雰囲気を壊したくない!といった方に人気。 【2】キッチンの種類、手元を見せるor見せない 対面キッチンの場合、キッチンからダイニングやリビングを見渡せるのが特長ですが、反対に逆側からもキッチンが丸見えということ。そこで、カウンターや吊戸棚を設置することで、利便性を高めながら見える範囲も調整することが可能です。 a、フルフラット b、セミフラット c、セミオープン a、フルフラット キッチンのCM広告やモデルハウスで見かけるのは、ほぼこのフルフラットキッチン。 無駄に遮るものがなく、LDK全体を一つの部屋としてすっきりと見せてくれる。 ■フルフラットのペニンシュラキッチン施工例 パーシモンホーム by株式会社日都建設「鉄骨階段でつなぐ集いの場と自分時間のある家」 b、セミフラット キッチンの前面に腰壁やカウンター収納を付けて、手元が隠せる。立ち上がり部分にニッチを設けて調味料置き場にしたり、コンセントを増やしたりすれば、作業効率を高めることも可能。 旦那さんやお子さんが、シンクを使った後の「あら?こちらで水浴びでもされましたか?」といった水の飛び散りも防いでくれる。 ■セミフラットのII型ペニンシュラキッチン施工例 吉川住研「日常の中で感じる非日常、こころの豊かさを追求した住まい」 c、セミオープン コンロの前に壁を設けて油の飛び散りを防いだり、対面キッチンの上部に吊戸棚などを設けて収納力を高めたり、視線を防ぐと共に利便性をUPできる。 ■セミオープンのペニンシュラキッチン施工例 ビーライフ 一級建築士事務所 まとめ これなら使いやすそう、自分の家族にはこっちかなといった、理想的なキッチンはイメージできましたか?自分以外のご家族のキッチン使用頻度や来客の頻度も、キッチン選びの一要因に加えて、使い勝手が良く、部屋の雰囲気にピッタリと合って、家事ストレスフリーのキッチンを手に入れてくださいね! 関連コラム:【キッチンの基本1】シンクとコンロの配列 加筆:2025年6月2日 初回投稿日:2023年1月23日
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2025/06/02
【キッチンの基本1】シンクとコンロの配列
朝・昼・晩と毎日使う場所だから、そこに立つことが楽しくて、ストレスなく使えるキッチンが理想的。さらに収納力があって、お掃除が手間なくできて、おしゃれだったら文句なし。そこでまずは、キッチン別にメリット・デメリットをご紹介します。そして、奈良の工務店が実際に施工した写真と一緒に魅力を整理していきましょう。 『一級建築士事務所リビングデザイン』モデルルームのキッチン こちらのキッチンは、フルフラットのI型キッチンをペニンシュラ施工。 今の時点で、「ふるふらっと?」「I型?なんて読むの?」「ぺぺぺにんしゅら?」と、何がなんだかわからない方も、この記事を読むと、まずは「I型キッチン」が理解できるようになります! キッチンの配列 キッチンの配列は、大きく分けて次の4パターンが挙げられます。 【1】I型キッチン 【2】II型キッチン 【3】L型キッチン 【4】U型キッチン 【1】I型キッチン まずは、I型キッチン(あいがた)。シンク・調理天板・コンロが1直線に並んでいます。上から見るとその形がアルファベットの「I(アイ)」の形と似ているから、I型キッチンと呼ばれる由来になっているとか。キッチンの中でも一番オーソドックスな配列で、昭和のアパートは、ほぼこちらの形です。 ちなみに、昭和50年代後半築の大手ハウスメーカーの戸建て建売だった実家もこのカタチ。 昔住んでいたギリギリ平成生まれの4F建て鉄筋コンクリート造の賃貸マンションもこちらのカタチです。 キッチンを壁付にするか、リビングに向けるか(対面キッチン)で、使い勝手も雰囲気もグッと変わります。 ○メリット ×デメリット キッチンの面積がコンパクトにまとめられるため、狭小住宅でも採用しやすい。 調理スペースを広げすぎると、シンクからコンロまでの移動距離が遠くなって不便。 シンクとコンロの間の調理スペースを広げることで、作業効率を上げられる。 調理中は平行移動しかできないため動線が混み合い、複数人だと使いにくい。 I型キッチン施工実例 ↓ 『なかむら工務店』新築で採用、「新しくて古い」 を異素材で表現した省エネ住宅>>> 『シバ・サンホーム』新築で採用、風合いを楽しめる白い塗り壁の家>>> 【2】II型キッチン こちらもキッチンを上から見たときに、「I」が並んで「II」の形に見えることからII型(2型・にがた)もしくはセパレート型キッチンと呼ばれています。 シンクとコンロを別の「I」列に配置することで、例えば、シンクはリビングに向けて家族の様子がすぐわかるように、コンロはお掃除の利便性を考えて壁付にといった設置が可能です。小さなお子様がいるご家庭では、火は子供の手が届かないなるべく離れたところに。。。といった安全性にも応えられます。 ○メリット ×デメリット シンク・コンロ・冷蔵庫の配置を三角することで、作業効率がUP。「ワークトライアングル」と呼ばれています。 シンクで洗った野菜をそのままフライパンに!湯切りしたお鍋をコンロにもどす!といったときに、水が落ちて床が濡れがち。 調理に使う作業スペースを広くとりやすい。 コンロで調理中は、リビングの様子が見えない。 火や熱い鍋などを生活スペースから、できるだけ離すことができる。 II型キッチン施工実例 ↓ 『マイ工務店』新築で採用、色とりどりの植物と調和する住まい>>> 【3】L型キッチン こちらも見たまま、コンロとシンクがLの字につながっているキッチンを、L型(エルがた)キッチンと呼びます。全てを壁沿いに設置することも、L型の一部のみを壁沿いに設置することも、どちらでも可能。 ○メリット ×デメリット コンロとシンクの行き来がしやすい。 L字の角になった部分は奥行きがあるため、デッドスペースになりがち。 作業スペースの広さが確保しやすい。 I型と比べると高額になる場合がある。 L型キッチン施工実例 ↓ 『岡田工務店 岡田一級建築士事務所』新築で採用、住まい手になじむ、和モダンの「優しい家」>>> 『大吉建設』リノベーションで採用、きれいな空気に包まれた、笑顔も溢れる健康住宅を実現>>> 【4】U型キッチン シンクからコンロ、調理スペースまでが「U」の字につながって並んでいるキッチンがU型(ユーがた)キッチン。まるでDJブースのような、キッチンステージのような堂々たる存在感を放ちます。調理スペースがとても広く使えて便利なキッチンです。しかし、なかなか広いスペースが必要となるため、あまり日本の一般家庭では見かけないかもしれません。 ○メリット ×デメリット 広々とした調理スペースが実現可能。 施工に広いスペースが必要。 まとめ シンクとコンロの位置関係によって、4パターンに分けられるキッチンの配列。 今のお住まいのキッチンはどのような形でしたか? キッチンに使える広さや使い勝手に合わせて選択してくださいね。 関連コラム:【キッチンの基本2】生活に合ったキッチンを見つける 加筆:2025年6月2日 初回投稿:2022年4月21日
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2022/09/27
住宅診断(ホームインスペクション)って?
「住宅診断(ホームインスペクション)」という言葉をご存知でしょうか。 中古物件の売買が盛んな欧米などではごく一般的ですが、最近では日本でも浸透しはじめてきました。 「住宅診断(ホームインスペクション)」とは、その名の通り住宅の状態を診断することなのですが、「ホームインスペクター」という資格をもつ専門家が第三者の立場で詳細に診断してくれる制度です。 ・中古物件の売買を検討している ・リフォームを検討している ・現在住んでいる家や、新築で購入した建売住宅の修繕スケジュールを立てたい そんな方にオススメしたい「住宅診断(ホームインスペクション)」を、今回はご紹介します。 住宅診断(ホームインスペクション)で分かること 欠陥の有無や劣化状態、修繕ポイントやその時期、修繕にかかる費用などについて調べます。 新築・中古、一戸建て・マンションなどに限らず、すべての住宅で診断可能です。 主な診断項目 一戸建て住宅の場合の大まかな項目は図の通り。各項目ごとに、詳細に点検内容が設定されています。また、要望は追加することもできます。 ・屋外:基礎、外壁、屋根、軒裏、雨樋、バルコニー、外構、玄関ポーチ、その他 ・床下:基礎、土台・床組み、その他 ・屋根裏 ・玄関:玄関扉、下足入れ、玄関収納、その他 ・室内階段 ・リビング・ダイニング・台所・洗面室・トイレ・居室・廊下:床、巾木、壁、天井、扉、サッシ、収納、その他 ・台所:収納、吊戸棚、シンク・流し台等 ・洗面室:収納、シンク・流し台等 ・浴室:床、壁、天井、扉、サッシ、天井点検口、その他 ・トイレ ・和室:畳、壁、天井、障子、サッシ、襖まわり、押入れ、その他 ・設備:給排水設備、電気設備、その他 所要時間・費用 一般的な戸建て住宅(建物面積約30坪)で2〜3時間。 費用は目視点検で約5万円~、床下や小屋裏への進入・精密機器による診断で10万円前後が相場とされています。 住宅の健康診断、ホームインスペクション! ホームインスペクションは、中古物件の購入前に診断を行うことが可能なので、購入を検討している人はもちろん、家を適正価格で売りたい人、持ち家のリフォームやメンテナンス内容の参考にしたい人に利用されている制度です。 公正な評価を受けた住宅は、売る側、買う側、どちらにも安心のメリットがあります。 将来的なトラブルを未然に防ぐため、検討されてみてはいかがでしょうか。 奈良県でも、多くの工務店でホームインスペクションを推奨しています。 気になる会社があればぜひ聞いてみてくださいね。
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2022/03/08
いま相談が増えています。「マンションリフォーム&リノベーション」!
「マンションだから、リフォームはできない」と思っている方いらっしゃいませんか? いえ、それは違います!近年、ライフスタイルの変化に合わせて、住み慣れたマンションをリノベーションされる方が増えています。 ライフスタイルの変化によって、間取りによる暮らしにくさを感じているなら、「マンションリノベ」をおすすめします! なんといってもマンションの恩恵はこれ! ≪マンションならではの恩恵≫ 1.立地が良い 2.セキュリティが良い 3.バリアフリー 4.資産価値が高い https://www.mlit.go.jp/common/001401317.pdf 出典:国土交通省 令和2年度 住宅市場動向調査~結果の概要(抜粋)~ 通勤・通学、買い物や通院にも便利な立地、フラットな間取りは老後も安心です。 また、外部からの不要な訪問に対しても共有エントランスで断ることができます。 RC造で耐久年数も高く、これらを踏まえて資産価値が下がらないと言われています。 マンション自体が持つメリットはそのまま、間取りやデザインの工夫、設備の工夫でマンションリノベを成功させた実例をのぞいてみましょう! 自然素材がふんだんに使われた実例 こちらは、スペースマイン(大和郡山市)のマンションリフォームの実例。 奈良の住宅雑誌 奈良すまい図鑑シリーズ「建匠2016」より抜粋 風の通りを変えるため、もとあった壁も取り払い、自然素材をふんだんに使ったマンションリフォームが成功した例です。 広く開放的に変化したマンションの玄関部分や大容量のシューズクロークもすべてリフォームでかなえています。使い続けられるところは残したリフォームを行うことで、水回りはそのまま。しかし、キッチンカウンターを造作することでリフォーム後も馴染んでいます。 いかがでしたか?マンションリフォーム&リノベーションの夢が広がりますね!
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2021/12/21
リフォームの基礎知識【マンション編】
実は、一戸建てもマンションもリフォームで全てを思い通りに変えることはできません。なぜなら、法律などで規制されることがあるからです。しかし施工経験が豊富なプロにまかせることで、法律や管理規約の範囲内で魅力的なリフォームは可能。一戸建ては法律に沿って、マンションなら管理規約に照らし合わせて、より理想のお家を目指しましょう。 リフォームできる!?できない!? 所有者がそれぞれ快適に暮らせるようにと決められた、区分所有法という法律に沿って作られた管理規約と使用細則があり、それを守って工事をする必要があります。お手元にマンション管理規約があるとより安心ですね。 水まわり 共用部分が設けられているマンションは、配線や配管もこれに準じます。水まわりの移動が規約として可能か、また水圧に関しても階数で差がある場合は配管の性能に合った設備を選びます。 内装 専有部分は自由にリフォーム可能ですが、特に気を付けたいのが床材の制限です。マンションは音への配慮が重要ですので、使用できない素材がないか確認が必要です。 間取り 柱と梁で構成する「ラーメン構造」を採用しているケースが多く、憧れのスケルトン空間は、だいたいラーメン構造で可能になります。 室外 室外は共用部分です。ベランダ部分は避難経路でもありますので、ウッドデッキを増設する場合も確認しなければなりません。玄関・サッシの内側部分の塗装リフォームは可能ですが、外装の塗装はできません。 電気・ガスエ事 分電盤の容量、ガス給湯器は大きさの上限が決められている場合が多くあります。管理組合に碓認しておきましよう。 関連コラム:リフォームの基礎知識【一戸建て編】
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2021/12/21
リフォームの基礎知識【一戸建て編】
実は、一戸建てもマンションもリフォームで全てを思い通りに変えることはできません。なぜなら、法律などで規制されることがあるからです。しかし施工経験が豊富なプロにまかせることで、法律や管理規約の範囲内で魅力的なリフォームは可能。一戸建ては法律に沿って、マンションなら管理規約に照らし合わせて、より理想のお家を目指しましょう。 リフォームできる!?できない!? 一戸建てとマンションでは、リフォーム前に注意するところが大違い!理想のリフォームができるのか、できないのかスタートが肝心です。一戸建ての場合、せっかくなら敷地いっぱいに建物を増改築したいものですが、実際は法律で制限されています。大規模なリフォームは建ぺい率、容積率、斜線制限などに従って考えます。 建ぺい率とは 敷地面積に対する建築面積の割合の上限。 ※建ぺい率・容積率は、用途地域によって異なります。 容積率とは 敷地面積に対する延床面積の割合の上限。 ※建ぺい率・容積率は、用途地域によって異なります。 斜線制限とは 建物の高さを制限するもの。北側斜線制限や道路斜線制限などがあります。また用途地域によって制限されることもあります。 接道義務 建築基準法で定められた道路とは、原則幅員4m以上、特定行政庁が指定した区域内では6m以上となります。敷地に建物を建てる場合は、この道路に2m以上接していなければなりません。 再建築不可 古くから建築物があり、現在の法整備の基準を満たしていない、接道義務を守れていない敷地に建つ建物は「再建築不可」となります。しかし実際は、建物の構造を変えず、増築とならない範囲であればリフォームが可能な場合も。パートナー会社の助けを借りてじっくり検討しましよう。 関連コラム:リフォームの基礎知識【マンション編】