特集・コラム一覧
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2026/01/10
【続】平屋でかなえる理想のライフスタイル|奈良の工務店が提案する住まい 2邸
「平屋」という住まいは、暮らしを広げる住まい方のひとつです。 ワンフロアだからこそ家族の声や気配が届きやすく、安心感のある距離感が生まれます。 庭や中庭とつながることで室内から屋外へ生活の場が広がり、光や風を取り込みながら季節を楽しむことができます。 さらに、階段のないシンプルな動線は将来のライフスタイルにも対応しやすく、子育て世代からシニア世代まで安心して暮らせる柔軟さを備えています。 奈良の風土や景観にもよくなじみ、自然と調和した住まいを実現しやすいのも平屋の魅力です。 今回の第二弾では、奈良の工務店が提案する個性豊かな平屋の実例をご紹介します。 ファンズホーム × 「光と風が抜ける開放的な平屋住宅」 性能とデザインを両立した、家族の未来を見据える平屋 完成見学会をきっかけに「デザインも性能も妥協しない家」との思いで選ばれたお施主様。延床約30坪の平屋は、個室を最小限に抑え、主寝室やロフト下のスペースを活用することで将来的な間取り変更にも柔軟に対応できる設計となっています。梁や柱を現しにした構造が木の温もりを伝え、広さ約30畳のLDKには光と風が心地よく通り抜ける開放感が広がります。 🟩シンプルな片流れ屋根と塗り壁の質感 外観は片流れ屋根に塗り壁を合わせ、シンプルながら素材感が際立つ佇まい。インナーバルコニーは奥行き約1.8mを確保し、屋根付きの外空間として暮らしに「外時間」を取り入れています。梁や柱を見せた構造が、室内に木の柔らかな雰囲気をもたらし、突板の風合いを生かしたキッチンや造作家具が空間全体に統一感を与えています。 🟩家族の変化に対応する柔軟なプラン 約30畳のLDKは南北に視線が抜け、最大4mの天井高が開放感を演出。ロフトは約4.5畳の多用途スペースとして活用でき、将来のライフスタイルに合わせて間取り変更にも対応できるように計画。キッチン奥には約7畳のファミリークローゼットを設け、収納を一か所に集約することで室内をすっきりとした状態に保つことが出来ます。DIYで設けたフェンスや階段など、お施主様自身の手が加わることで愛着のある住まいに仕上がっています。 🟩DIYと造作で生まれる愛着と快適性 漆喰塗りやタイル貼りなど、仕上げの一部はお施主様自らのDIYによるもの。在宅時間が増えたときでも快適に過ごせる住環境を実現し、家族の「これから」を見据えた柔軟な設計と工夫が随所に感じられる住まいです。 施工会社紹介 ファンズホーム株式会社 性能とデザインを両立し、家族の未来に寄り添う住まいを提案。 公式サイトへ 代表取締役社長 中本 滋さん 完成見学会で出会ったお施主様の思いに応えるため、性能とデザインの両立を大切にしました。DIYによる仕上げや造作家具を取り入れることで、住まいにより一層の愛着が生まれています。資金計画やローン申請などの実務面でも丁寧にサポートし、安心して家づくりを進めていただけるよう努めました。 ロカアーキテクチャー × 「上質で洗練されたホテルライクな平屋」 暮らしやすさと❝余白❞のある空間が融合した住まい お子さんの誕生をきっかけに家づくりを考え始めたお施主様。デザインへの強いこだわりから最終的に選ばれたのは、シンプルでありながら洗練された❝余白❞のある空間を提案するロカアーキテクチャー。完成した住まいは、ホテルライクな雰囲気と暮らしやすさが融合した平屋。28.1帖の広々としたLDKを中心に、家族が自然に集まる空間が広がっています。 🟩シンプルでスマートな外観に映えるシンボルツリー 外観は白を基調に凹凸を抑えたスマートなデザイン。正面は雨どいが目立たないよう袖壁を出し、黒のカーポートやシンボルツリーのアオダモがアクセントとなっています。横から見ると片流れ屋根が表情を変え、ライトアップされた夜間のアオダモも住まいの顔に。ホテルライクな美意識が外観にも反映されています。 奥様のこだわりを追求したカウンターキッチン。 造作も得意とする同社による造作洗面所。洗面台はAICAの高級人造石フィオレストーン。オンボウルや丸ミラーの色味を抑えることでグレーのフロアタイルを引き立たせている。 🟩家族が集うLDKを中心にした合理的なプラン 28.1帖のLDKは床を貼り分けず同じフロアタイルで統一し、シームレスな広がりを演出。丸型カウンターを備えたイタリア製オーダーキッチンが空間の主役となり、直線美と柔らかな曲線が調和しています。大きな窓の開放感とも相まって、心地よさと明るさにあふれる空間です。子ども部屋は3.8帖と最小限に抑え、家族が一緒に過ごす時間を大切にする間取りに。キッチン近くに洗面スペースを配置し、家事動線をコンパクトに整えています。さらに、造作洗面所には高級人造石フィオレストーンを採用し、グレーのフロアタイルとの調和を図るなど、素材選びにもこだわりが感じられます。 カウンターと一体になったオーダーキッチンは、イタリアのユーロモビル製。 空間をすっきりとした印象にするハイドアと曲線がきれいな垂れ壁の並びも緻密に計算された美しさを感じられる。 🟩細部まで計算された造作と余白の美しさ 冷蔵庫や家電はパントリーや収納スペースにに収め、生活感を抑えた設計。アーチ形のパントリー入口は職人と打ち合わせを重ね、美しい仕上がりに。ハイドアや曲線の垂れ壁など、細部まで緻密に計算された造作が空間をすっきりと見せています。ホワイト、グレー、オーク調の木目でシックかつスマートに統一された住まいは、機能面もデザイン面も妥協なく選び抜いた無二の邸宅です。 L字型で作業スペースも十分なキッチン。背面の木目の収納棚はあえて天井まで上げないことで“ 余白” を表現。 シューズクロークを設置した玄関土間。 上がり框はステンレスをチョイスし、空間をスタイリッシュに。 施工会社紹介 ROKA architecture. by VENDOR株式会社 ❝余白❞のある洗練された空間を提案し、デザインと暮らしやすさを両立する住まいを実現。 公式サイトへ コーディネーター 港 祥世さん お施主様の強いデザインへのこだわりに共感し、ホテルライクでありながら機能性を備えた平屋をご提案しました。素材や納まりの細部まで一緒に検討を重ねたことで、唯一無二の上質な住まいが完成したと感じています。 平屋で注目される4つの設計ポイント 🟧 1|空間効率 平屋はワンフロアで完結するため、廊下や階段などの「移動だけのスペース」を最小限にできます。LDKと個室、水まわりを無駄なく配置することで、延床面積以上の広がりを感じられるのが特徴です。視線の抜けをつくる窓配置や、天井高の変化を利用した空間演出など、限られた面積を最大限に活かす工夫が求められます。 🟧 2|家事動線 平屋は生活空間がワンフロアにまとまるため、家事動線をシンプルに計画しやすいのが特徴です。キッチンや洗面、脱衣室、クローゼットなど、日常的に行き来する場所を近くにまとめることで、移動の負担を抑えた効率的な動線がつくれます。間取りの自由度が高い平屋では、家族の生活パターンに合わせた動線計画がしやすい点も魅力です。 🟧 3|造作収納 平屋は収納計画が住み心地を左右します。造作収納を取り入れることで、空間に合わせた無駄のない収納が可能になり、生活感を抑えたすっきりとした室内を保てます。 キッチン背面収納、ファミリークローゼット、洗面の造作棚など、用途に合わせて設計することで、片付けやすい環境が整います。 🟧 4|ヌックと土間 平屋は生活空間がワンフロアにまとまるため、小さなスペースの工夫が暮らしやすさに直結します。その中でも人気が高いのが「ヌック」と「土間」。ヌックは読書や子どもの遊び場、ワークスペースなど多用途に使えるこもりスペースで、LDKの一角に設けることで家族との距離感を保ちながら過ごせます。 一方、土間は靴やアウトドア用品、ベビーカーなどをまとめて置けるため、玄関まわりの動線が整い、片付けがしやすくなります。ワンフロアで完結する平屋では、こうした“ちょっとした余白”が暮らしの快適さを大きく高める要素として活きてきます。 平屋はシンプルな構造の中に、空間効率・動線・収納・余白の工夫をどう組み込むかで暮らしやすさが大きく変わります。今回の事例を参考に、理想の平屋づくりのヒントを見つけてみてください。
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2025/12/24
奈良でも、断熱は必要?を数値から考える~新築・リフォーム共通Q&A~
はい、家も家族も健康を保つためには断熱対策が必須です。 断熱とは、家の中と外の温度差を少なくすること 熱は、温かいところから冷たいところへ移動する性質があります。そのため断熱が不十分だと、夏は冷房をつけても外からあたたかい熱が入り、冬は暖房をつけても熱がすぐに外へ逃げていきます。家の中で心地よく過ごせないことや、光熱費がかさむだけでなく、家の中の温度差によってヒートショックが起きるといった健康リスクも高まります。 ひともペットも暖かい家が過ごしやすい 「家のあたたかさ・涼しさをどの程度キープできるか」を数値化して区分したのが、断熱等性能等級です。「住宅性能表示制度」の評価項目のひとつで、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき定められた「日本住宅性能表示基準」に沿って、第三者機関(近畿地方整備局長の登録を受けた住宅性能評価機関)が評価を行います。現在の最高等級は「7」、2025年4月からはすべての新築住宅で等級4以上が義務化となっています。等級が大きいほど性能が高く、少ないエネルギーで快適に暮らせて、健康面の安心が高まります。 奈良県で求められる断熱のレベル 日本は縦に細長く、地域により気候が大きく異なります。そのため、断熱等性能等級が同じ等級でも、建築する地域ごとに求められる外皮性能( UA値とηAC値(イータ・エー・シー ち))の基準値が変わります。 地域区分は、日本の国全体が気候条件で1〜8地域に分けられており、一番寒い北海道は「1」や「2」。温暖な沖縄は「8」。南北に長い奈良県は、北部は比較的温暖、南部は寒さが厳しいため、4つの区分に分かれます。 【地域区分 奈良県】 地域区分 市町村名 3 野迫川村 4 奈良市(旧都祁村に限る)、五條市(旧大塔村に限る)、曽爾村、御杖村、黒滝村、天川村、川上村 5 生駒市、宇陀市、山添村、平群町、吉野町、大淀町、下市町、十津川村、下北山村、上北山村、東吉野村 6 奈良市(旧都祁村を除く)、大和高田市、大和郡山市、天理市、橿原市、桜井市、五條市(旧大塔村を除く)、御所市、香芝市、葛城市、三郷町、斑鳩町、安堵町、川西町、三宅町、田原本町、高取町、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町、河合町 【断熱等性能等級の基準値 地域区分3~6】 等級 地域区分 3 4 5 6 等級7 UA 0.20 0.23 0.26 0.26 ηAC 3.0 2.8 等級6 UA 0.28 0.34 0.46 0.46 ηAC 3.0 2.8 等級5 UA 0.5 0.6 0.6 0.6 ηAC 3.0 2.8 等級4 UA 0.56 0.75 0.87 0.87 ηAC 3.0 2.8 断熱性能の重要性はさらに高まり、2030年には等級5が最低等級になる予定です。熱エネルギーは目に見えませんが、快適さ・健康・家計・環境すべてに影響します。暖かく、涼しく、心地よく長く暮らすために、断熱性能が高い家づくりは重要です。
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2025/12/12
平屋でかなえる理想のライフスタイル|奈良の工務店が提案する住まい 7邸
「平屋」という選択。暮らしの本質に寄り添う住まい 家づくりを考えるとき、「平屋」という言葉に心惹かれる人が増えています。 階段のないワンフロアの暮らし。 家族の気配がどこにいても感じられる安心感。 自然との距離が近く、光や風をまとうように暮らせる開放感。 平屋は、ただの「一階建て」ではありません。 暮らしの動線がシンプルになり、日々の家事や移動がぐっとラクになる。 将来のライフスタイルを見据えた安心感もあり、子育て世代からシニア世代まで、幅広い世代に選ばれています。 また、庭とのつながりや外との視線の抜けなど、設計の自由度も魅力のひとつ。 奈良の風土や景観にもよくなじみ、自然と調和した住まいを実現しやすいのも、平屋が支持される理由です。 そんな「平屋」という住まいのかたちを、奈良の工務店がどのように提案しているのか。 それぞれの個性が光る、こだわりの平屋実例をご紹介します。 建築工房 和 -nagomi- × 「ゆとりと余白のある大人の家」 “日常”と“非日常”が共存する、緑に映える漆喰の平屋 古墳が隣接する風致地区の傾斜地に建てられた高基礎の平屋。 設計の仕事に携わる奥様の「こんな家を建てたい」という長年の想いと、ご主人の理想が重なり、風景に馴染む住まいが完成しました。 🟨漆喰と木材が織りなす、風景に溶け込むシンプルで美しい外観 屋根には和瓦と銅板を用い、外壁には漆喰に杉や桧を組み合わせることで、周囲の緑に自然に馴染むよう計画されています。道路から建物へと続くアプローチも魅力のひとつで、歩みを進めるほどに景色と建物の調和を感じられます。下から見上げると垂木現しの軒裏が目を引き、板戸と漆喰の組み合わせが何とも言えず美しく、風景全体に溶け込んでいます。 Ⅱ型キッチンは作業スペースが広く、収納力たっぷり。 カーテンは設置せず、森の景色の額縁に見えるようにFIX窓と片引き窓を組み合わせている。 玄関土間とLDKには仕切りがなく、ゆるやかなつながりが心地よい広さを演出している。 🟨つながりが広さを生む、無駄のない住空間 玄関から土間、LDK、キッチンへと連続する間取りは、横方向のつながりを取り込み、広さを実感できる構成。動線にも無駄がなく、合理的な設計となっています。勾配天井には直線的な間接照明を施し、床には大工が一枚一枚張ったチーク材を使用。仕上げ材のつなぎ目に「見切り材」を使わず、幅木も極力細くすることで、シンプルで洗練されたデザインを実現しました。 本好きのご夫婦。はしごを使って好きな本を探すのも楽しい。 バックのタイルは奥様が選んだお気に入り。 🟨本棚、眺望、薪ストーブが彩る日常 家のいたるところに造作の本棚を設け、好きな本を自由に置ける空間に。玄関土間にはドイツ製の薪ストーブ「アイアンドッグ」を設置し、窓からは森の景色や夕焼けを楽しめ、庭では花や野菜を育て、冬は火を囲んで過ごす。誰もが憧れる「ゆとりと余白のある暮らし」をかなえる住まいです。 畳スペースと本棚を備えたロフトは、本を読みながらゆったり過ごせる憩いの場所。 収納を兼ねたベンチから、テラスに出ることも可能。 施工会社紹介 建築工房 和 -nagomi- by株式会社 和 風景に溶け込み、暮らしに余白を生む平屋を提案。 公式サイトへ 代表取締役 松葉 勇さん 長年の想いを結実させた平屋。自然と調和し、穏やかな時間を楽しめる空間となりました。 島田工務店 × 「木の温もりと家族の記録を刻む平屋」 棟木に刻まれた手形。家族の節目を住まいに刻んだ平屋 市街化調整区域に建てられたこの住まいは、外構造園業を営むご主人と、家事動線や家族4人の暮らしやすさを大切にされる奥様、そして新しく生まれたお子さまと上のお子さまのための工夫が随所に詰まった平屋住宅です。 🟨東西に分けた構成で、つながりと個の空間を両立 間取りは東西にゾーニングされ、東側に寝室、西側に子ども部屋を配置。中央にLDKを据えることで、家族が自然と集まりながらも、それぞれの時間を大切にできる構成となっています。ルンバ基地やテレビ裏の配線収納、将来的な仏壇スペースなど、暮らしを見据えた工夫も随所に施されています。 小上がりの下に設けた、ルンバ基地 家族ごとの収納が整う玄関空間 🟨木の質感が暮らしに寄り添う、造作と意匠のこだわり 床・建具・洗面台に至るまで、無垢材をふんだんに使用。空間全体に温もりが広がり、格子扉や造作収納など、細部の意匠にも施主の美意識が宿っています。洗面スペースは三人並んで使える広さを確保し、ホテルライクな設えに仕上げました。 木の造作と陶器の質感が映える洗面空間 畳敷きの小上がりは、木材の質感を活かした設計くつろぎや収納など多目的に使える空間 🟨棟木に残した手形と、外構に込めた家族の想い 棟上げ直前に誕生した第二子の手形を棟木に残すという、家族の節目を住まいに刻むようなエピソードもありました。外構は造園のプロである施主自らが手がけており、建物と庭が一体となった美しい住まいが完成しつつあります。 動線設計と素材選びにこだわったキッチン機能性と空間の整え方に対する奥様の視点がしっかりと反映されている 子ども部屋にはロフトを設け、収納力と遊び心を両立 施工会社紹介 島田工務店 木の温もりと家族の想いをかたちにする、丁寧な家づくり。常にお客様側の立場になり、「その家族が一番いい暮らし方のできる住まい」を検討・提案するとともに、世代を超えた暮らしを提案しています。 公式サイトへ 代表 島田 昌則さん 木材へのこだわりと動線の工夫など、ご家族の想いを細部まで反映した家づくりができました。棟木に残された手形は、私たちにとっても忘れられない宝物です。 スペースマイン × 「杉トラスを使用した本物の健康住宅」 奈良の木でつくる、地震に強く健康に暮らせる平屋 玄関扉を開けるといきなり広がる、奈良県産杉材を使用したトラス梁。 平屋とは思えないほどのダイナミックな空間と、心身ともに安心して暮らせる「本物の健康住宅」が完成しました。 🟨健康と安全を追求した奈良産材の住まい 構造体から仕上げ材まで地元奈良県産材を使用。杉トラス工法により耐震等級3以上を確保し、柱の少ないスケルトンインフィル空間を実現しました。 木質系断熱材と樹脂サッシで断熱性能を高め、ZEH以上の省エネ効果も備えています。さらに抗酸化工法で有害化学物質ゼロの室内環境を実現し、防蟻処理にもホウ酸を使用。健康と安全を徹底的に追求した住まいです。 重いペアガラスの開け閉めに負担がないよう、掃き出し窓には取手を付けている。 奈良県産の良質な杉・桧を、大工棟梁が1本1本カンナで削り合わせながら創り上げた床の間や仏間のある本格和室。 🟨広い廊下と柔軟な間取りで将来のライフスタイルに対応 廊下幅は車椅子でも支障なく行き来できる広さを確保。杉トラス工法によりスケルトンインフィルの空間を実現し、将来的な間取りの変更が容易で、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるところも大きな魅力です。 玄関を開けると迫力ある吹き抜け空間が広がり、宅配業者も思わず声を上げるほど。杉板の廊下は赤身と白太をバランスよく施工し、経年変化で美しさが増す楽しみもあります。 木目の美しさが際立つ杉板の廊下 収納の下部スペースは、お掃除ロボットの収納場所。 🟨クール暖でかなえる快適な日常 ヒートポンプ式輻射冷暖房「クール暖」で風のない快適な室内環境を実現。書斎は北側に設け、蔵書が日焼けしないよう配慮。造作ベッドや収納棚にも杉を使用し、家全体に木の香りが広がります。お施主様は「新築してまだ住み慣れていないはずなのに、帰ってきたらほっとします」と語り、健康住宅の本質を体感されています。 室内を一定の温度に保つ「クール暖」は、家中どこにいても、柔らかく包み込むような暖かさと涼しさを感じ させてくれる。「クール暖の輻射熱で、壁を隔てた隣の部屋まで暖かい。 蔵書の多いお施主様ご希望の本箱が並ぶ書斎。大切な書物が日に焼けてしまわないように、1日の日射量の変化が少ない北側に設けた。 施工会社紹介 株式会社スペースマイン 奈良の木でつくる、本物の健康住宅。 公式サイトへ 代表取締役会長 矢島 美和子さん 今回の平屋は、天井高のある大空間や広い廊下など、一見贅沢に見える設計が、暮らしにゆとりを生み出しました。廊下の杉板は一度すべて並べて色のバランスを確認し、赤身と白太が混在する源平を丁寧に施工。経年変化で互いの色が寄り添い、美しさが増していく過程も楽しめる、奈良らしい住まいになったと感じています。 バルジ建築設計室 × 「自然と共存する非日常を楽しむ平屋」 自然と一体になれる田舎暮らしを満喫 里山の風景を一望できる土地に建てられた平屋。 薪ストーブや庭、変形リビングなど、自然豊かな環境を生かした住まいは、日常を心地よく彩ります。 🟨里山の風景を取り込む外観と間取り お施主様の「自然豊かな環境でロケーションの良い場所に家を建てたい」という希望から、農地を宅地へ地目変更し、見晴らしの良い土地を選びました。外観は一棟貸しのペンションを思わせる遊び心あるデザインで、里山の風景に自然に馴染んでいます。薪ストーブを中心に放射線状に広がる間取りは、土地の魅力を余すことなく引き出した設計となっています。 薪ストーブのある変形リビング 暮らしの輪郭が見える、夜の平屋 🟨効率的な動線と居心地の良さ 勝手口の横に車を停め、玄関を通らずにキッチンへ荷物を運べる便利な動線を確保しています。ランドリールームは室内干しが可能で、家族の衣類も収納できる広さを備えています。共働き夫婦が効率よく家事を済ませられるよう、細やかな工夫が随所に施されているのも特徴です。 奥行45cm のキッチンカウンター 洗う・干す・しまうが一室で完結する、動線を意識したランドリースペース 🟨薪ストーブと変形リビングで楽しむ時間 ご夫婦念願のネスターマーティンの薪ストーブをLDKの中心に設置しました。平屋のため、各個室のドアを開けておくと家全体が温まるというメリットがあります。約33帖の変形リビングは窓を斜めに配置し、左右で異なる景色を楽しめる設計となっています。釣り好きなご主人のために奥行45cmのキッチンカウンターを設け、友人を招いて食事を楽しむ場としても活用できます。さらに、朝の混雑を避けるために2つの洗面台を設置し、ゆったりとしたキッチンではテレビを置かずに壁面へプロジェクターを投影できるよう計画されています。 ネスターマーティンの薪ストーブ 2 つの洗面台で朝の渋滞を緩和 施工会社紹介 バルジ建築設計室 by 株式会社バルジ・オカダ 自然と共存し、非日常を日常に取り込む住まいを提案。 公式サイトへ 専務 中嶋正行さん 日常の中に特別な時間を取り込むことで、家族が自然と笑顔になれる住まいになったと感じております。 平野木材 × 「天龍焼杉と吉野桧が彩る美しい平屋」 無垢材でつくる美しい平屋の家 存在感のある天龍焼杉、強度・耐久性・美しさ・香りにすぐれる吉野桧。 光と風などの自然の力をうまく取り込み、心地よくて暮らしやすい平屋の住まいが完成しました。 🟨温もりのある外観と内装 天龍焼杉の黒が外観を引き締め、杉板張りの軒天や本漆喰の玄関まわりが上質感を添えています。内装にも吉野桧の床や吉野杉板張り天井をはじめ、無垢材をふんだんに用いています。木の香りと質感が日々の暮らしを包み込み、安心感と美しさが共存する住まいです。 杉板張りの軒天と本漆喰の玄関まわりが温もりと上質感を添える。 洗い出し仕上げの土間と桧材で迎える美しい玄関。 🟨たくさんの居場所がある高性能な住まい 小上がり和室、ウッドデッキ、リビングとダイニングの位置など、家の中にある「たくさんの居場所」。ご家族が自然と集まりながらもそれぞれの居場所を心地よく楽しめる空間構成です。 また、断熱気密性能に優れ、真冬でもエアコン1台で家全体が暖かく保たれる快適な住まいです。 🟨造作収納で暮らしやすさを追求 快適な暮らしを支えるうえで欠かせない収納計画。暮らし方に合わせて造作収納を随所に施工。無印良品の収納ボックスがぴったり収まる造作棚は特に秀逸で、使いやすさと統一感を両立しています。実際の住まい手からも高い評価を得ており、日々の快適な暮らしを支えています。 ダイニング脇に設けたスタディースペースと無印良品サイズ対応の造作収納棚。 吉野桧に囲まれた心地よく機能的な室内干し空間。 施工会社紹介 株式会社 平野木材 天龍焼杉と吉野桧を活かし、自然素材の美しさと暮らしやすさを両立。 公式サイトへ 代表取締役 藤井 謙昌さん 限られた敷地の中で、自然の力をうまく取りこみ、プライバシーにも配慮した心地よい平屋の木の家になりました。「平野木材にお願いしてよかった。」と言っていただき嬉しい限りです。 北条工務店 × 「家族の未来を見通した平屋」 “家族の未来”に思いを巡らせた、伸びやかに暮らせる平屋 土地を購入した後、「どこの会社で建てるか」を悩み抜いたお施主様ご夫婦。 最終的に「理想の住まいに対する想いをどこよりも丁寧に受け止めてくれた」と感じた『北条工務店』に依頼を決められました。完成したのは、歳を重ねても心地よく暮らせる平屋であり、同時にこの場所ならではの空気感をまとった住まいです。 🟨ダイニングテーブルを中心に広がる心地よい空間 外室内は白と木目を基調としたシンプルな装いですが、壁と天井の接合部や建具の枠など細部のディテールからは、同社らしい洗練された空間づくりが感じられます。 窓のデザインや配置を丁寧に計画することで、空間をより洗練された印象に。 🟨合理的な回遊動線と開放感あるLDK 間取りはキッチンを中心に各部屋を回遊できるよう計画され、動線は実に合理的です。リビング・ダイニングは実際の面積以上に広く感じられる空間で、勾配天井と南面・東面に設けた窓が大きな開放感を生み出しています。窓のサイズや配置を丁寧に計画することで、平屋住宅では暗くなりがちな中心部にも自然光がしっかり届くようになっています。 白と木目が基調の空間に“小さな変化”をつけるため、キッチン部の天井にはグレーのクロスを採 用。 建物の東側は少し窪ませ、その部分はデッキスペースに。 🟨細部まで考え抜かれた快適性 キッチン部の天井にはグレーのクロスを採用し、白と木目の空間に小さな変化を加えています。建物東側には窪みを設けてデッキスペースを配置。脱衣室とセパレートした洗面コーナーは、トイレとの間にレイアウトすることで効率的にスペースを活用しています。キッチン横のパントリーは廊下にもつながり、玄関やサニタリーとの行き来もスムーズ。毎日の暮らしを豊かにする工夫が随所に施されています。 脱衣室とセパレートで置かれた洗面コーナー。トイレと脱衣室の間にレイアウトすることで、スペースを効率よく使っている。 玄関まわりは造 作の建具やシューズボックスを用いつつ、しっかりとつくり込んだ空間となっている。 施工会社紹介 株式会社 北条工務店 理想を丁寧に受け止め、唯一無二の住まいを提案 公式サイトへ 設計・一級建築士 吉田 直美さん 日々の暮らしが伸びやかで快適になるよう心掛け、理想を形にしたこの平屋が、ご家族の未来を支える住まいとなれば幸いです。 輪和建設 × 「中庭が一体感をつくり出す平屋住宅」 家族と共に成長を続ける平屋の家 無垢材をふんだんに使い、自然光や風の流れを取り込む工夫を施した住まい。 中庭を中心に屋内外の空間が連続し、家族が自然とつながりながら過ごせる開放的な暮らしを実現しています。 🟨中庭を軸にした伸びやかな空間構成 間取りは回遊性と効率的な家事動線を意識して計画されています。LDKの一角には引き出し収納を備えた小上がりの畳スペースを設置し、くつろぎの場として活用可能。さらに、LDKとデッキスペースをフラットにつなげることで、中庭をアウトドアリビングとして楽しむことが出来ます。梁を現しにした高い天井や中庭に向けた大きな窓が、自然光を取り込みながら空間に開放感をもたらしています。 玄関ホールには、建具職人が手がけた美しい建具の数々が並び、再利用された建具も空間に温もりを添えています。職人技の繊細さと古材の味わいが調和し、訪れる人を迎える場に豊かな表情を生み出しています。 下部が引き出し収納になった小上がりの畳スペース。 玄関部と洗面スペースの間仕切りには、こちらの敷地にもともと建っていた古家の欄間を再利用。ずっと昔の職人が手掛けたであろう組子細工が、新しく建つ住まいのアクセントとして引き継がれている。 🟨自然素材と和モダンテイストの調和 外観には木製フェンスをアクセントとして取り入れ、住宅街でありながら自然を近くに感じられる佇まいに仕上げています。 床や天井、造作家具・建具には無垢の杉を使用し、壁にはホタテ漆喰を採用。和モダンテイストの空間は、ご夫婦が最も落ち着ける雰囲気を実現。 住宅街でありながら、自然を近くに感じられる。 “くつろぎの場”だからこそ、リビングはすっきりとシンプルな空間に仕上げられた。 🟨職人技が光る造作と細やかな配慮 キッチンから子どもの姿が見えるよう廊下部分にスタディースペースを設け、家族の安心感を高めています。カップボードや飾り棚は職人による造作で、一枚板のダイニングテーブルは畳コーナーとつなげて使える仕様でオーダーされたもの。洗面スペースは玄関近くに配置し、帰宅後すぐに手洗いができるよう工夫されています。脱衣室とウォークインクローゼットを一直線に並べることで、効率的な家事動線を実現。複雑で美しいLDKの天井部をはじめ、随所に職人の丁寧な仕事ぶりが感じられる住まいです。 廊下部分に設けられたスタディースペース。 カップボードと飾り棚も、同社の職人が手掛けたもの。 施工会社紹介 一級建築士事務所 輪和建設株式会社 自然素材と職人技を生かし、家族と共に成長する住まいを提案。 公式サイトへ 一級建築士 小林 紘子さん お客様が思い描かれた「外とつながる住まい」。その願いを形にするため、プライバシーを守りつつ、光と風を存分に迎え入れる中庭のある家を設計しました。自然光がやわらかく広がり、風がすっと抜けていくLDKは、高い天井と中庭との連続性によって、実面積以上の広がりを感じられます。 床・天井・キッチン・家具まで無垢材を用い、壁は漆喰で仕上げ、自然素材と職人の手仕事が生み出す温もりに包まれた住まいです。 平屋で暮らす未来へ|願望を整理して始める家づくり 平屋で暮らしたいと思ったとき、大切なのは「自分はどんな暮らしをしたいか」を具体的に思い描くことです。 自分の願望や、はずせない理想を整理していくことで、具体的なイメージや、暮らしやすい間取りの選び方も見えてきます。 奈良すまい図鑑WEBのコラム「失敗しない家づくりの第一歩」では、情報収集や考えの整理の仕方を紹介しています。 平屋を検討する際にも役立つヒントがたくさんあるので参考にしてください。 ▶ コラムはこちら: 失敗しない家づくりの第一歩
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2025/12/02
実家が寒くて帰るのが億劫。それ、リフォームのフラグです。
皆さんのご実家はどういったタイプでしょう? 立派な門構えと重厚な瓦屋根が特徴的な日本建築の家。 サザエさんのお家のように、独立した台所と家族が集い食事をする居間がある平屋。 応接室があり、ドラえもんが寝ているような押し入れがある、昭和の日本家屋。 「耳をすませば」の主人公・雫が暮らしているような団地。 耐震断熱対策されている高スペック住宅もしくはマンション。。。 年末年始は奈良の実家に帰る方も多いと思いますが、「寒くて帰りたくない」「寒いお風呂がつらい」「居間にいても隙間風を感じる」など、久しぶりの実家で直面する寒さに身ぶるいする人が多いのも事実。 築30~40年が経過した家は、断熱・構造の見直しといった修繕が必要になる時期です。ホットカーペット×ガスファンヒーター×エアコンなど複数の暖房器具を用いている寒い家は、健康維持のためにも光熱費削減のためにも、断熱リフォームを検討するのはいかがでしょうか。 健康的に暮らすため、冬は室温18度以上が推奨されている WHO(世界保健機関)は2018年11月、「住宅と健康に関するガイドライン」の中で「冬は室温18度以上にすること」を各国に勧告しています。「冬の室温が18度以上あると、呼吸器系や心血管疾患の罹患・死亡リスクを低減する」とし、特に子どもや高齢者には「もっと暖かい環境を提供するように」と言葉が添えられています。 参照:一般社団法人日本住宅リフォーム産業協会JERCO(ジェルコ)「ひと部屋断熱」 北海道のような寒冷地ではなく、沖縄のように温暖地でもない奈良県は、室温が低い住まいが多いそう。比較的暖かく過ごせるマンションが多い都市に比べて「戸建てが多いから」という側面もありますが、見逃せない現状です。 気温が寒いと血管は収縮して血圧が高くなります。特に冬の朝は注意が必要。起きる1~2時間前にエアコンを24度設定で自動スタートするなど、室温対策ができると良いですね。 実家リフォームのすすめ①寒いお風呂やトイレをリフォーム 古い家の特徴の一つに「水回りがとにかく寒い」が挙げられます。特に床がタイル張りだと、見た目にも体感的にも冷たさが倍増します。「古くはなったけれど、壊れていないし、使えるから不便ないし、もったいない」と、なかなかリフォームしにくい場所ですよね。 しかし、「もったいない」は、トイレをリフォームしないほうが「もったいない」かもしれません。 トイレを流すのに30年前は1回あたり13リットル(※1)の水が必要でしたが、今では少ないもので3.8リットル(※2)と、“3分の1以下”の水量まで節水が進んでいます。 ※1:1994年まで販売していたCSシリーズ ※2:ネオレストシリーズ(床排水)など TOTO「節水トイレ開発秘話」より 1回流す度に13リットルも必要としていた水が、3.8リットルで済むなんて。。。トイレの節水技術は、すごい進歩ですね!!トイレや風呂、キッチンなど水回りのリフォームは数十万~数百万円、結構幅があって目安にならないかもしれませんが、水回りリフォーム費用の肝は「どのメーカーのどの商品を採用するか」によって、価格が倍以上変わります。 最新の機種には、自動で掃除をしてくれたり、節水仕様になっていたりとたくさんの便利な機能が搭載されています。また、デザインもスマートで魅力的ですが、お値段との相談が必要です。必要な機能は何か、どれくらいの費用が捻出できるのか、取捨選択が必要になります。 実家リフォームのすすめ②「ひと部屋だけ」断熱リフォーム 家族が集まる居間だけなど、家の一部のみを断熱対策する「ひと部屋断熱」という考え方にも注目が集まっています。外部と関わる壁面や窓と、天井・床への断熱対策で、1部屋125万円前後。耐震への対策を合わせて行うことで250万円程度の工事費用となるようです。補助金が出る地域もあるので、居住地の補助金情報は要確認です。(2025年12月現在、奈良県では「ひと部屋断熱」に対する補助金はありません) 実家リフォームのすすめ③「窓リノベ」で、窓の結露ともおさらば。 私の実家は、昭和50年代後半にハウスメーカーで建築された戸建てですが、冬の窓結露はすごかった。拭いても拭いても結露が湧き出て、母を困らせていました。ある日父が買ってきた水受けボトルが付いた窓ワイパーは、画期的な便利グッズでした。また、足元はフカフカのスリッパが必需品。窓際はひんやりと感じることも多かった。 そんな実家の冬でしたが、数年前に窓リノベを実施。既存の窓とサッシはそのままで、内窓を設置するタイプのリフォームでした。その効果は絶大。結露は全くなく、室内の空気を逃がさない気密感がすごい。暖房の効きも暖かさの持続性もよく、窓だけでこんなに変わるものなのかとびっくりしました。 窓のリフォームの種類 内窓設置 外窓交換(カバー工法、はつり工法) ガラス交換 補助金を利用してお得にリフォームする方法もあるので、最新の補助金情報は「先進的窓リノベ2025事業」のサイトにてご確認ください。 https://window-renovation2025.env.go.jp/ まとめ たまに帰るからこそわかる、実家の寒さ。その寒さ、危険です。交通事故に遭遇するよりも確率が約3倍高いとされるヒートショック。部屋間の急激な温度差により引き起こされます。そういった不慮の事故を防ぐためにも、冬の寒さを少しでも快適に乗り切るためにも、実家リフォームで温度差がなく過ごしやすい温熱環境を目指しましょう。
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2025/11/21
やったほうが良いの?地鎮祭・上棟式・竣工式といった建築三大儀式
新しく建築物を建てる際に対象となる「建築三大儀式」として、地鎮祭・上棟式・竣工式があります。それぞれ建築の節目に行われる儀式で、そのタイミングや意味合いをご説明します。 地鎮祭(じちんさい)とは 工事が始まる前に、建築する土地を守っている神様へのごあいさつと、工事の安全祈願、家族の繁栄祈願のために行われます。 合わせて近隣へ、これから工事が始まることを伝えるために挨拶回りをする場合もあります。 上棟式(じょうとうしき)とは 上棟とは、屋根の最上部に棟木(むなぎ)と呼ばれる木材を取り付けることで、上棟が無事に終了すると行われるのが「上棟式」です。家の基礎となる骨組みが出来上がったお祝いと、この先の工事の安全祈願をします。今では見かけることも少なくなりましたが「餅まき」が行われるのも、このタイミングです。 上棟は、「棟上げ(むねあげ)」、「建前(たてまえ)」、「建方(たてかた)」とも呼ばれます。家としての立体感が出て、大きさがわかるようになります。 竣工式(しゅんこうしき)とは 工事が終わり、家が無事に完成したことを神さまに感謝するための儀式。工事が終了し、引き渡し前の工事完了点検などが終わり、後は「引き渡し」と「引越し」だけ。という状態になったことを「竣工」と呼びます。竣工式のタイミングは、工事終了後のなるべく早いタイミングで行われます。 大きなビルや施設では、竣工式・テープカット・お披露目会などをセットに開催されることが多くありますが、一般住宅では、竣工式の開催は珍しいことかもしれません。 せっかくだからイベント化!その①家族で参加する「手形式」 地鎮祭・上棟式などでは、家の柱や梁・板など、家が完成すると隠れてしまう部分へ「お守り」としての意味合いも込めて、手形をペタっと付けます。同時に名前や願い事などを書き記すことも。 引き渡し式で、玄関アプローチやお庭の一角などに、コンクリート手形を残す。工事中のタイミングで漆喰壁に手形を残すといったことも可能です。家族はもちろん、一緒に暮らすペットの手形も入れたいですね。 せっかくだからイベント化!その②引き渡し式 占有権を建設会社から施主に移す、いわゆる「家の鍵をもらう日」が引き渡しです。長かった「家づくり」が終わり、「新しい暮らし」が始まる日となります。思い出に残る1日にしたいですね。 リビングや玄関前などでの写真撮影、テープカット、くす玉割りなど、おめでたい雰囲気に包まれます。奥様からご主人への手紙、また逆にご主人から奥様への手紙を書いて、感謝を伝える時間を設けるなど、キュンとするシーンの演出もあるそうですよ。 どんなことがしたいか、要望があれば家づくりの窓口担当者へ伝えておきましょう! やったほうが良いの?やらなくても良いの? どの儀式も必ず行わなければならないという決まりはありません。宗教上の理由や費用の問題などで行わない場合も多々あります。決めるのは建築主。実際に工務店サイドのお話を聞いても「そりゃ行った方が良いよ」という声もあれば、「重要視していないのでどちらでも良い」といった声もあります。 行う場合のメリット ・神様に「きちんと祈祷した」という清々しい気持ちで家づくりが進められる ・一生に一度かもしれない貴重な体験は、家族の思い出になる ・家づくりに携わる関係者と意思疎通が図れる ・礼を尽くした達成感が得られる 行う場合のデメリット ・出費が必要 必ず必要となるのは、神主さんへ渡す初穂料(はつほりょう)または玉串料(たまぐしりょう)と呼ばれるご祈祷のお礼です。 そのほか、神様へのお供え物、棟梁・職人さんへのご祝儀やお弁当、近隣への挨拶で使う手土産など、どの程度の規模でどこまでするのかによって異なってきます。どういった費用が必要になるのか、また棟梁・職人さんへのご祝儀については「受け取らない」という会社の方針だったりする場合があるので、工務店の担当者に確認しながら進めましょう。 ・当日に時間を割く必要がある。場合によっては準備にも時間が必要。 絶対にダメと決まっている日はありませんが、大安・先勝・友引といった六曜を参考にして選んだり、逆に建築関係の大凶日「三隣亡(さんりんぼう)」と呼ばれる日は避けたりと、ゲン担ぎのひとつとして決める場合があります。 三隣亡は、その漢字の通り「三軒の隣まで滅ぼす」という言い伝えがあり、地鎮祭や上棟式といった建築儀礼・土木工事・基礎工事・引っ越しなどは避けたほうが良いとされています。 まとめ もし迷っている場合は、やって後悔より、やらない後悔の方が大きく、どれもまた家を建てない限りは二度とできません。費用については、工務店に準備物があるようなら比較的お安くできる可能性があります。また、略式での開催もできるよと言ってもらえる場合があるので、工務店担当者に確認してみましょう。
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2025/11/17
デザイン性と快適さが両立した、奈良の工務店の住まい実例|5選
11月17日 WEB特集ページに新たに2社を追加し、内容を更新いたしました。 「どんな家に住みたいか」それは「どんな暮らしをしたいか」と同じ問いかもしれません。 奈良で家づくりを手がける工務店には、それぞれに異なる美意識と設計思想があります。 木のぬくもりや漆喰のやさしさに包まれた空間で、10年後も心地よく暮らせる住まいをつくる工務店。 家の中だけでなく、庭や外構まで含めて「暮らしの風景」をトータルにデザインする工務店。高気密・高断熱 の性能にこだわり、目に見えない快適さを支える設計を追求する工務店。子育て世代の目線に立ち、 動線や収納、素材選びにまで配慮を重ねる工務店。そして、限られた空間でも豊かな暮らしを叶える、 コンパクト設計に強みを持つ工務店——それぞれが、住まい手の理想に寄り添いながら、唯一無二の 住まいをかたちにしています。 この特集では、そんな工務店の住まいづくりを、写真とともに丁寧に紹介していきます。 美しさだけでなく、機能性や暮らしやすさへの配慮が行き届いた住まいの数々。ページをめくるたびに、 「自分らしい暮らしってなんだろう」と考えたくなるはずです。 □暮らしに驚きと遊び心を。洗練と快適が共存するラグジュアリーな住まい 【 株式会社ビーライフ 一級建築士事務所 】゠奈良県奈良市゠ 洗練された空間を暮らしから紐解く家づくり 内と外が緩やかにつながるリュクスな住まい 「ラグジュアリーな住空間」にほれ込み、ビーライフでの家づくりを選んだお施主様。 整地費用のかからないフラットな土地を活かし、ビルトインガレージ付きの住まいが提案。 外観は玄関が見えにくい設計ながらも、防犯カメラやセンサーライトを設置し、安全性にも配慮。外部からの視線を遮りながら、室内には開放感をもたらす工夫が随所に施されています。 LDKは、素材選びから家具までラグジュアリーなテイストで統一。 側壁に施されたミラーが、視覚的な奥行きを生み出します。 床を一段下げた絨毯敷きのリビングは、ホテルライクな落ち着きと品格を演出。 ダイニングには特殊クロスと印象的な照明を採用。 キッチンはリクシルの「リシェル」で機能性と美しさを両立。 アウトドアリビングは、通りからの視線を遮る設計。 屋根付きのくつろぎスペースで、お子さんがのびのび遊べる空間に。 アイアン階段が、リビングとダイニングをゆるやかに仕切る。 造作洗面スペースは、ご主人の「頭を突っ込んで洗いたい」という声から誕生。深型ボウルとタイルカウンターが印象的。 雨に濡れずに玄関へ入れるアプローチも、日常の快適さを支える工夫。 隠し部屋に詰め込んだ、少年時代の夢 寝室の本棚に見える扉を開けると現れるのは、ご主人の“秘密基地”。コミックスやフィギュアを思う存分飾れる造作棚が並ぶその空間は、遊び心と設計力が融合したビーライフならではの提案です。 代表取締役 山下 淳哉さん 「ラグジュアリー感」や「スタイリッシュ」と「暮らしやすさ」は相反するものではありません。住まいのすみずみにまで、デザイン性と使い勝手の良さの両立を徹底しました。お施主様が気付かないような“ひと手間”こそが、日々の暮らしに大きな違いをもたらしてくれるはずです。『ビーライフ』の空間づくりは唯一無二のもの。ぜひご相談ください。 この住まいづくりを手掛けた『ビーライフ』について、詳しくはこちら □複雑な地形に対応する技術力と、上質な空間をつくる照明とディテール 【 一級建築士事務所リビングデザイン 】゠奈良県天理市゠ 変形地を活かす設計力と、計算された照明計画 高低差のある変形地を、独自のアイデアでプラスに変えることが最大のポイントでした」と語るのは、リビングデザイン代表・井上氏。 玄関までのアプローチには階段を設け、駐車場は複雑な勾配を調整することで、土地の個性を活かした設計に仕上げました。 外観はグレーのツートンカラーでまとめ、玄関まわりには石目調の素材を採用することで、上質で落ち着いた印象に。 庭には手入れのしやすいタイルデッキと人工芝を取り入れ、暮らしやすさにも配慮されています。 照明と素材で整える、快適さと意匠性のバランス LDKと洗面室の間はアーチ状の垂れ壁でゆるやかにつなぎ、空間にさりげない遊び心を。袖壁の間接照明やテレビ背面のデザインクロス、フローティングボード下の光が、住まい全体に心地よい陰影をもたらし、意匠性と快適性が調和した空間に仕上がっています。 暮らしに遊び心とやさしさを添えて LDKと洗面室の間はアーチ状の垂れ壁でつなぎ、空間に遊び心をプラス。 階段下には愛猫専用のトイレスペースやトンネルを設け、家族みんなが心地よく過ごせる工夫が随所に光ります。 玄関まわりの上質な演出 玄関には壁の厚みを利用してニッチを設け、デザインクロスとガラス棚を組み合わせることで、空間に洗練された印象を添えています。 フルフラットキッチンを中心に、ダウンライト・ペンダント・スポットライトなど多彩な照明が空間を彩る。 キッチンの折下げ天井からこぼれる光が、LDKに印象的な陰影を生む。 – リビング階段からの眺めは、光と広がりを感じられる心地よい設計。 外構照明が引き立てる、夕暮れ時の上品な佇まい 外構照明が夕暮れの住まいを適度に照らし、落ち着きのある上品な雰囲気を演出しています。 暮らしやすさと美しさが細部まで行き届いた、家族にやさしい一邸が完成しました。 代表・一級建築士 井上 敏治さん お施主様は、外観はもちろん、内装や間取りに至るまで細部に強いこだわりをお持ちでした。打ち合わせを重ねながらご提案を進める中で、「まるで私たちの考えていることを分かっているかのよう」とのお言葉をいただき、大変うれしく感じています。施工事例のバリエーションも豊富にご用意していますので、ぜひお気軽にご相談ください。 この住まいづくりを手掛けた『リビングデザイン』について、詳しくはこちら □思い描いた世界観と、快適な日常が共存する住まい 【 ヨシダデザイン工房 】゠奈良県大和郡山市゠ 暮らしに寄り添う、設計力と素材選び 住まい手の理想を内装だけでなく外構や庭まで丁寧に反映した、トータルデザインの住まい。 連続した窓の配置と室内窓の工夫により、自然光が奥まで届く設計に。遮熱効果の高い大きなガラス窓を採用し、 日差しを取り込みながらも室温が上がりすぎない快適な空間を実現しています。 南国リゾート風のロックガーデンが彩る、個性豊かな外構 外構には、注目のガーデニングスタイル「ドライガーデン」を採用。ヤシや多肉植物、複数の石材を組み合わせた南国風のロックガーデンは、色合いや奥行き、陰影に変化をもたらし、庭に豊かな表情を与えています。お手入れがしやすく、セキュリティ面でも効果を発揮するなど、見た目と機能性を兼ね備えた外構デザインです。 ガラス戸でつなぐ、洋と和の心地よいバランス リビングの一角に設けた小上がりの和室は、ガラス戸でゆるやかに仕切ることで、洋風の空間と自然に調和。家族の気配を感じながらも、落ち着いたひとときを過ごせる心地よいスペースです。 光が差し込む、心地よい玄関まわり キッチンの小窓やテラスに面した窓から自然光が入り、玄関まわりをやさしく照らします。住まいの第一印象を明るく、開放的に演出する工夫です。 レンガ調で仕上げた洗面台 当初は全面タイル仕上げの予定だった造作洗面台に、施工途中でレンガ調を部分使いで取り入れたことで、空間にほどよいアクセントが生まれました。 寝室の一面をジーンズ柄のブルーで彩ってシックな雰囲気に。 子供部屋は男の子と女の子でクロスの色を使い分け。動線を邪魔しないように収納の位置にも配慮している。 可動棚を活用した収納は、成長や暮らしの変化にも柔軟に対応。 家族の時間を包み込む、明るく開放的なLDK ナラ材と漆喰の白を基調に、黒のアイアン階段がアクセントになり、空間が引き締まっているLDK。 キッチンから水回り、リビングまで一直線につながるシンプルな動線が、日々の暮らしを快適に。 調理をしながら家族と自然に交流できる、遊び心と機能性が共存する住空間が実現しました。 代表取締役 吉田 尚央さん 今注目されているドライガーデンをはじめ、個性的なエクステリアを得意としています。ヤシや多肉植物、数種類の石材を組み合わせることで、色合いや奥行き、陰影に変化を生み出し、見た目の個性とお手入れのしやすさを両立。内装はもちろん、外構や庭に至るまで住まい手の思いや要望を丁寧に反映し、機能性も追求。非日常のワクワク感が宿る、オンリーワンのライフスタイルと家づくりをお届けします。 この住まいづくりを手掛けた『ヨシダデザイン工房』について、詳しくはこちら □ 洗練と機能美が共存する、上質なリフォーム空間 【 株式会社 平野木材 】゠奈良県磯城郡゠ キッチンリフォームを要とした LDK リフォーム。 今回のリフォームの中心となったのは、施主様の想いが詰まったキッチン空間。既成 I 型キッチンと、収納計画を綿密に行い計画したオーダー収納家具の組み合わせで、機能性と美しさを両立した空間がうまれました。 オーダー収納家具は、作業効率と美観を両立。 ワインセラーもあるオーダー収納家具は、デザイン、色、質感にも配慮し、上質な空間と調和する仕上りに。 ご要望の「作業台から一段低いカウンター」は唯一無二で、暮らし方に寄り添います。 色彩計画のもとセレクトしたキッチン大理石。 大理石は、床・家具・キッチンとの調和を大切にセレクト。美しさとお手入れのしやすさも兼ね備えています。 お好みのインテリアテイストを大切にコーディネート。 床材には高級感のあるウォールナットを採用。お好みのインテリアテイストを大切に、板張り天井の赤身の杉や格子建具などをコーディネートし、自然素材の風合いが随所に生かされた上質で高級感のある空間を目指しました。 新築住宅でも採用されている『イマガワ』の格子建具は、深みのあるウォールナットの床とも自然に調和し、空間全体に品のある統一感を出している。 引違い建具のあった場所に格子飾り窓を。格子建具と同様に「イマガワ」にオーダーしたもので空間のアクセントとなっている。 暮らしに寄り添う、設計者の工夫 家具が加わることで、漆喰塗のダイニング空間に洗練された美しさが際立つ。素材選びや設えにも細やかなこだわりが光り、漆喰の壁がやわらかな雰囲気を演出。空間全体に上質な高級感が漂う仕上がりとなっています。 代表取締役 藤井 謙昌さん ご要望とインテリアイメージの共有を大切にしています。 打ち合わせを重ね、ご希望の洗練された上質な空間になりました。 素材、色、しつらえ、質感、空間のつながりまで細やかにこだわり、心地よさと機能と高級感が両立する住まいに仕上り、大変喜んでいただきました。 この住まいづくりを手掛けた『平野木材』について、詳しくはこちら □趣味と性能を包む、ダークトーンのガレージハウス 【 株式会社ファンズホーム 】゠奈良県北葛城郡゠ 趣味と感性が響き合う、設計者との対話から生まれた住まい 建築の知識を持つお施主様と、設計者が二人三脚でつくり上げた一邸。趣味と暮らしが共存するガレージハウスは、インナーガレージにロードバイクやサーフィン用品を収めつつ、車1台がゆったりと駐車できる広さを確保しています。外観は、黒のガルバリウム鋼板にレッドシダーの木を組み合わせたファサードが印象的。 キッチンはオーダー仕様。 素材やサイズ感まで細かく調整され、使いやすさと美しさを兼ね備えた仕上がりに。 和室・ダイニング・キッチンが緩やかにつながる空間構成。 和室とダイニングを内窓でつなぎ、家族や友人が自然と集まる団らん空間を演出。リビングの内窓や吊戸棚の素材選びにもこだわり、空間全体に美しい調和が生まれています。間取りは「友人をもてなす場」として設計され、和室・ダイニング・キッチンがゆるやかにつながる構成に。リビングは奥に配置され、内窓越しに光や気配が届く設計。 吹き抜けからやわらかな光が差し込み、空間全体に明るさと開放感が広がる。 玄関から和室、そしてキッチンへとつながる独自の動線が、この住まいならではの心地よさを生み出しています。 細部に宿るこだわりと機能性 内装にも、施主様のセンスと建築的な視点が随所に息づいています。玄関や階段まわり、リビングの壁面には床材と同じオークを生かしたヘリンボーン張りの壁を設け、空間に意匠的なアクセントに。 2階には、将来の子育てを見据えた可変性のある子ども部屋を用意。収納力も高く、日々の暮らしやすさにも細やかな配慮がなされています。性能面でも、UA値0.39・C値0.1・耐震等級3という高水準を実現。こだわりと機能性が美しく共存する、長く愛される住まいがここに完成しました。 代表取締役 中本 滋さん 今回のお施主様は建築の知識も豊富で、打ち合わせはまるで設計士同士の対話のようでした。 趣味と性能、そして美的感覚。そのすべてを包み込む空間を目指して、細部まで丁寧に設計しました。完成した住まいは、使いやすさと個性が共存する、長く愛される一邸になったと自負しています。 この住まいづくりを手掛けた『ファンズホーム』について、詳しくはこちら 📗デザインと快適性は、どちらも暮らしの本質 美しい住まいのデザインは、心を豊かにしてくれます。 けれど、毎日を心地よく過ごすためには、見えない部分の快適性、とくに断熱性能の高さも欠かせません。室内の温度が安定し、季節の変化にもやさしく寄り添ってくれる住環境は、家族の健康や暮らしの質にも深く関わってきます。この特集で紹介している工務店は、デザイン性の高さと断熱・住環境の快適さを両立させる設計・施工力を備えています。「どんな風に暮らしていきたいか」を考えるとき、理想のデザインや住まいの雰囲気と一緒に、毎日の快適さにも目を向けてみてください。 断熱材について詳しく知りたい方は、同じ奈良すまい図鑑WEB内のこちらのコラムもぜひご覧ください。 👉 断熱って、なぜ大事?
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2025/11/06
失敗しない家づくりの第一歩!情報の「整理」と「収集」
家づくりは、人生の中でそう何度も経験することがない貴重なイベント。だからこそ、失敗したくないし、後悔したくない!!そんな転ばぬ先の杖となるのが「情報」です。細かなことでも、知らずに採用しないのと、知ったうえで採用しないのでは、後悔も心の余裕も全く違います。ここでは、どんな情報の整理が必要なのかヒントをお伝えします! 暮らしの「不満」を吐き出す 今の暮らしの中で、不満に思っていること、嫌だなと思っていること挙げてみましょう。 「駐車場2台分の月額利用料がもったいない」 「とにかく荷物が多くて、部屋が散らかっている」 「靴が靴箱に収まりきらない」 「冬のお風呂が寒い」 「今の賃貸はペットと暮らせない」 「玄関までの階段が長くてしんどい」などなど。 たくさん不満が挙がるかもしれませんが、それはチャンス。全ての不満をクリアにして、新しい暮らしをスタートできるチャンスです! 「理想」の暮らしを描く 次は新しい家で、どんな暮らしがしたいか。 「自分の部屋がほしい」 「ゆっくりと読書できるスペースと、たくさんの本を収納できる棚がほしい」 「休みの日はお庭でBBQがしたい」 「愛犬が自由に走り回る姿を見たい」 「夜でもバイクの整備ができると良いな」 「趣味で集めたフィギアを壁一面に飾りたい」 「室内干しできるスペースがほしい」 など、新しい家での理想を住まう家族で出し合いましょう。 家を彩る「素材」「設備」の情報収集 InstagramやPinterestなどのSNSには、実際に家を建てた人や現在家づくりをしている人、建築現場で働いている人の投稿がたくさんあります。「いいな」と思う素材や仕様があれば、細かなこともぜひ保存しておきましょう。 システムキッチンひとつ選ぶとしても、メーカーごとにさまざまなブランド展開をしています。1つのブランドに絞っても、キッチンカウンターの高さ・手元のコンセントの有無・コンロの口数や五徳の色・引き出し収納の数やそのサイズなどなど。。。 壁紙にも、消臭機能があるもの、汚れが染み込まずお手入れがしやすいもの、抗菌・抗ウイルスや調湿など、さまざまな機能を持つものがあり、さらに色や柄はその何百倍も存在します。。。 ひとつひとつ細かく選べますので、事前の知識や情報がないと「さぁ選ぶぞ」というときに、選択肢の多さに圧倒されてしまい、選び疲れてします。 ある程度「こんなのが良いな」という理想を持っている方が、後々プロからも提案してもらいやすく、納得できる住まいに近づきます。 建築会社を探す →雑誌・工務店の検索サイト 家づくりを手掛ける会社は、奈良県内だけ見ても何十社とあります。各社が過去にどんな家を建てているのか、どんなことに気を付けて家づくりをしているのか、雑誌「奈良すまい図鑑シリーズ」や当サイト「奈良すまい図鑑WEB」でチェックしていきましょう。気になった会社があれば、資料請求をしてどんな会社なのか調べましょう。 →総合展示場に行く テレビCMなどでも見ることがある大手ハウスメーカーの家が一堂に会する総合展示場。各社によって建築される家の特徴はさまざま。最新の技術や情報をまとめて見ることができ、「新しい家のことが、なかなか想像できないなー」という段階でも、さまざまな家を見学することで「これはいい」「これは要らない」といった判断材料が増えるきっかけになります。 →無料相談会への参加 どの住宅会社でもだいたい無料で新築・リフォームの相談ができます。気になる会社が見つかれば、アポイントを取って訪問しましょう。そして、どんな暮らしがしたいか、どんな雰囲気が好きか、新しい住まいでの理想の過ごし方などを話してください。それに対して、過去の施工例を見ながら素材や間取りなどの説明してもらえたり、その会社ならではの提案が出たりと、担当者や会社のカラーがわかります。 →構造見学会・完成見学会への参加 「構造見学会」は、工事の途中で開かれるもので、家が完成すると隠れてしまう柱や梁といった構造躯体、壁の中、気密断熱の施工などを見ることができます。 「完成見学会」は、家が完成してから、引っ越しが始まる前に開催されます。実際の家の雰囲気、間取りの工夫、床や壁材の仕様などがわかります。 いずれも建築会社の施工の丁寧さといった細かな仕事ぶり、どんな人が家づくりに携わっているのかなどが見られます。随時行われているわけではないので、貴重な見学会はタイミングが合えばぜひ足を運んでみるべきです。 →モデルハウス見学 各社の敷地内などにあるモデルハウスでは、どんな家づくりをしているのか、雰囲気やこだわりなどを知ることができます。また「どんな人が働いているのか、自分たちの家を作ってくれるのはどんな人たちなのか」という視点でも、見てみましょう。 →OB様宅見学 会社によっては、過去に家を建てた人の家を見学できる場合があります。実際に家づくりをした感想、建てた会社の良いところ・悪いところ、「もっとこうしておけば良かった」など、生の声を聞けるチャンスです。 →住宅相談カウンター「ナラタテ」へ行く 情報が多すぎてまとまりきらない、いろいろ調べすぎた結果「どこに頼んだら良いのかわからない」といった場合にも利用できるのが、当サイト「奈良すまい図鑑WEB」の編集者が運営する住宅相談カウンター「ナラタテ」です。ひとつひとつ情報整理のお手伝いをし、ご相談者さまが求める住まいを手掛けてくれる工務店はどこかを探し出します。 まとめ 職場や友人など戸建に住んでいる人に「今の住まいの不満点」や「次に引っ越すならこうしたい」といった改善部分、「これは導入してよかった」というお気に入りポイントを聞いてみるのも、嘘のないリアルな情報なので参考になるはずです。自分に合った情報収集で、理想の暮らしづくりをスタートしてくださいね。
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2025/10/30
奈良で快適な暮らしを実現する「断熱の必要性」と「断熱等性能等級」とは
家づくりを考え始めると、「断熱等級」や「断熱性能・UA値」という言葉をよく目にします。そもそも、断熱とは何なのか。断熱の必要性とは?雪国ではない奈良でも断熱って必要??といった疑問を解決していきましょう! 断熱ってなに?どうすれば良いの? 断熱とは、家の中と外の「温度差を少なくすること」です。熱は、温かいところから冷たいところへ移動する性質があります。そのため断熱が不十分だと、夏は冷房をつけても外からあたたかい熱が入り、冬は暖房をつけても熱がすぐに外へ逃げていきます。家の中で心地よく過ごせないことや、光熱費がかさむだけでなく、家の中の温度差によってヒートショックが起きるといった健康リスクも高まります。 熱の移動を少なくするためには、ポイントが次の4つあります。 →断熱材の活用:壁や天井、床下に断熱材を入れる。 冬は壁際や足元が寒い、夏の2階はとにかく暑いといった状況を防ぐためには、断熱材が必要不可欠です。 →窓ガラス+サッシの性能:複層ガラスやLow-Eガラス、樹脂サッシを採用する。 室内の熱の約6〜7割は窓から移動します。以前の家づくりで主流だったアルミサッシは、熱伝導率が非常に高く、部屋の温度に影響を与えてしまいます。窓ガラスの性能を上げ、サッシを樹脂製や木製などに変えることで、熱移動がしにくくなります。 →庇・軒の活用:深い軒や庇を設ける。 屋根の端で外壁から外に出ている部分を「軒・のき」。大きな屋根とは別に、窓の上などに独立して壁についている屋根を「庇・ひさし」と呼びます。深い=長いことで、太陽の強い日差しや雨が室内に入るのを遮ってくれます。 →日射を考慮した設計:日当たりや窓の数・位置などを工夫する。 夏の強い日差しは遮り、冬のあたたかい日差しを取り込むといった、季節ごとに異なる日射を考慮した設計・窓の大きさや数・間取りを工夫することで、過ごしやすさが大きく変わります。 なぜ断熱が必要なのか、そのメリットとは。 奈良市は、夏の最高気温が35〜38℃の猛暑、冬は平均が5〜7℃で、朝晩は氷点下になることもたびたびあります。家の断熱性能を高めることで、さまざまなメリットがあります。 メリット1、一年中快適な室内 夏は室内への熱の侵入を防ぎ、冬は暖かさを保てる。外気温に左右されにくく、トイレや脱衣室などを含めた家中の温度差が少ない。 メリット2、光熱費が安くなる すぐに冷暖房が効き、熱の移動が少ないため、冷暖房効率が上がり、消費エネルギーを節約できる。 メリット3、健康的に暮らせる 室内の温度差によるヒートショックを防げる。窓や壁の結露によるカビを防止し、アレルギー対策になる。 メリット4、家が長持ちする 壁内結露による構造材の腐食や劣化が少ない。 メリット5、売買の利点になる 一定性能以上の住宅を建てる場合は補助金対象だったり、ローン優遇があったりする場合もあります。そして今後もし家を売る際、断熱性能が高ければ家の価値のひとつになるはずです。 断熱等性能等級とは 「家のあたたかさ・涼しさをどの程度キープできるか」を数値化して区分したのが、断熱等性能等級(だんねつとうせいのうとうきゅう)です。「住宅性能表示制度」の評価項目のひとつで、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき定められた「日本住宅性能表示基準」に沿って、第三者機関(近畿地方整備局長の登録を受けた住宅性能評価機関)が評価を行います。 現在の最高等級は「7」、2025年4月からはすべての新築住宅で等級4以上が義務化となっています。等級が大きいほど性能が高く、少ないエネルギーで快適に暮らせて、健康面の安心が高まります。快適さと省エネを両立した家をこれから建てるなら、2030年には最低等級になる等級5以上の断熱性能を目指すことがおすすめです。 断熱等性能等級はどのように決まるのか 住宅内の温熱環境が変化する原因は、「室内から外へ」「外から室内へ」といった2つの熱移動が考えられます。 断熱等性能等級は、その2つの外皮性能(外皮熱性能)基準値で決まります。 室内からの熱の逃げやすさ=外皮平均熱貫流率(UA値・ユーエーち) 室内への熱の入りやすさ=冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値・イータエーシーち) どちらも数値が小さいほど、熱移動が少ないことを表します。 よって、断熱等性能等級が高いほど、それぞれの小さな数値が求められます。 奈良県で求められる断熱のレベル 日本は縦に細長く、地域により気候が大きく異なります。そのため、断熱等性能等級が同じ等級でも、建築する地域ごとに求められる外皮性能(UA値とηAC値)の基準値が変わります。 地域区分は、日本の国全体が気候条件で1〜8地域に分けられており、一番寒い北海道は「1」や「2」。温暖な沖縄は「8」。南北に長い奈良県は、北部は比較的温暖、南部は寒さが厳しいため、4つの区分に分かれます。 【地域区分 奈良県】 地域区分 市町村名 3 野迫川村 4 奈良市(旧都祁村に限る)、五條市(旧大塔村に限る)、曽爾村、御杖村、黒滝村、天川村、川上村 5 生駒市、宇陀市、山添村、平群町、吉野町、大淀町、下市町、十津川村、下北山村、上北山村、東吉野村 6 奈良市(旧都祁村を除く)、大和高田市、大和郡山市、天理市、橿原市、桜井市、五條市(旧大塔村を除く)、御所市、香芝市、葛城市、三郷町、斑鳩町、安堵町、川西町、三宅町、田原本町、高取町、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町、河合町 ※国土交通省告示第二百六十五号「地域区分新旧表」令和2年7月時点 より抜粋 【断熱等性能等級の基準値 地域区分3~6】 等級 地域区分 3 4 5 6 等級7 UA 0.20 0.23 0.26 0.26 ηAC 3.0 2.8 等級6 UA 0.28 0.34 0.46 0.46 ηAC 3.0 2.8 等級5 UA 0.5 0.6 0.6 0.6 ηAC 3.0 2.8 等級4 UA 0.56 0.75 0.87 0.87 ηAC 3.0 2.8 国土交通省「住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設」より抜粋 ※ηAC値は、地域区分5~8の比較的温かい地域のみ設定されている。 例えば、【地域区分 6地域】大和郡山市の場合、UA値は次の数値が基準です。 等級7:0.26 W / ㎡・K以下 等級6:0.46 W / ㎡・K以下 等級5:0.60 W / ㎡・K以下 等級4:0.87 W / ㎡・K以下 つまり、UA値が低い=魔法瓶のように快適な家ということです。 まとめ 現在の家づくりは、高断熱住宅が特別な家ではなく「当たり前」。 2022年の「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」改正より前は、断熱等性能等級4が最高等級でしたが、等級5・6・7が導入されました。2025年4月からはすべての新築住宅で等級4以上が義務化されています。そして断熱性能の重要性はさらに高まり、2030年には等級5が最低等級になる予定です。 熱エネルギーは目に見えませんが、快適さ・健康・家計・環境すべてに影響します。暖かく、涼しく、心地よく長く暮らすために、断熱性能が高い家づくりは重要です。
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2025/10/23
奈良で注文住宅を建てる費用相場と建てるタイミング【完全ガイド】
奈良で注文住宅を建てる際、まず気になるのは「費用」です。土地の有無や状態、建物の仕様によって価格は大きく変動します。平均的な予算感や費用の内訳を知ることで、無理のない資金計画が可能です。 本記事では、奈良すまい図鑑編集部が運営する住宅相談カウンター「ナラタテ」の情報をもとに、奈良で注文住宅を建てる際の費用相場・内訳・建築期間・年齢層の傾向、さらに住宅性能や資金計画のポイントを詳しく解説します。 これらの情報の一部は住宅相談カウンター「ナラタテ」YouTubeチャンネルでもご覧いただけます。 奈良の注文住宅・費用相場 奈良で注文住宅を建てる場合、土地の取得費と建物の建築費を合わせた総予算として、おおよそ5,000万円前後を見込むケースが一般的といわれています。 ・郊外エリアの場合 →土地1000万円前後+建物にしっかり費用をかける傾向 キッチンや浴室など設備のグレードを上げる 断熱性能・耐震性能を高め、快適性を重視 広い敷地で平屋や庭付き住宅も選択可能 ・駅近・人気エリア →土地2500万円前後 コンパクトな住宅を選ぶことで、全体の予算バランスを調整 通勤利便性や学区を優先する 実際には「土地1000万円台+建物3000万円台」の組み合わせが最も多く、土地と建物のバランスを取りながら総額5000万円前後で収めるケースが多いのが特徴です。 奈良の注文住宅|費用の内訳 注文住宅の費用は、大きく建物費・付帯工事費・諸経費の3つに分けられます。一般的な割合は次の通りです。 ・建物費:約70% 家そのものを建てるための費用です。 基礎工事 構造体(柱・梁・床など) 屋根・外壁 内装(壁・床・天井) 住宅設備(キッチン・浴室・トイレなど) ・付帯工事費:約20% 家の外まわりや屋外給排水工事などに関わる費用です。 駐車スペース 門やフェンス 庭や植栽 など ・諸経費:約10% 家を建てるために必要なさまざまな費用です。 設計料 登記費用 ローン手数料 地鎮祭や各種手続き 引っ越し費用 など ※外構にこだわる場合や高性能住宅、ZEH仕様を選ぶ場合は割合が変動します。 ※建物費を少し抑えて外構や設備に配分するケースもあります。 家が建つまでの期間とスケジュール感 奈良で注文住宅を建てる場合、完成まで1年〜1年半ほどかかるのが一般的です。 土地探し:3〜6か月 設計・打ち合わせ:3〜4か月 着工〜完成:4〜6か月 土地を先に持っている場合は期間を短縮できますが、希望の土地を一から探す場合は1年以上かかることもあります。学区やエリアを優先するのか、広さや価格を優先するのかを事前に整理しておくとスムーズです。また、地盤調査や造成が必要な土地もあるため、施工まで余裕をもって準備することが重要です。 奈良で家を建てる年齢層とタイミング 一般的な傾向として、奈良では30代後半〜40代前半で家づくりを始める人が最も多いそうです。子育てや通勤の環境が安定したタイミングで建てる方が多く、将来を見据えた間取りづくりが重視されます。 ・20代後半で早めに家を建てる層も増加 ローンを長期にして月々の負担を抑える 早く建てて長く住むスタイルが支持される ・スケジュール目安 春〜秋に着工、翌年春入居が定番 子どもの入学や進級、新学期に合わせて完成時期を調整 奈良での家づくりの特徴とポイント 奈良県は大阪・京都へのアクセスが良く、通勤圏内でありながら土地価格が比較的抑えられている地域が多いのが特徴です。 広めの敷地で平屋や庭付き、複数台の駐車場を確保できる住宅を建てやすい 高断熱・高気密住宅や耐震等級3相当の構造を選ぶ施主が増加 性能面にこだわることで長く安心して暮らせる家づくりが可能 さらに、奈良では周辺環境や自然景観を重視して設計する施主も多く、庭や外構のデザインにこだわる傾向があります。 収納計画や家事動線に配慮した住宅が増えており、将来のリフォームや増築を見据えた設計も人気です。増築を想定した設計とは、家族構成や暮らしの変化に合わせて、後から部屋や空間を追加しやすく計画された家のことです。さらに、エネルギー効率の高い住宅を選ぶことで、光熱費の削減と環境負荷の軽減も同時に実現できます。 奈良で注文住宅を建てるときの資金計画ポイント 事前に自己資金とローンのバランスを確認 住宅ローン控除やZEH支援制度など、補助金や減税制度を活用 設備や仕様に優先順位をつけ、無理のない予算配分を検討 将来の維持費(修繕費や光熱費)も考慮して総予算を設定 さらに、住宅ローン審査や諸費用の確認を早めに行うことで、着工スケジュールも安心して計画できます。必要に応じてファイナンシャルプランナーに相談するのもおすすめです。 まとめ:奈良の注文住宅費用は「土地1000万台+建物3000万台」が主流 奈良の注文住宅は総額5000万円前後が目安 費用配分は「建物70%・付帯工事20%・諸経費10%」が平均 土地1000万円台+建物3000万円台が最も多いパターン 「家づくりはお金をかける場所を明確にすることが大切」です! 無理のない資金計画を立て、自分たちのライフスタイルに合った家づくりを目指しましょう。快適で安心できる住まいを実現するために、土地探しや仕様決めは余裕をもって進めることが重要です。また、家づくりの流れや費用感を理解することは、理想のマイホームを実現する第一歩です。
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2025/10/16
子育て中の家づくりと子どもの学習スペース
これまで多くの住まいに触れてきましたが、私自身も中学生の子供を育てる親です。テスト前になると「勉強しなさい!」と声をかけてもなかなか机に向かわず、ついイライラしてしまうことがあります。そこで思い至ったのは、子供が集中できるかどうかは「家のつくり」にも大きく影響するのではないかという点でした。 リビングと子ども部屋をつなぐ、中間の学習スペース 教育の現場でも「リビング学習」の効果が注目されています。親の目が届きやすく、安心感のある環境で勉強することで、小学生のうちは特に習慣づけがしやすいと言われています。ただし中学生になると、テスト勉強や長時間学習が必要になり、リビングは生活音や家族の出入りが多いため集中が途切れやすくなります。そこで有効なのが、リビングと子供部屋をつなぐ「中間の学習スペース」です。間取りの工夫としては以下のような例が考えられます。 ■リビング横に造作カウンターを配置した「スタディーコーナー」 ■階段下や廊下の突き当たりを活用したオープン書斎風スペース ■スライド扉で仕切れる小部屋をリビング続きに設ける このように「半個室」で親の気配を感じつつ集中できる空間があると、子供はリビング学習から個室学習へ移行する際の段差を緩やかに乗り越えられます。 造作家具のメリットと注意点 既製品の学習机も便利ですが、家づくりの段階で造作家具を計画すると一層住まいにフィットします。 ■寸法:幅1200mm前後、奥行き500〜600mmが中高生の勉強には十分。ノートPCや参考書を広げても余裕があります。 ■素材:メラミン化粧板は耐久性が高く汚れにも強い。無垢材は温かみがあり、手触りの良さから集中しやすい環境を演出します。 ■収納:上部に可動棚、足元にワゴン収納を造作すると、教科書やプリントが溢れず整理整頓しやすい。 造作の最大の利点は「成長やライフステージに合わせて使い方を変えられる」ことです。子供が巣立った後はワークスペースや家事コーナーに転用できます。 勉強に疲れないための空間設計 親も子も疲れないためには、断熱・遮音・照明の工夫が欠かせません。 ■断熱性能:断熱性が低い部屋では夏は暑く冬は寒い。冷暖房効率が悪いと長時間学習に向きません。高性能断熱材や樹脂サッシを用いて快適な温熱環境を確保しましょう。 ■遮音性能:隣接するテレビの音や外部の騒音が学習を妨げます。間仕切り壁に吸音材を入れる、二重窓にするなどで効果があります。 ■照明計画:リビングの電球色や温白色照明はくつろぎに適していますが、学習には昼白色がおすすめ。机上にタスクライトを設け、影が出にくい配置にすると目の疲れが減ります。 収納と動線の工夫で親の負担を軽減 「勉強道具がリビングに散乱してイライラする」という声はよく聞きます。そこで、家づくりでは収納を学習動線上に組み込むことが大切です。 ■リビング横に「学校セット収納」を造作し、ランドセルや教材をまとめて置けるようにする。 ■可動棚や壁面収納を設け、プリント類を教科ごとに整理。 このように家の機能を整えることで、親が「片付けて!」と何度も言う必要が減り、精神的な疲労も軽減されます。 将来を見据えた子供部屋の使い方 子供が成長すると、最終的には子供部屋が学習や生活の拠点になります。その際に重要なのは「可変性」です。 ■中学生までは寝るだけの部屋+リビング学習で十分。 ■高校生になると受験勉強のため個室の集中空間が必要。 ■卒業後は書斎や趣味部屋、ゲストルームへ転用できるよう計画する。 などなど。 例えば、子どもがまだ小さいうちに家を建てる場合でも、成長を見据えて子供部屋にデスクを置けるだけの壁面を確保したり、造作カウンターを設けたり、将来の学習やオンライン環境に対応できるよう電源コンセントやLAN配線を複数準備しておくと、後々の快適さに直結します。 まとめ 「勉強しない子供にイライラして疲れる」――これは親として誰もが直面する悩みです。しかし家づくりの工夫によって、子供が学びやすく、親が疲れにくい環境を整えることは十分可能です。 リビング学習から子供部屋学習へとスムーズに移行できる中間のスタディースペース、整理整頓を助ける造作収納、快適な学習環境を支える断熱・遮音・照明計画。これらはすべて、親子の暮らしを支える「住宅の力」です。 私自身、子育てをしている親の一人として、このような環境づくりの重要性を日々実感しています。住まいは単なる暮らしの器ではなく、子育てを支えてくれる大切なパートナーです。だからこそ、日々の生活で無理や疲れをため込まないための家づくりを、これからも真剣に考えていきたいと思います。 ライター:内藤 美由紀