ならまちの風情を今に残す 町家を明るく快適な住まいへと全面リフォーム
ならまちの中にある築 100年を超える町家。増改築を繰り返した住まいは部分リフォームだけでは十分な耐震・断熱性能が得られないとわかったので、躯体だけを残しほぼ全面リフォームすることに。寒い・暗い・狭いといった日本家屋ならではの問題点を解消するため、一部の壁や天井は無くし、中庭の景観を活かしつつ部屋全体に陽の光が入るような間取りにすることで明るく気持ちの良い大空間を実現。また、隠れていた古い元の梁等を再利用し、町屋の趣は残しつつも、耐震・断熱性能ともに新築の最新基準同等まで上げた古民家リノベーションとなった。床にはひのきの無垢材を使用しているので、高齢者にも優しい造りになっている。木の扱いに長け、豊富な経験とノウハウを持つ同社だからこそ、趣と居心地が同居する住まいへと生まれ変らせることができた。
■写真:中庭から光がたっぷりと降り注ぎ明るく気持ちの良いダイニング。
ならまちの風情ある景観をそこなわないよう、また玄関前の杉の格子はお母様のご要望で再利用し、町屋の趣を再現した。
建具はすべて奈良県産材のひのきを使ったオリジナル品。木の美しさが際立つ玄関だ。
ひのきの建具との相性を考え、陶器の洗面器を設置。
中庭を中心に囲むように建てられたこちらの家。どこからも中庭を望むことができる。
中庭を中心に囲むように建てられたこちらの家。どこからも中庭を望むことができる。
中2階の床をはずして、吹き抜けにすることで開放感のある空間に。
古い家屋ではよく見られた「ぬれ縁」。母屋と離れを繋ぐ通路としてだけでなく、日当たりの良さと日本家屋の趣をアップさせる効果も。
広縁の天井は以前のままにすることで、中庭の風情がさらに上質なものになる。
明るく開放的な空間に生まれ変わったダイニングキッチン。中庭からの優しい光が印象的。
玄関上の中2階。低い勾配天井が落ち着いた空間に。
デッドスペースを利用して、雑貨やオブジェを飾るための棚を設置。オブジェが
より映えるよう、照明位置も調節。
将来カフェギャラリーができたらと考えておられる奥様のご要望に応えて、キッチン後ろの収納はあえてオープンに。
間仕切り建具は中庭からの光が取り入れられるように透明なガラスを使用。
吹き抜け上部から光を取り入れ、室内が暗くなりがちな古民家の問題を解消しています。