思いを継ぎ形にしたお惣菜店の再生

かつて仏壇屋だった建物が、地域に親しまれるお惣菜店へと生まれ変わった。お施主様がこの物件を購入されたのは、ご自身の人生の節目に「何かを始めたい」という強い思いからだった。いつかお母様と一緒に穏やかに過ごせる場所を持ちたい、という願いも込められていた。リノベーションでは、和の趣を活かしつつ、地域の方が気軽に立ち寄れる動線や空間づくり、店舗としての機能性を重視。玄関を入ってすぐの土間スペースでは惣菜が販売され、小上がりの一角はイベントや集いの場としても活用できるよう整えられた。建物は元々の和風建築の趣を活かしながら、外観は格子を取り入れた設えに一新。店内には和の建具やパーテーションを配置し、空間全体に落ち着きと温もりを添えている。設備面では、水回りをすべて刷新し、断熱性の高い窓を採用することで、古い建物でありながら現代の快適な使用感に配慮。広々とした内部空間や別棟の活用、物入れを転用したトイレなど、構造を柔軟に活かした設計も印象的だ。ご家族のご事情により店舗は閉じられたが、建物は新たな方に引き継がれ、お施主様は別の場所で再出発。その移転も同社がサポートし、2件のプロジェクトを通して、人生の節目に寄り添う喜びを感じたという。
物件情報
タイプ | 二階建て |
---|---|
構造 | 木造 |
現場監督 K
お施主様の人生の節目に寄り添うことができ、2件もお手伝いできたのは本当に光栄でした。お母様との思いを形にする場面に立ち会えたことは、私にとっても忘れられない経験です。