十津川村の杉にこだわり 土間を活用した オープンな住まい
若草山を望むことができる静かな住宅街に佇むM邸。白い漆喰壁や十字の形の窓に、スラリとのびるアオダモの木が印象的な家だ。奥様が十津川村出身ということもあり、十津川村の木を使った家を建てる「建築工房 和」のポリシーに共感。十津川村の杉と漆喰を中心とした自然素材の健やかな住まいができ上がった。玄関を開けると目に飛び込んでくるのが広い土間。子どもが汚れたままでも入ることができ、ご主人も趣味の作業を
したり窓際でコーヒーブレイクしたり、「外と内の中間のような空間」として活用している。「空間をゆるやかにつなぎたい」というお施主様の要望から、トイレや風呂な
ど水回り以外は扉が一切ないのも特徴だ。住まいに明るさと開放感をもたらすリビングの吹き抜けを通して、キッチン、階段、2階の多目的ホール、寝室など誰がどこにいても気配を感じられるようになっている。BBQなどができる外土間のポーチ、座って本を読んでいてもすれ違える本棚と一体になった階段など、豊かな暮らしを実現してくれる工夫が随所にちりばめられている。
■:リビングや土間と2 階の多目的ホールは高い吹き抜けでつながる。天井近くの高い窓から光が燦々と入る。
アオダモの木を中心に雑木林をイメージしてつくっている庭。
階段の高さに合わせて本棚を造作。
ダイニングスペースをあえて作らず広々としたリビングに。お施主様の好みのインダストリアルな照明やファン、時計などがシックな雰囲気を醸している。
家族の生活サイクルに合わせてカウンターで食事をするスタイルを採用。掃除の効率を重視してキッチンはステンレス製、床はタイルに。
誰かが読書をしていても横を通り抜けられるよう、通常より広い幅1mにした
階段。
お施主様が用意したボウルや水栓、三面鏡で造作した洗面所。モールテックス塗装を施し、独特の質感や優れた防水性を実現。
「_外構部の木質化支援事業」で補助対象となる木材を用いて施工したウッ
ドフェンス。
夜になると室内のレセップ照明の光が窓に浮かび上がり、幻想的な雰囲気になる。
塗装した杉板で鎧張りした外土間は将来駐車場として使うことを想定し、柱の間隔を広めにとっている。