ドラマの部屋に暮らしたい。中古住宅+リノベで叶える、あの世界観と理想の暮らし。
2025/07/10
目次
「新築じゃなくて、中古住宅を買ってリノベーションという手もあるのか。」
そう思うようになったきっかけを思い返すと、やはりドラマの影響が大きかった気がします。
たとえば『続・続 最後から二番目の恋』。鎌倉の古民家で繰り広げられる、ちょっと切なくて心地よい大人の物語。その舞台となる家の美しさに、何度もため息をついたものです。年月を重ねた木の風合い、風の通る縁側、和と北欧が共存するインテリア。まさに“味わいのある暮らし”を体現していました。これはハマりすぎて、コロナ禍に入る前の2019年だったかな?気付くと聖地巡礼で、極楽寺駅に降り立って写真を撮っていました(笑)。
『モテキ』では、長澤まさみ演じる松尾みゆきの住むヴィンテージマンションが印象的でした。築年数のあるマンションの一室を、素敵すぎるキッチンを中心として、アートや照明、小物で個性的に彩った空間。天井の高さや古い建具もそのままに、自分らしい暮らしを楽しむ姿に心が惹かれました。
そして『大豆田とわ子と三人の元夫』。松たか子演じるとわ子の部屋は、シンプルでありながら素材感や余白にこだわった、とても美しく洗練されたリノベ空間。自然光、木のぬくもり、整った収納――“心地よい日常”ってこういうことかもしれないと、憧れを抱かずにはいられませんでした。見るたびにいつも、「ああ、この世界観に入りたい」と思うのですが、それは、リノベされた空間とインテリアの醸し出す部分が大きいように思います。という事は、私たちは、リノベーションによってあの世界観に没入し、生活できるってことですよね?なんて夢のある話なのでしょうか?
その物件、本当にリノベ向き?最初に見るべき4つのポイント
リノベーションを成功に導くためには、8割が物件選びで決まるといわれるほど重要。価格や立地だけでなく、「この建物は本当にリノベに向いているのか?」という視点が大切です。

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1.築年数と耐震性
1981年6月以前の建物は旧耐震基準のため、安全基準を満たしていない可能性があります。
リノベ費用に耐震補強の予算が必要になることもあるので要注意。
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2.間取り変更のしやすさ
木造軸組工法は、壁を取り外して間取りを大きく変えやすいです。でも、ツーバイフォー工法やRC造は、壁が建物の大事な柱の役割をしているので、間取りを変えるのが難しくなります。
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3.法的制限と「再建築不可」問題
再建築不可の土地は、建て替えや売却時に大きな支障が出る可能性があります。
購入前に必ず法的制限の確認を行い、不動産会社や役所にチェックしてもらいましょう。
確認しておきたい主な法的制限
・接道義務:幅4m以上の道路に2m以上接している必要あり
・用途地域・建ぺい率・容積率:建物の種類・大きさが制限される
・高さ制限・斜線制限:周囲への日照や景観に配慮した高さの制限
・防火地域:建物の構造や設備に制限あり
・特別規制(文化財・風致地区など):外観・用途に制限がかかることも
・宅地造成等規制法:造成地では安全対策や許可が必要な場合あり
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4.インスペクション(建物診断)を行う
見た目はきれいでも、中の配管や基礎に問題を抱えていることもあります。専門家による調査で、雨漏り・シロアリ・劣化などのリスクを事前に見つけることがとても重要です。
中古住宅リノベのメリット&デメリット
「安い」だけじゃない、中古リノベの本当の魅力。

メリット
- ●新築よりも割安
- 物件価格は新築の約3〜4割安く、その分をデザインや機能のグレードアップに使えます。
- ●立地で妥協しない
- 駅近や人気エリアでも、中古なら選択肢が広がり、理想の場所に住める可能性が高まります。
●資産価値の下落がゆるやか - 築10年以上の物件は、価格の下落がある程度落ち着いているため、資産価値が安定しやすい傾向があります。
●デザイン自由度が高い - スケルトンリノベーションなら、内装や間取りを一から自由に設計可能。理想の空間づくりができます。
- ●補助金や税制優遇の対象になることも
- 耐震改修や省エネリフォームなど、条件によっては補助対象になることも。
- ●周辺の情報を事前に把握できる
- ある程度、まわりにどんな人が住んでいるのかを知ってから入居できる。
- ●安定した住環境を確保できる
- まわりに空き地などがなければ、全部屋の日当たり、窓からの景色や住環境が大きく変わることがない。
デメリット
- ●傾きや老朽化のリスク
一部の部屋や家全体に傾きがないかを事前に確認することが重要です。また、配管や配線、屋根などが古い場合、予想外の追加費用が発生することもあります。
- ●保証が限定的
中古物件は、構造躯体の保証、雨漏りなどの防水に関する保証、設備の保証について、長期保証がないか、短期間の保証しか付かない場合が多いです。
- ●工事中の仮住まいが必要
フルリノベーションには3〜6ヶ月かかるため、その間の仮住まいや引越し費用も考慮しましょう。
- ●ローン審査が厳しいことも
中古物件は担保評価が低く、住宅ローンの条件が厳しくなる場合があります。ただし、「中古+リノベ一体型ローン」などの選択肢も増えています。
快適に暮らすためのリノベ3大ポイント
見た目だけでなく、日々の暮らしを快適にする工夫も見直しましょう。

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1.耐震補強
構造の安全性は命を守る最優先事項。基礎や壁の補強、構造金物の追加など、専門家の診断を踏まえた設計を。
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2.断熱性能の向上
築古物件は断熱性能が不十分なケースが多く、快適性と光熱費に大きく関わります。床・壁・天井、そして窓も断熱仕様に。
3.設備の刷新
給排水管や電気配線の老朽化はトラブルの元。リノベ時に一新しておくことで、長く安心して暮らせる基盤が整います。
まとめ

『続・続 最後から二番目の恋』や『大豆田とわ子』のような暮らしは、ドラマの中だけの話ではありません。中古住宅+リノベという選択肢によって、思い描いた通りの空間は自由に一から作ることができます。
理想の家づくりへの第一歩は、物件の状態、法的条件、将来を見据えた設計。そして、そのための入念な下調べと準備。それらをひとつひとつ丁寧にクリアしていくことです。
「“らしさ”にこだわる。自分だけの空間で暮らす毎日。」
「好きに囲まれて、自分らしく暮らす。」
その想いを、現実のものに。
“ここで暮らしたい”と思える場所が、中古住宅の中にきっと見つかります。