築110年の旧家が趣味を楽しむ空間に変貌
日本文化を代表する「茶室」のような、あるいは静かな避暑地の「コテージ」のような…。築110年の旧家が、そんな趣味を楽しむ空間へと生まれ変わった。
奈良市の指定文化財であり、規制の多い母屋には手を付けず、門を兼ねた離れのみをリフォーム。ご主人の趣味仲間も気軽に集えるよう、1階と2階を一体化して、開放的な一つの空間へとつくり変えた。景観を損なわないために、煙突のデザインにも工夫を凝らした薪ストーブは、ご主人のこだわり。冬はこれ一台で、家中が暖かい。また、シンプルながらキッチンやバスルームも備え、友人たちや子供たちが帰省した際も気兼ねなく宿泊できる。
長く物置状態であった旧家の離れを有効活用した今回の案件。先人の知恵を活かしながら、現代の技術とデザイン力を駆使し、住まう人が、心豊かに暮らせる空間を創り出した。「趣味人」のための付加価値の高いリフォームだ。
■写真:もとは二間続きの昔ながらの和室を、広々としたLDKへ。床は無垢材、壁は100%天然素材の塗り壁。床の間のあった場所には薪ストーブを配した。
■物件詳細:築110年
■リフォーム面積:72.8平米( 22.02坪)
立派な外観。
LDKと吹き抜けの窓からは、四季折々の自然が楽しめる中庭を眺めることも。
吹き抜け空間に広がる梁は、元のものを活かしながら、しっかりと補強を。
中二階と一階をつなげたことで、開放感もたっぷり。
中二階にも無垢材を使用。ゲストの寝室としても使える。
階段の左側には、それまでなかったトイレを。薪ストーブの奥には、シャワールームも完備。
奈良市指定文化財の母屋に配慮して、日本庭園とマッチした外観の雰囲気はそのままに。
旧家には立派な梁も数多い。それらを活かし、モダンな空間を演出。こちらは二間続きだった和室の名残。この上にあった中二階の一部をくり抜き、高い天井の吹き抜け空間に。
薪ストーブは床の間のあった位置に設置し、煙突を伸ばすことで家中暖かな効率の良い暖房器具に。奈良の寒い冬にも対応できる。