趣とアートを楽しむギャラリー

「ここはひと目ぼれでした」と話すお施主様は、東京を拠点とする陶芸家。しかしギャラリーとして選んだのはここ桜井市で、高台ゆえに見晴らしがよく、造りが良いこともこの物件を気に入った理由だという。そして伝統的な美しさを持つ築80年以上の古民家は、お施主様と『島田工務店』の手により、備わっていた以上の魅力と現代の暮らしに合った機能性を手に入れた。今は多くの作家たちの作品を展示・販売するギャラリーであり、またお施主様の陶芸工房となっている。展示される作品は布・木・ガラス・陶など、さまざまな素材の作品たち。そのひとつ一つが、まるで建物の息吹きのように輝いている。設計・施工を進めるにあたって大切にされたのは、ギャラリーに展示される作品と建物のイメージが、お互いに調和することだ。そのために、お施主様自身が各空間を細部まで監修したという。玄関から続いている土間スペースは天井板を取り払い、大きな梁を現しにした大空間に。梁の下にある耐力壁は特注品。職人の伝統的な技術を一目で見て取れるよう、上下で色が違う柱もあえてそのままで……。作家の発想と職人の技を融合させたこちらのギャラリー空間は、日本の伝統美の魅力を改めて認識させてくれる。
物件情報
タイプ | 二階建て |
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構造 | 木造 |
築年数 | 築80年 |
リフォーム面積 | 173.64㎡(52.52坪) |
施工期間 | 12カ月 |
詳細情報
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築80 年の古民家を陶芸作家のお施主様の感性と時代に合った快適性が調和したギャラリーにリノベーション。
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「遠方からのゲストが宿泊できるように」と設けた部屋。昔ながらの縁側から、のどかな風景を眺めることができる。
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玄関から続く広々とした土間空間の奥はキッチンスペースに。土間には色と風合いのいい“奈良市柳生の砂”を使用。
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板間になった多目的スペースでは、ギャラリーとして作品を展示したり、陶芸体験を開催したりしているそう。
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階段も新しくつくり直し、その下のスペースには“飾って見せる収納”を設けた。
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“古きもの”に新鮮さを加えたセンスが光るその空間は、心が安らぐ、くつろぎの場所。
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坪庭を眺められるバスルームはタイル張りで仕上げ、まるで旅館のような雰囲気をつくり出した。
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階段を上がった先のロフト空間。十分に広い上、1 階と吹き抜けでつながっていて、見た目以上に開放的だ。
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ドイツ・Miele(ミーレ)社のIHクッキングヒーターを組み込んだこだわりの木製造作システムキッチン。
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縁側に出てからしか使用できなかった水回りを室内に造り直し動線を良くしている。
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玄関を入ってすぐの土間空間は、天井を取り払って吹き抜けに。
代表 島田 昌則
建物の元の姿に惹かれたお施主様は、リノベーションを選ばれました。通り庭や古い建具をできるだけ残し、快適さも加えながら、雰囲気を壊さないよう工夫しました。新たな暮らしの舞台づくりをお手伝いできて光栄です。