家づくりお役立ちコラム 土地探し 一覧
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2025/06/02
【住宅編集部が答える!】注文住宅で知りたいこと 12選!!
奈良すまい図鑑編集部が取材でよく聞くエピソードや、運営する『住宅会社紹介カウンター ナラタテ』でお受けする質問をピックアップしてお答えします。不安や疑問を解消して注文住宅がますます楽しみになりますように。 1.新築における防犯対策は、どんなことができますか? 空き巣の侵入方法は、窓からが圧倒的に多く、次に玄関などのドアからのようです。空き巣の大半は侵入に5分以上かかると犯行をあきらめるといわれているので、開口部の対策を強化するといいでしょう。1階部分の窓には防犯ガラスやシャッターを設置することでたやすく侵入することを妨げます。玄関などのドアにはディンプルキーの導入がおすすめです。ディンプルキーは、通常のシリンダーキーよりピッキングが難しいため侵入を妨げます。センサーライトや防犯カメラの設置も有効です。また、敷地内が見えなくなるような高い塀や生け垣は、隠れやすく空き巣に好まれる条件が整ってしまいますので、オープン外構にするのもおすすめです。プライバシーの確保も両立するには、植栽やフェンスの建て方を工夫するのもいいでしょう。 2.造作家具ってよく聞くけど、どんなものですか? 「造作家具」とは、間取りやスペースの広さ、収納したいもの・置きたいものに合わせて、工務店や設計事務所が一から設計・製作・施工を行う家具のことです。完全オーダーメードで、基本的に床・壁・天井などに固定します。造作家具の最大の魅力は、自由度の高さです。既存の家具や設備を置くのではなく、空間やテイストに合わせてリビングの一角にテレビボードを備え付けたり、大きなものになれば、キッチンや洗面スペースに生活スタイルに合わせた棚を作ったり、統一感がある使い勝手のいい空間を作ることができます。 3家事をしながら子どもを見守れるキッチンにしたい。 子どもたちが遊ぶことのできる空間をリビングやダイニングに設けてはいかがでしょうか。遊び場や勉強スペースがLDKにあると、家事をしながら子どもの様子を見ることができます。キッチンで作業している親に対して、話しかけにくいと子どもは感じる場合もあるため、オープンタイプのキッチンにするだけでコミュニケーションのハードルを下げることができます。対面や回遊性のあるカウンターキッチンを設け、料理をしながら子どもと話をしたり、子どもが大きくなってくれば手伝ってもらったりしすいレイアウトもおすすめです。LDKの中心の家事動線をコンパクトにすることで、子どもを見守りながらもゆったり、家族でくつろげる空間になるよう考え るのがポイントです。 4.子どもがまだ小さいので、先に子ども部屋を作るか悩んでいます。いい方法はありますか? 今すぐ必要だと感じなければ変動性のある間取りを考えてみてはいかがでしょうか。子ども用のフリースペースや間仕切りのない小上がりを作り、子育て中はキッズスペースとして、成長したら客間にするなど別の用途に転用できます。個室を作るのであれば、あとから壁を設ける工事は難しくないので、まずは大きな部屋を設けておき、子どもの成長にあわせて仕切って使えるように可変性のある間取 りにするのもおすすめです。子どもが小さいうちは家族の寝室として使うこともできます。 5.家事をしやすい間取りにしたいけど、どうしたらいいかわかりません。 料理や洗濯、掃除など、家事のために移動する経路を「家事動線」といいます。家事をしやすくするには、この「家事動線」をコンパクトにまとめるといいでしょう。特に水回りの動線を集約し、効率的にすることで家事ストレスが軽減されます。洗面所からキッチン、リビングへの移動が一方通行ではなく、ぐるぐると回ることができる「回遊動線」にすることで行き止まりなく家事を行うことができます。また、アイロンや掃除機など、それぞれ使う場所に収納するのもひとつです。生活スタイルを考えてみて、家族の動きなどを把握することで、何がどこに必要なのかが見えてきます。 6.ハウスメーカーと工務店、設計事務所の違いを知りたいです。 ハウスメーカーって? ハウスメーカーには明確な定義があるわけではありませんが、あえて工務店や設計事務所と区別するとすれば、自社工場を持ち、規格化された一定の品質の建材や設備を大量生産することでコストを抑え、全国規模に住宅の提供を展開している会社と言えます。 仕様が統一されているので、商品の供給も安定しており、ハウスメーカーが価格やテイスト・仕様別に基本プランを作成し、その中から選ぶことができます。規格外の要望があれば、特注としてオーダーもできます。ただ特注扱いなので、コストは高くなる傾向にあります。 工務店って? 工務店の多くは地域に密着しており、土地に精通していることが多いため、建てたい土地の特長を生かした建築を得意とします。設計から施工まで建物工事の全部を請け負い、自由度の高い設計を手掛けることが大きな特長です。規格に沿ったプランを提供するハウスメーカーでは対応できない狭小地や変形地の建築にも対応できます。 工務店によって得意とする設計やデザイン、特色がありますので自分のイメージに合った工務店を探すことでオリジナリティーのある家づくりが可能になります。 設計事務所って? 設計事務所は、その名前の通りお客様の望む間取りや内観、外観をヒアリングで丁寧に拾い上げ、細部にわたり一から「理想の住まい」を設計し作り上げる会社です。設計士が在籍しており、敷地の形状や周囲の環境も踏まえ、独自性の高い唯一無二の設計プランの実現が可能となります。 主な仕事は、工務とは独立してかなえたいデザインを形にする設計です。工務店と提携している設計事務所であれば、設計完成後にそのまま設計事務所から信頼する工務店に工事依頼してくれますので、設計から完成までワンストップで行えます。 土地の形状や地盤、希望している要望に即して構造体を選ぶことができるのも魅力のひとつです。 家づくりで最も重要なことは「家づくりのパートナーをどこに決めるか」です。どんな家に住みたいか、生活スタイルなどを考え住まいのイメージを一緒にかなえてくれる住宅会社を選んでください。 7.信頼できる会社かどうかは、どう判断したらいいですか? 一番いいのは、実際に工務店や住宅会社へ行って、これまでどんな家を建ててきたのか、どんなスタッフが働いているのか、よく見聞きし雰囲気を知ることです。 でも、「いきなり行くのはちょっと」という場合はそれぞれの会社が行っているイベントや見学会、注文住宅を建てた方の住まいを見ることができるOB訪問などをきっかけに、実際の施工例を巡りながら、いろんな会社と接点を持つことをおすすめします。予算も土地もなにも決まっていないし、漠然としたイメージだけしか今はないという方でもイベントなら、気軽に参加OKな雰囲気です。 それでも住宅会社に迷っていたり、家づくりに対する不安が募ったりしたときは、住宅相談窓口を利用するのもおすすめです!第三者の立場からお客様の要望を整理し、家づくりのステップを進めるための相談ができます。 8.収納力のある玄関にしたいけど、すっきりも見せたい。 来客用と普段家族が使う玄関を分けたファミリー玄関というスタイルがあります。散らかりやすい玄関を分けることで、来客時に慌てることがなくなります。 扉付きのシューズクロークを設置すると、収納が丸見えになることなくすっきりとした空間を保つことができます。その扉に鏡をつけることで、身だしなみのチェックができる+空間が広く見えるという効果も! 土間収納を設けると、アウトドア用品やスーツケース、三輪車など外からそのまま収納することができます。それぞれ収納量・レイアウト・動線などが大きく異なるため、玄関の間取りや生活スタイルを考え住宅会社と相談し選ぶことが大切です。 9.毎日使うキッチンの手入れを楽にしたい!おすすめの設備はありますか? キッチンを選ぶときは、メーカーとグレードをチェックしましょう。多くのメーカーは、だいたい3種類のグレードを展開していて、それぞれデザインや対応しているオプションが違います。本当に必要な設備をしっかり想定して自分に合ったキッチンを選ぶことが大切です。今回編集部がご紹介するのはLIXILの「リシェル」です。LIXILのキッチンは、使いやすさとデザインの良さが調和しており、価格も手頃でバランスの取れたキッチンとして定評があります。「リシェル」の魅力は多種多彩。ワークトップ(天板)は、熱や傷に強く、デザイン性も高いセラミックで作られ、熱いままのフライパンを置いても変色・変形しません。また、吸水性がないため、汚れが染み込むことなく簡単に拭きとることができて、お手入れ楽々です。 汚れがスムーズに流れる「スキットシンク」は、シンク奥に段差が設けられていて、素早く水が流れていくよう設計されています。それにより汚れの広がりが抑えられ洗い物あとのシンク掃除が簡単に! 2段のレーンを活用してさざまな作業が手際よく行える「Wサポートシンク」はシンク内にレールがあり、スライド式のプレートを引き出せて、ワークトップを汚しやすい揚げ物の下ごしらえや肉・魚のカットなどをシンク内で行うことが可能。また洗い物の水切りなど作業に応じてシンク内のスペースを活用できて、調理も片付けもWでサポートしてくれます。 p LIXILのキッチンは収納力も魅力のひとつ。「リシェル」ではテコの原理で、引き出しを開ける力を約30%軽減したという「らくパッ収納」でさらに使いやすさがアップ!立体構造で無駄なく収納スペースが活用できるようになっています。 10.毎日子どもと一緒に入るバスタイムの充実と、機能性もデザイン性も欲張りたい! お風呂は一日の疲れを癒したり、家族とのコミュニケーションを育む場であったり、大切な空間です。ご自身のライフスタイルに 合ったお風呂を設置することで、満足度の高いバスタイムを毎日過ごすことができます。 編集部がご紹介するパナソニックの「オフローラ」は、「シンプルって、自由」がコンセプトのシステムバス。当たり前にあったカウンターや棚をなくすことですっきりとしたデザインと、お手入れのしやすさが実現されています。洗い場のスペースが広々と使えて、子ども達とのびのびお風呂タイムが過ごせます。 p 天井に埋め込まれ凸凹のない「フラットライン照明」、表面が硬くなめらかで拭くだけで綺麗な状態を保つことができる「スゴピカ浴槽」、水垢が付きにくい新素材で作られた「スゴピカ水栓」、床はスミが少し立ち上がってコーナー部に目地がなく、スミまでラクに拭くことができる「スゴピカフロア」が標準仕様の「オフローラ」は、浴室まるごとお手入れしやすくなっています。壁パネルも選べる幅が広く、デザイン性も高い空間を演出できます。そこに自分好みのアイテムをプラスすることで、ご自身のライフスタイルに合わせてお風呂を組み立てていくことができるのも大きな魅力。 オプションでつけられる「酸素美泡湯」は、酵素を含んだミクロ泡がお湯を白く柔らかくし、湯冷めしにくく体を芯から温めてくれます。モイスチャー効果もあり、肌のうるおいが保たれしっとり感が長続き。バスタイムをどう過ごしたいかを考えて、選ぶのは楽しいですね。 11.雑誌で室内窓をみて、素敵だったので作ってみたいです!室内窓にはどんな効果がありますか? 室内窓は、見た目がおしゃれなだけではなく、立地条件や間取りによって、窓の取れない部屋や奥まった部屋であっても、室内窓で日当たりのいい部屋とつなげて明るさを採り、風の抜けも確保できます。 また、室内窓を設けることで空間のつながりが緩やかになり、別々の場所にいながら家族を近くに感じることができます。 12.大きなダイニングテーブルを置いて、リビングを作らない間取りは可能ですか? もちろんできます!最近ではダイニングとリビングが一体化した、リビングを設けない間取りを選ぶ人も増えているようです。 リビングを作らないことで、空間に余裕をもってダイニングを作るということもできますし、間取りの選択肢も増えます。ダイニン グを中心に家族と過ごす空間を考え、食事をしたりくつろいだり、家族団らんの場として大きなダイニングテーブルを配置するのは素 敵ですね!キッチンカウンターとダイニングテーブルをつなげて配置すると、配膳や後片付けなどの家事動線も楽になります。 いかがでしたでしょうか? 家づくりで大切なことは、「思い描いている暮らしのイメージや、かなえたい生活スタイルを作り手に伝えること」。 人生を過ごす住まいについて、家族や住宅会社、相談カウンターなどで思う存分話してください!そして、マイホーム実現への過程を楽しむことも重要です! 「奈良すまい図鑑WEB」では、県内の優良住宅会社が掲載されています。是非、ご自身のこだわりを見つけて、どの住宅会社が自分に合っているか検索してみてください!
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2025/05/01
県外出身の私が考える、奈良で子育てするための土地探しポイント
〜住み心地ランキング2024と教育環境から考える〜 私は福岡県出身で、結婚後に夫の転勤に伴い大阪・金沢と住み、奈良市に越してきてまもなく10年を迎えます。奈良に引っ越した当初、カルチャーショックを受けたのは、「県庁所在地=大都市」という自分の常識が、奈良には該当しなかったことです。 JR奈良駅前は駅前とは思えないくらい穏やかで繁華街がほとんどなく、その周辺には鹿と触れ合える広大な奈良公園と古刹が点在し、観光客や、国宝級の寺院や彫刻、世界遺産にあふれている、どちらかというと“The観光地”という印象。一方で、いわゆる駅ビルのようなショッピング施設があり交通の要として利便性に優れているのは、近鉄奈良駅から2駅先の大和西大寺駅周辺。しかしそこも“都会”とは言えない——そんな私が、まる10年住んでみて感じたのは、奈良県は、歴史ある街並みと自然の豊かさを併せ持つ魅力あふれる素敵な地域で、「暮らしやすさ」という点では他のどんな都市にも負けない魅力がある、ということでした。 大阪にも京都にも交通の利便性が良く、また、子育て支援が充実しているため、住まいづくりに最適な場所として人気があります。この記事では、奈良県内の住宅地として人気の高い町や行政の補助制度についてさらに深掘りしていきます。 奈良県住み心地ランキング2024とその背景 2024年に発表された奈良県内の「いい部屋ネット住み心地ランキング2024」では、以下の地域がランクインしていました。 北葛城郡王寺町 北葛城郡広陵町 香芝市 生駒市 奈良市 これらの自治体はいずれも、他府県への交通アクセス・自然環境・生活インフラのバランスがよく、さらに教育環境と防災意識の高さも住み心地ランキングに大きく関与しているようです。 参考:いい部屋ネット住み心地ランキング2024 教育水準が支える「住み心地」の良さ 私自身、13歳の子どもがいて自宅近くの公立中学校に通わせているのですが、子育てを通して奈良の教育環境の良さを肌で感じています。駅によっては、飲食店よりも学習塾の数の方が多いのではないか!?と思う場所も。各自治体単位でも、学力向上と教育支援に力を入れており、実際にランキング上位の地域では次のような特徴があります。 北葛城郡王寺町 義務教育学校(小中一貫)の導入による、9年間を通した計画的な学習支援。図書館や学習支援施設も整備されており、地域と連携した環境教育の取り組み。【支援制度】就学援助、ICT教育の導入、小・中学生対象の無料学習支援塾など。 北葛城郡広陵町 少人数学級と担任以外のサポート教員を手厚く配置、きめ細やかな学習指導。地元企業との連携教育や体験型学習を重視。【支援制度】学用品費・修学旅行費などの就学援助、放課後子ども教室など。幼児教育・保育の無償化。 香芝市 市内には高評価の公立学校が多数。高校・大学進学率も奈良県内で高い水準を誇る。教育インフラのアップデート中につき新設校や校舎の改築が続々。【支援制度】特別支援教育の充実、早期教育支援(未就学児童対象プログラム)等。 生駒市 小中一貫教育モデルを導入し、国際理解教育や探究学習を重視。奈良県内有数の進学校が近隣にあり、受験対応の地域サポートも活発。【支援制度】英語教育プログラム、奨学金制度、家庭学習サポートアプリの導入。 奈良市 学力レベルが高く、全国模試で上位に入る市立中学もある。奈良高校や一条高校など進学実績に優れた国公私立の進学校が多数。【支援制度】子どもの貧困対策(スクールソーシャルワーカーの配置)、不登校児童生徒への学習支援など。 ハザードマップと土地選び:安心して暮らせる場所とは? 奈良は海がなく盆地という地形上、津波や高波の心配はないものの、一部地域では台風時の内水氾濫や土砂災害のリスクの懸念があり、土地探しの際にはハザードマップの確認が必須です。豪雨被害や土砂崩れなど、自然の脅威を感じるニュースが年々増えています。被害にあわれた方が「数十年ここに住んでいるが、こんなことは初めて」といった内容のことを話されていることも。安全に住める場所の見極めは難しいかもしれませんが、できること・わかることは調べて、納得してから土地を選ぶという過程が必要だと思います。また、各市町村では、特性に合わせた防災計画が進み、住民向けの防災訓練も定期的に実施されています。 ・奈良県 総務部知事公室 各市町村のハザードマップ一覧 ・奈良県「防災・危機管理」調査結果・ハザードマップ等 ・国土交通省 ハザードマップポータルサイト 子育て支援制度も家づくりを後押し 子育て支援が充実している点も、奈良に住みたいと思った大きな理由の一つです。気軽に育児相談ができる子育て広場や無料で利用できる遊び場など、自治体ごとにさまざまな取り組みや支援があります。 医療費助成(18歳を迎えた3月31日まで) ※市町村により助成内容は異なります、子ども医療費助成事業の「市町村別一部負担金一覧」は、県のサイトに載っています。 奈良県 子ども医療費助成事業 出産祝金、乳児健診支援、保育料軽減 公立保育園・幼稚園の拡充と待機児童ゼロを目指した取り組み 各自治体独自の子育てポータルサイトを設け、引越し・転入時のサポート体制を強化。 奈良県への移住者の年齢層と傾向 2022年のデータによると、奈良市は年少人口(0〜14歳)の転入超過数が関西で1位、全国で12位となっており、奈良県への移住者は、主に30〜40代の子育て世帯が中心。特に奈良市では、教育環境や全公立園においておむつ定額サービスにより手ぶら登園を可能にする取り組みなど、子育て支援の充実が好評を得ています。移住を考える場合、各自治体の支援制度や生活環境を比較し参考にしながら、自身の生活様式に合ったエリアを選ぶことがとても重要です。 参考:総務省住民基本台帳人口移動報告 令和4年結果 まとめ:おだやかで深い「暮らしの質」がここにある 奈良は確かに「都会」ではありません。一方で「安心して子育てができる環境」「地域がサポートする教育体制」「防災に対する意識の高さ」があります。華やかさはないけれど、穏やかな毎日と地に足がついた「住み心地」が手に入ります。 10年ここで暮らして、家づくりができて本当に良かったと思っています。 ライター:内藤 美由紀
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2025/04/07
土地探しの際に注意したい11のポイント
日照、利便性、周辺環境を確認 マイホームを建てよう!と思ったときの第一関門となるのが、土地の問題。奈良すまい図鑑WEBの編集部が運営している家づくり相談カウンター「ナラタテ」でも、新築を検討されている半数以上の方が、土地探しから家づくりを始められます。土地選びで一番大切なのは「理想の家を建てることができる土地か」、「家族に適した周辺環境であるか」ということ。価格も大切ですが、家族が一生過ごす環境には特に注意を払う必要があります。そこで今回は、土地探しの際に注意したいポイントをご紹介します。 【Check 1 】前面道路が4m以上あるかないか! 一般的に前面道路が4m以上あれば、イメージした家を建てられる。そうではない場合、敷地の一部であっても道路とみなされ宅地にできない。敷地の形状、大きさ、方位なども記入。道路への接し方、道路の幅、周辺の家の状況も図に落とし込むと間取りのイメージがつかみやすい。格段に安い土地には、理由があることを忘れずに。 【Check 2 】現地に行って目で確認 チラシやインターネット上の情報収集は欠かせないが、紹介されている図面と実際の土地では印象が違うことも。まずは、現地視察へ行くことが肝心。真上からの販売図面だけだとフラットな土地に見えていても…。実際は台形型になっていることも。その場合、建築できる面積がぐっと減ったり、駐車場を設ける工事が高額になったりするので要注意。 【Check 3 】「建築条件付き売り土地」とは 建築条件付き売り土地とは「一定期間内に特定の施工業者と建築請負契約を結ぶこと」が条件となっている土地のこと。設計プランがある程度決まっていることが多い。また「建築条件」を外すときは、土地価格がアップすることも知っておく。大型分譲地はこの条件が多い。 【Check 4 】法律的に家を建てることができる土地なのか 敷地が市街化調整区域ではないか、調整区域の場合は特別な場合をのぞいて原則的に住宅が建てられない。用途地域(住居優先・商業優先・工場優先・用途地域の指定のない地域)、建ぺい率(敷地面積による建築面積)、容積率(敷地面積に対する建物の延べ床面積)、斜線制限(建物の高さの制限)もチェック。 【Check 5 】土地の利権関係 土地の売り手と持ち主が同じか、複数名義になっていないか、銀行の抵当に入っていないかなど、契約がスムーズに進むかを含め確認。 【Check 6 】土地の安全性 地盤が悪いと改良に費用がかかるので要注意。軟弱地盤、周辺が崖、すぐ裏手に山がある、大きな川が近くを流れている場合は災害時の安全性を確認。「洪水」「内水」「高潮」「津波」「土砂災害」「火山」「地震」などの防災には、各自治体で公開されているハザードマップがあるので、事前に確認しておくと良い。 【参考サイト】外部リンク ・奈良県 総務部知事公室 各市町村のハザードマップ一覧 ・奈良県「防災・危機管理」 調査結果・ハザードマップ等 ・国土交通省 ハザードマップポータルサイト 【Check 7 】敷地の形状・面積 チラシやインターネットで表示されている真上からの図面通り、建築可能な面積があるか、角地の場合は隅切り(見通し確保のために角を切り取って道路にする)の必要がないかを確認。 【Check 8 】隣地との関係 トラブルの原因となる隣地との境界線がはっきりしているか、公図と地籍図とが一致しているかをチェック。隣地との関係で、窓をとる大きさ、高さに注意を払う必要がある場合は、間取りに影響してくる。 【Check 9 】周辺環境 周辺の騒音や臭気、治安、交通状態はもちろん、子どもが小さいうちに遊ぶことができる公園があるかなども合わせて確認。いくつか希望の土地の候補を見つけたら、実際に自分の足で歩いてみること。時間帯や曜日を変えて何度か訪れ、近隣の方から情報を得ることもおすすめ。前面道路が実は抜け道になっていて、意外と交通量が多い。近くの畑でよく野焼きをしているため、においが気になって窓が開けられない。など、複数回訪れたからこそわかる情報もある。 田畑が多い地域だと、晴れた日に野焼きが行われている場合があるかも。 公園に花が植えられている、草が刈られているなど管理されていると利用しやすい。 【Check 10 】通勤通学・近隣施設 駅・バス停、交通渋滞の有無、予想される交通費も、家族の暮らし方に影響を与える。もちろん教育施設、スーパー、飲食店、病院・銀行・郵便局など利便性も確認。ただし、スーパーが閉店して全く違う施設になったり、近くを走っていたバスが路線廃止になってしまいバス停が無くなったり、という可能性もある。 【Check 11 】諸設備 電気・電話の引き込みができているか。ガスはプロパンか都市ガスか、上下水道の工事は必要ないかを確認。 工務店と一緒に土地を探せばメリット多し マイホームを建築してもらう工務店に相談しながら、土地を探す方法もおすすめ。建築のプロの視点で、「地盤改良が必要」「ここは風致地区だから細かい制限がある」などアドバイスがもらえる。たくさんの建築現場を見てきた建築士が、土地のデメリットをメリットに変えてくれる間取りプランを提案してくれた!という好事例もある。 まとめ 良い土地は早い者勝ちとなるので、早々に決断を迫られるとは思いますが、焦りは禁物。この先何十年と住むことになる場所なので、注意したいポイントをしっかりと確認して、メリットデメリットを理解したうえで購入契約を進めましょう。 加筆:2025年4月7日 初回投稿日:2021年12月21日