特集・コラム一覧
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2025/08/22
奈良県の工務店に依頼する3つのメリットと会社選びで失敗しないコツ【新築注文住宅・リフォーム共通】
当サイト「奈良すまい図鑑WEB」では、奈良の地元に密着し、誠実にお仕事をされている工務店をご紹介しています。また、現在編集部では、年に4回、奈良の工務店情報や工務店が建てた家を紹介する雑誌「奈良すまい図鑑」を発行しています。今回は、そんな編集部だからこそわかる、「工務店の選び方」「工務店の違いについて」「会社選びで失敗しないための工務店を選ぶコツ」などをお伝えします! 新築注文住宅・リフォームを奈良県の工務店に依頼する3つのメリットは、【1】理想を現実にしてくれる自由度の高さ、【2】地元の会社ならではのフットワークの軽さ、【3】大手ハウスメーカーとは数百万~数千万円安い場合があるといったことが挙げられます。 メリット1、理想を現実にしてくれる自由度の高さ 注文住宅やリフォームなど、お施主様の理想を実現するため、決まった工法や設備メーカーの指定が無い場合がほとんどです。理想や希望と予算のバランスを取りながら、全体を組み上げていかれます。また工事が進んでいる途中でも、コンセント位置の変更や、造作家具の依頼など、すぐに対応してくれる柔軟さも工務店ならでは。 メリット2、地元の会社ならではのフットワークの軽さ 地元で仕事をされている会社だけあり、地域独特の市街化調整区域などの景観法はもちろん、地域のこまかな情報を熟知されているので、とても心強い存在です。そして、家を建てた後のメンテナンスや、ちょっとした住まいの不便をすぐに相談・解決できるのも地元の会社ならではです。 メリット3、大手ハウスメーカーとは数百万~数千万円安い場合がある 地域に密着している工務店では、テレビCMなどの大規模な広告宣伝費、毎年新卒を獲得するためのリクルート費、総合展示場への出展費といった予算を必要としない会社が多いため、消費者還元につなげやすいのです。 失敗しない!会社選びのコツ:工務店の違いを知る ・会社ごとの特長 各社により、得意な工法、テイストがあります。自然素材を用いた家づくりを掲げていたり、ホテルのような雰囲気のお家が得意だったりと会社のカラーはさまざま。とはいえ、どの会社も本当に柔軟で、「どんな家でも、かなえます」というスタイル。その臨機応変に対応できるスタンスが工務店の魅力の一つです。 ・どんなスタッフがいるか 奈良県内にある「工務店」という言葉が商号に入る会社でも、人員体制はさまざま。 最初の打ち合わせ・設計・工事まで、同じ担当者が全て担っている2~3名の会社もあれば、 窓口担当者・設計者・工務担当者、それぞれ分かれており、従業員も数十人いる会社もあります。 前者の場合は、即断即決してもらえる場合が多く、話もスムーズ。 後者の場合は、誰か1人が急な休みの場合でも、代わりに話を聞いてもらえるので、安心できます。 工務店の決め手とは ・理想の家のテイストを得意としているか 無垢の木の床と漆喰壁など自然素材をふんだんにつかった家。吹き抜けと大きな窓がある大空間リビング。ホテルのような玄関ロビーなどなど、自分たち家族がどんな家に住みたいのか、どんな暮らしがしたいのか、それを効率的にかなえてくれるかどうか。各社のWEBサイトやSNSで過去の施工例を確認したり、開催しているイベントに足を運んだりして、会社のことを調べましょう。 ・どんな人と出会えるか 注文住宅の家づくりは自由度が高い分、本当にたくさん決めることがあります。壁は漆喰にするのか、珪藻土にするのか、壁紙にするのか。ドアや取手の色や形、洗面やキッチンはどれくらいの高さが使いやすいのかなどなど。だからこそ、自分たちの生活スタイルや好みを分かってくれる担当者に出会えるかどうかが重要です。話しやすさ、連絡のしやすさ、提案力、安心感など、各社の窓口となる人との相性の見極めましょう。 工務店選びに困ったら、希望に合う会社がわかる無料相談所「ナラタテ」 家づくりを始めるときや工務店選びに困ったときは、住宅会社相談カウンター「ナラタテ」をご利用ください。奈良の住宅雑誌に携わっている編集部だからこそわかること、知っていることをお伝えするために運営しています。希望される家づくりをかなえてくれる工務店のご紹介のほか、工務店の選び方、建売住宅×注文住宅どちらが良いのか、ハウスメーカーと工務店の違い、思い描いている家づくりができる住宅会社はどこなのかといった疑問も解決できます。土地探し・資金計画・家づくりの段取りを整理し、工務店を決める前に気軽にお越しいただける、地域密着の家づくり相談カウンターです。 ナラタテ奈良店:奈良県奈良市三条大路1-7-12 ナラタテ生駒店:奈良県生駒市小明町446-1 ナラタテ押熊店:奈良県奈良市山陵町1459-3 ナラタテ3店舗共通 営業時間9:00~18:00(時間外もご相談ください) フリーダイヤル 0120-879-912 駐車場あり、お子様連れOK、完全予約制 https://nara-tate.jp/ まとめ 注文住宅なら家ができるまで半年~1年、リフォームでも最短1日~数か月といった時間が必要になります。毎日の暮らしをいかに快適にできるか、理想の住まいを実現できるか。自分たちの暮らし方や好みを理解して、住まいに反映してくれる工務店選びはとても重要です。焦らずじっくり、時間をかけて、足を運んで、最高の1社と出会えますように!
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2025/08/14
おうち時間を楽しむアイデア〜成長に合わせた間取りと快適空間づくり〜
「家が一番ほっとする場所」──そんな理想の言葉を聞くと心底憧れます。でも正直、私の場合は、独身が長かったり地元から離れているせいか、子どもや家族との時間の過ごし方に戸惑うことが多いんです。特に夏休みのような長期休暇は、「今日は何をしよう?」「どこか行く場所ないかな?」とついネガティブに考えてしまいがち。でも、そんな悩みも、住まいの間取りや空間の工夫次第でぐっとラクに、そして楽しく過ごせることがわかりました。家族みんなが自然と集まって笑顔になれる、そんな家づくりのポイントをこれからご紹介します。忙しい毎日でも、ママも一緒にほっと一息つける「おうち時間」を一緒に楽しみましょう! 【乳幼児期】見守れる・安全・楽しいがポイント この時期は、家の中が子どもにとっての遊び場であり学びの場。毎日が小さな冒険の連続です。だからこそ、親がそばで見守れる安心感と、安全に過ごせる空間づくりが大事なポイントとなります。 ▽見通しのいいリビング 家事をしながら子どもの様子を見守ることができる、キッチンとリビングをつなげたオープンな間取りがおすすめ。リビングの一角に、絵本やおもちゃをまとめた「キッズスペース」があると、遊び場がはっきりして片付けもラクに。 ▽角は丸く、床はやわらかくする 転倒時のケガの予防として、家具の角を丸くしたり、クッションマットを敷いたりして対策する。こうした小さな安心が、親にとって大きな安心につながります。 ▽親子で楽しめる“作業コーナー” キッチン横にちょっとしたカウンターを作って、お絵描きやおやつづくりを一緒に楽しむのもいいですよね。自然に会話が生まれて、「楽しい記憶の積み重ね」ができます。 【思春期】自分の時間と家族との時間、ポイントは「ちょうどいい距離感」 少しずつ自立し始める思春期。プライバシーを尊重しながらも、自然と顔を合わせて会話できるような「ちょうどいい距離感」がこの難しい時期を乗り越えるコツです。 ▽子ども部屋は“自分らしさ”を大切に 「自分の世界」を持てる部屋づくりを実現するために、集中できるデスクや、趣味のものを飾れる棚などがあるとベストです。音や照明の快適さに配慮することで、より心地よく過ごせる空間になります。 ▽リビングを“心のハブ”に テレビやゲームだけじゃなく、ボードゲームや読書もできるような多目的スペースに。ソファやテーブルの配置を工夫して、自然と顔を合わせられるレイアウトにしてみましょう。 ▽話しかけやすい“ゆるやかスペース”を リビングの一角に小さなテーブルやカウンターを設けて、親子でちょっとおしゃべりできる場所を作るのもおすすめ。無理に会話をしなくても、距離を縮めるきっかけになります。 【子どもが巣立ったら】夫婦の時間をもっと楽しめる空間へ 子育てがひと段落したら、暮らしも次のステージへ。これからの暮らしに合わせて、空間も少しずつ変えていきましょう。 ▽空いた子ども部屋を“趣味空間”に 空いたお部屋を趣味のアトリエや書斎、リラックスできるスペースとして活用。夫婦それぞれの時間を楽しむのもよし、共通の趣味に使うのも素敵です。 ▽リビングをとっておきのくつろぎ空間に お気に入りのソファや照明を取り入れて、リビングを一番心地いい場所に。友人を呼んでのホームパーティや、家族が帰省したときの集まりにもぴったりの空間になります。 家族みんなが「心地よく」過ごすために ライフステージを問わず、くつろげる家には共通する工夫があります。 色合い:ベージュやグレー、パステルなど落ち着きのある色で統一 照明:間接照明や調光機能で、時間帯や気分に合わせて調整 素材感:木や布など、あたたかみのある素材 収納:出しやすく片付けやすいストレスフリーな収納 観葉植物:グリーンを取り入れて、やさしさと癒しを感じる空間に リビングは「家族の真ん中」にする 家族みんなが自然と集まるリビングは、日常の中の“ほっこり空間”。特別なことがなくても、会話や笑顔が生まれる場所にしていきたいですね。 ちょうどいい広さ:必要以上に広くなくてOK。全員が心地よく過ごせる広さを 家具配置:顔を合わせやすいようにレイアウトを工夫 多目的性:読書、ゲーム、団らん…いろんな楽しみ方ができるように 思い出の共有:写真や子どもの作品を飾って、会話のきっかけに まとめ おうち時間を楽しむには、「今の暮らしに合った空間づくり」がとても大切です。 乳幼児期は「安心して遊べる空間」、思春期は「自分の時間を大切にできる空間」、そして子どもが巣立ったあとは「夫婦が心地よく過ごせる空間」へ――。暮らしとともに、住まいも少しずつ育てていけるといいですよね。家族との時間が、プレッシャーではなく“楽しみ”になるように。できるところから少しずつ、あなたらしい家族のカタチを育てていきましょう。
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2025/08/10
古民家再生の魅力|奈良のリノベーション事例6選を特集で紹介【補助金情報あり】
古民家の魅力 新たな暮らしのかたちへと再編集する古民家リノベーション 奈良には、今も多くの古民家が残されています。 長年使われていなかった家を、もう一度暮らしの場として再生する 「古民家リノベーション」が、近年注目を集めています。 この特集では、奈良で古民家再生に取り組む6つの工務店に注目。 新築とは異なる難しさと魅力。 「古民家」と聞いて、どんな住まいを思い浮かべますか? 「黒く燻された梁、土壁、縁側、そして季節の移ろいを感じる静かな佇まい ─そんな情景が浮かぶ方も多いかもしれません。 実は、古民家には法律上の明確な定義はありません 古民家の魅力は、築年数の古さだけにあるわけではありません。 長年に営まれてきた暮らしの痕跡や、地域ならではの文化 伝統工法による構造や、自然素材を活かした造りが特徴です。 古民家は、建物としての価値だけでなく、そこに刻まれた時間や文化を感じられる点にこそ、 深い魅力があります。 それぞれの工務店がどのように向き合い、どんな住まいを生み出しているのか。 奈良すまい図鑑が取材した現場から、その魅力と可能性をお伝えします。 ヨシダデザイン工房 奈良県大和郡山市 築150年の古民家を現代の暮らしに合わせて再生する 奈良県近郊に佇むこの住まいは、施主様が20年以上にわたり、毎年少しずつ手を加えながら暮らしてこられました。 最初のきっかけは、ヨシダデザイン工房へのトイレリフォームのご依頼。 仕事ぶりへの信頼から、以来継続的に工事をご依頼いただくようになりました。 周囲の雰囲気に馴染む建具や照明を選び、和の意匠に寄りすぎることなく、古民家の風情を残したまま、 現代のライフスタイルに寄り添うかたちで住まいを整えられています。そうした姿勢こそが、この住まいの大きな魅力となっています。 暮らしに馴染む工夫と、細やかな配慮 洗面スペースにはヴィンテージ調のタイル柄クッションフロアを採用し、ニッチや収納を設けることで、 使いやすさと意匠性を両立されています。空間全体に自然と馴染む設えが、日々の暮らしを支えています。 空間を仕切る4枚引き戸は、上部に透明ガラス、下部にかすみガラスを使用し、光を取り込みながらプライバシーにも配慮。 お子様が「小学校の廊下みたい」とお気に入りになるほど、親しみやすく、やわらかな印象を与えています。 欄間ガラスは、空間の雰囲気に合わせて一枚ずつ手作りされており、まるで当初からそこにあったかのような自然な佇まいを感じさせます。 時代に寄り添う住まいづくり 子ども部屋の改修の際、断熱性能が大きく向上したことをきっかけに、 翌年には板間と土間の床を上げ、より快適なリビング空間へと改修されました。 床材には節のあるナラ材を使うことで、「あまり和風になりすぎないように」という施主様のご要望に応えています。 土天井(天井裏に土を敷き詰めたもの)の土の落下防止のため、既存の天井の下に奈良県産の杉板を丁寧に張りました。 既存の天井との重ね施工に加え、曲がった丸太梁の形状に合わせて隙間なく収めるには高度な技術力が必要であり、 大工の手仕事によって、見えない部分にも確かなこだわりが込められています。 昔ながらの趣を活かしつつ、家族構成や暮らしに合わせて少しずつ改修を重ねる──。 必要な要素だけを丁寧に加え、今の暮らしに馴染むかたちで住み継ぐ。 の姿勢こそが、古民家を未来へとつなぐ力となっています。 代表 吉田 尚央さん お施主様とは、20年前にトイレリフォームを行って以来のお付き合いです。 大枠のご要望を伺い、プランをご提案、細かなデザインや施工は信頼してお任せいただきました。今からでは作れないような建具は残し、雰囲気を壊さないように新たな建具を組み合わせています。リビングは断熱性能がかなり向上したことから、冬場も快適に過ごせると喜んでいただけました。 この住まいづくりを手掛けた【ヨシダデザイン工房】について、詳しくはこちら 島田工務店 奈良県高市郡 築80年の古民家を伝統美と快適性が融合したギャラリーに再生 桜井市の高台に建つ築80年の古民家。 この住まいにひと目惚れしたのは、東京を拠点とする陶芸作家のお施主様。 ギャラリー兼工房として新たな命を吹き込むため、『島田工務店』の手により、伝統的な美しさを尊重しながら、 現代の使い勝手に合わせたリノベーションが始まりました。 ギャラリーに展示される作品と空間が響き合うために この古民家は現在、多くの作家たちの布・木・ガラス・陶などの作品が展示・販売されるギャラリーであり、同時にお施主様の陶芸工房としても使われています。 展示される作品は布・木・ガラス・陶など、さまざまな素材の作品たち。 そのひとつ一つの作品が、まるで建物の息吹きと響き合うように輝いています。 設計・施工にあたり大切にされたのは、展示される作品と建物のイメージがお互いに調和すること。 そのため、お施主様ご自身が空間の細部にまで深く関わり、素材や構成の選定から空間ごとの雰囲気づくりまで丁寧に監修されました。 住まい手の感性と工務店の技術力 土間には奈良市柳生の砂を使用し、庭までフラットにつながる仕上げに。 階段下には“見せる収納”を造作し、空間のアクセントになっています。 吹き抜けとロフトで広がりをもたせつつ、梁の下に配置された耐力壁は特注品。 職人の技術がひと目で伝わるよう、色を違えた柱もそのまま生かしています。水まわりは室内に再配置し、動線を改善。 何度も打ち合わせを重ね、施主のイメージをかたちにしました。 築80年の建物が、機能と美しさを兼ね備えたギャラリー空間へと再生された一例です 代表 島田 昌則さん この建物がもつ本来の姿に魅力を感じていただき、リノベーションという選択をされたお施主様。 玄関から庭へとつながる通り庭を生かし、古い建具や柱など、残せるものはできるだけ残したいという想いが印象的でした。 快適さを加えながらも趣を損なわないよう、細部まで工夫を重ねています。 これからお施主様が歩まれるセカンドキャリアの舞台づくりをお手伝いできたことを、私たちもとても嬉しく思っています。 この住まいづくりを手掛けた【島田工務店】について、詳しくはこちら 株式会社 北条工務店 一級建築士事務所 奈良県奈良市 住まいの「100年の記憶」を未来につなぐ古民家再生 祖父母が昭和4年に建てた家を、次の世代へ住み継ぐために 築100年を超える住まいを「この先もずっと大切に住み継いでいけるように」という想いを形にすべく、 構造躯体の改修を含め、古民家再生がスタートしました。 古き良き趣や美しさを可能な限り残しながら、耐震性・断熱性などの性能面も向上させ、 さらに現代の暮らしに合う快適性を備えた、”古くて新しい”住まいを目指しました。 間取りの再構築と自然光への配慮 改修にあたり、間取りを大きく再構成。階段の位置を変更し、 広々としたLDKは家族が集える空間として整えられました。 また、室内窓の配置によって、自然光が建物の奥まで届くよう工夫されています。 リビング横に移設された和室は、間取り変更に伴って移設した空間です。 床柱や床框、地板などは一度解体し、丁寧な組み直しによって“以前の空間”を再現。 さらに、南側へのレイアウト変更により、障子越しのやわらかな光がLDKに注ぐ設計となっています。 記憶と暮らしが息づく、未来へつなぐ住まい 玄関部の土間や天井・建具などは既存のまま生かすことで、以前の趣をしっかりと継承。 一方で階段は勾配を緩やかにし、室内窓を設けて明るく開放的な動線を確保しています。 2階の個室には、将来的な暮らしの変化に備えてウォークインクローゼットを新設。 伝統と快適性、そして暮らしへの思いやりが融合した古民家再生。 住まいが持つ”100年の記憶”を未来へと継承するこの住まいには、設計から施工までを担った北条工務店の 確かな技と、住まい手への深い寄り添いが随所に息づいています。 担当 影山 絢香さん 解体してみて初めて、家の構造がかなり弱っていることがわかりました。柱や梁が足りなかったり、傷んでいたりと深刻な状態だったため、まずは基礎をしっかり補強。その上で新しく柱や梁を加え、さらに鉄骨も使って、住まい全体の強度を高めました。 これから何十年経っても安心して住み続けられる、丈夫で安全な家に生まれ変わったと思います。 大切な住まいを次の世代につなげられる「価値ある古民家再生」がかないました。 この住まいづくりを手掛けた【北条工務店】について、詳しくはこちら 一級建築士事務所 輪和建設株式会社 奈良県大和郡山市 芳野川流域に佇む、景観に溶け込む心癒される住まい 大阪某所から車で約2時間。桜並木で知られる芳野川流域、深い緑に抱かれた集落の一角に、ひときわ美しく建つ古民家があります。 縁側や庭から開けた景色を望む高台に位置し、まるで絵巻物の一部に紛れ込んだかのような静寂が広がります。 前々から「自然豊かな場所に古民家の別荘を」と、関西圏で物件を探し続け、数年越しに理想の古民家との出会いを果たしました。 趣を活かし、快適さも備えた古民家再生へ 改修を手がけたのは、古民家再生の実績が豊富な『輪和建設』。 自然との繋がり、空間の繋がり、人との繋がりを大切にした、同社のリノベーションは居心地がよく、 人が和み集う空間づくりが特徴です。また、お客様の要望に寄り添った幅広い提案力があり、 そこには積み重ねてきた実績と経験に裏打ちされた確かな技術力があります。 今回は別荘としての利用を想定し、お施主様の要望に寄り添いながら、「古民家の趣を最大限に活かす」設計が採用されました。 間取りの変更は最小限にとどめ、古建具を積極的に再利用。輪和建設が保管していた建具も雰囲気に合わせて厳選され、 空間に調和するように使われています。新しくなったのは、無垢の杉板を張った床や、耐震補強のために設けた漆喰塗りの壁。 さらに、外周の窓もほぼすべて入れ替えられ、断熱性能が向上しています。 懐かしさと新しさが調和する、集いの場 「海外の友人たちにも快適に過ごしてもらえるように」との想いから、キッチンやトイレなど水まわりはすべて一新。 中でも洗面や浴室は、ホテルライクな設えで整えられています。 一方で、居間の囲炉裏は“古民家ならではの象徴”として、そのままのかたちで生かされています。 「古民家の趣を大切にしながら、海外的な要素も取り入れたい」という住まい手の希望は、細部に至るまで丁寧に反映されています。 「海外で暮らす姉の子どもたちにも、日本の原風景的なこの地域での暮らしを体験してもらいたい… 」という お施主様の想いがかたちとなり、余すことなくかなえられているようです。 設計 阿部 智子さん もともとの佇まいを丁寧に残しながら、別荘としての快適さや機能もきちんと整えることが、今回の改修のテーマでした。 住まい手のご家族が代々この場所を楽しみ、また海外から訪れる方々にも “日本の暮らし”を感じていただけるような一軒になったと思います。 この住まいづくりを手掛けた【輪和建設】について、詳しくはこちら 株式会社 平野木材 奈良県磯城郡 伝統と快適性が調和する、築60年古民家の再生 築60年の日本家屋の一階部分を中心に行われた今回の改修。 断熱性や耐震性に不安を抱えていた既存の建物は、スケルトンリフォームによって構造から見直され、 断熱材や耐震壁の導入で住環境の性能が飛躍的に向上しました。 水回りは屋外から屋内へと移設され、家事動線もスムーズに。 オーダーキッチンや広めのウォークインクローゼットなど、暮らしに寄り添う設備も整備されています。 意匠と素材へのこだわりが光る空間 内装は、松の梁や古建具など既存の要素を活かしながら、オーク材の床やイギリスの塗料を取り入れて、 和の素材がもつ温かみと、洋の質感が生み出す軽やかさが共存する空間に仕上げられています。 薪ストーブの導入により家族や親戚が集う場としての居心地も向上。 縁側から庭の景観を室内へとつなぐ設計が、自然との一体感をもたらしています。 次世代へと住み継ぐ価値を宿す家 耐震面では、構造を強く固定してしまうのではなく、古民家が従来持っている 「揺れにしなやかに対応する」強みを活かした補強方法で、安全性を確保。 暮らしを根本から見直した今回の改修は、伝統的な美しさを大切にしながら、 現代のライフスタイルに寄り添う家づくりの好例となりました。未来へ住み継がれていく価値ある住まいが実現しました。 代表 藤井 謙昌さん 旧家のリフォームは、代々受け継がれてきた大切な住まいを、未来へつなぐ特別なプロセスです。家族の記憶と歴史が息づく趣ある建物を、現代の暮らしにふさわしい快適な住まいへと再生。耐震性・断熱性・間取りの見直しをはじめ、良質な素材を活かした設えにより、暮らしやすさと美しさが両立する空間が生まれました。 この住まいづくりを手掛けた【平野木材】について、詳しくはこちら バルジ建築設計室 by 株式会社バルジ・オカダ 奈良県奈良市 「残す」と「変える」が響き合う、世代をつなぐ古民家再生 長らく空き家となっていた築100年を超える旧家を、離れに改築し移り住んでいたご両親に代わり、 息子さん一家が住み継ぐことに。当初は大手リフォーム会社との打ち合わせを重ねていたものの、 古民家特有の構造に対する理解が十分ではなく、思い描いていたような提案には至らなかったと、お施主様は振り返ります。 構造への確かな理解が導いた、安心の住まいづくり そこで信頼できるパートナーとして選ばれたのが、古民家を実際に手がけた経験を持つ大工職人が在籍し、 構造への深い理解と豊富な知識・実績を備えた『バルジ建築設計室』でした。 設計から施工まで一貫して関わる職人がいるからこそ、構造への的確な対応と丁寧な仕上がりが実現できる――それが、お施主様の安心につながりました。 親世帯の想いと子世帯の暮らしやすさを両立 このお宅の再生設計のポイントは、築100年を超える古民家の風情を生かしつつ、 これから住み継いでいく子世帯のための暮らしやすさを両立することにありました。 親世帯が残したいと希望された仏間には、メイン玄関からアクセスできる動線を確保し、 ホール部分には二重扉を設けることで、子世帯の生活空間とゆるやかにゾーンを分けました。 プライバシーを守りながらも、家族のつながりも感じられる”絶妙な距離感”ある工夫がなされており、 両世帯が“心地よく共に暮らす”ことができる住まいの実現につながりました。 専務 中嶋正行さん 奈良県出身で、二級建築士・一級土木施工管理技士をはじめ、住まいづくりに関する資格を24種取得しています。大工としての現場経験も豊富で、伝統的な“田舎建て”の木組みにも精通しています。今回の古民家再生では、長く住み継がれてきた家の記憶を大切にしながら、次の世代が安心して暮らせる住まいを目指しました。どんなご希望にも柔軟に応えられるよう、創意工夫を重ねた一棟です。 この住まいづくりを手掛けた【バルジ建築設計室】について、詳しくはこちら 補助金制度を活用して、古民家再生をもっと身近に 古民家のリフォームを検討するなら、補助金・助成金の活用は見逃せません。 国をあげて「住み継ぐ住まいづくり」を推奨していることもあり、部分的な改修から本格的な再生まで、幅広く対応できる制度が充実しています。 これらの制度は、事前に登録された工務店が施工することで利用可能となるため、補助金活用の実績が豊富な工務店に依頼することが、安心につながります。 古民家をはじめとする空き家に関する補助金制度は、全国的に深刻化している空き家問題への対策として整備されたものです。 空き家は年々増え続けており、放置されることで地域の安全性や景観に悪影響を及ぼすケースも少なくありません。 現在利用可能な主な補助金制度 古民家再生や空き家のリフォームに活用できる補助金制度には、いくつかの種類があります。 ここでは、代表的な制度をわかりやすくご紹介します。 長期優良住宅化リフォーム推進事業 古民家の耐震性を高めるためのリフォームに対して、補助金が交付される可能性があります。 ※事前に「既存住宅状況調査技術者」によるインスペクション(住宅診断)を受ける必要があります。 長期優良住宅化リフォーム推進事業の公式サイトはこちら 子育てグリーン住宅支援事業 住宅の所有者が、事業に登録された業者と契約してリフォームを行うことで支援が受けられる制度です。 子育てグリーン住宅支援事業の公式サイトはこちら ※このページの補助金情報は、2025年8月10日現在の情報です。最新情報は、各公式サイトにてご確認ください。 まとめ 奈良には、地域の文化や職人技が息づく古民家が数多く残されています。 本特集では、そうした古民家を現代の暮らしに合わせて再生した6つの事例を紹介しました。 奈良で古民家のリノベーションを検討されている方や、再生事例に興味のある方は、 ぜひ施工会社の詳細ページもご覧ください。
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2025/08/07
施工例の写真検索が便利!キッチン・風呂・洗面など16箇所、見たい部分が一気見できるっ
2025年6月に、より使いやすく、情報が探しやすくリニューアルした当サイト「奈良すまい図鑑WEB」。 奈良で実績を積んでいる優良な工務店が探せるサイトとして、新築・リフォーム&リノベーションの施工例、住まいの特集、各社のイベント情報など、「奈良で家を建てたい」「購入した中古戸建をキレイにしたい」「実家をリフォームしたい」といった思いに寄り添えるように日々情報を発信しています。 今回は、リニューアルで新しく増えた機能についてご紹介します! それが新築およびリフォーム施工例ページの「写真から探す」です。 【生駒郡・パーシモンホーム by株式会社日都建設】新築施工例のキッチン、詳しい施工例情報はこちらから 新築・リフォーム&リノベーションどちらも使える「写真から探す」 住まいづくりやリフォームを考えたとき、まず行うのが情報収集。 その際にぜひ活用していただきたいのが、「写真から探す」の機能です。 →まずは、TOPページもしくはメニューから「新築施工例」もしくは「リフォーム施工例」をクリック。 →緑色の四角「写真から探す」をクリック。 →写真キーワードが表示されるので、気になる箇所をクリック。 →選んだキーワードに該当する写真一覧が表示されます。 写真をクリックすると、そのお家の他写真や紹介文章が表示されます。 知りたいが見つかる、写真キーワード 写真検索機能で選べる写真キーワードは、次の16個。 外観、ダイニング、リビング、キッチン、階段、和室、造作家具・建具、廊下、洗面・風呂、子ども部屋、書斎、玄関、トイレ、洋室、屋外空間、扉 知りたい場所、気になるキーワードを選んで、写真表示ができます。 毎日過ごす時間が長いキッチン、住まいの顔となる玄関など、お家によってテイストはさまざま。スッキリとシンプルなお家もあれば、和風テイストのお家もあって、同じ空間がないのが面白いところ。 それぞれの住まい手の思いに寄り添い、希望をかなえてきた工務店のお家ならではです。 写真検索は、新築・リフォーム&リノベーション相互利用がおすすめ。 「奈良すまい図鑑WEB」には、新築施工例、リフォーム施工例のページがあり、それぞれで登録されている写真は異なります。「うちは新築だから」「今考えているのはリフォームだから」といった目的は違っても、完成する空間は同じです。新たなヒントが見つかる可能性もあるので、新築の場合でもリフォーム施工例のページで写真検索を。また、リフォームの場合でも新築施工例の写真検索をぜひ利用して、参考にしてください。 工務店選びの参考にもなる写真検索 Instagramやpinterest、Tumblrなど、SNSではさまざまな情報があり、検索すればするほどたくさんの関連写真が出てきます。しかし、その理想の空間を実現しているのは、奈良からは遠い会社だった。。。ということも多いはず。家の外観やキッチンなど「好きな空間」を集める方法としてSNSはバッチリ向いていますが、工事を依頼する際はまた別の検索が必要になります。「奈良すまい図鑑WEB」なら、気になった写真=実現してくれる奈良の工務店が直結。問い合わせ先やイベント情報も載っているので、その会社のことを深く知ることができます。 写真検索でイメージを膨らませて、第三者に伝えるカードを持つ。 住まいに関する「こうしたい」「こんなテイストが好き」といった参考写真があると、第三者に伝えやすく、家づくりやリフォームがとてもスムーズに進みます。「奈良すまい図鑑WEB」で掲載されているのは、確かな技術力と柔軟な対応で思いをかなえてくれる工務店です。工事を請け負う側も百聞は一見に如かずで、写真があるとわかりやすいし、好みのテイストを共有しやすいそう。 それに、いいなーと思う写真を見ているだけも楽しいし、不思議と気持ちも上がりますよね。 まとめ 住まいの新築やリフォーム&リノベーションを成功させるカギは、事前の情報収集です。理想の住まいに近い写真や雰囲気がわかる資料など、工務店担当者に伝えるカードはたくさん集めていきましょう。写真検索で写真を見ていたら、気になる写真はいつも○○工務店の施工例だったということもあるはず。施工例の「写真から探す」は、パソコンからでもスマホからでも使える機能なので、ぜひご利用ください。
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2025/07/31
【施工写真アリ】トイレのリフォーム、まるごと?おしゃれに?とにかく快適に!!奈良県工務店リフォーム例
毎日の生活でよく使うからこそ不具合が起こりやすいのは、やはりキッチン・トイレ・風呂といった水回り。特にトイレは、家族はもちろんお客様も使う場所だからこそ、キレイに整えておきたい場所。 新しい商業施設やレストランに行くと、「フォルムがすっきりとしたトイレだー、なんてきれいで多機能なのだろう」と思う最新のトイレに出会うことはありませんか? そのトイレ、リフォームで叶います。自宅に実現できます。 「まぁ今のトイレでも不便ないし、使えているし」というのが現状かもしれません。本当によくできたもので陶器製の便器は、とても長寿命。ひび割れなどがなければ、100年は使えるといわれています。ただ、タンク内部の部品や配管の劣化、ウォシュレットや消臭機能の異音・故障などはいつ訪れるかわかりません。最近よくつまるようになった、水漏れがするようになった、という場合も交換のタイミングかも。 また、中古住宅を購入した場合、せめて水回りは新しくしたいですよね。地道にお掃除するよりも、全部取っ払って新しくしたい!と思う方も多いはず。 そこで、どんなトイレリフォームができるのかを見ていきましょう! 設備をまるごとor部分的に入れ替える 便器をごっそりまるごと交換するほか、温水洗浄機能が付いた便座部分のみ交換するなど、今お使いの便器によってできるリフォームは異なります。 トイレの種類や機能は、TOTOやLIXILなどの大手メーカーを筆頭にたくさんのラインアップがあります。機能も充実しており、汚れにくい、お手入れがしやすいといった清掃性の向上。毎日使うからこそ消臭機能が優れているといった点も重視したいところ。また、トイレ本体から音楽が流れるなど、気の利いた機能が搭載されているものも。 最近の新築では、スッキリとした見た目と節水効果が高いタンクレストイレが主流です。さらに床から浮いた形のトイレも床掃除のしやすさから採用されているご家庭も増えています。また、お家の雰囲気に合わせてトイレにもこだわり、真っ黒なトイレを採用されているご家庭も。トイレ空間の中心となる便器の色が選べるのは、こだわりの空間を実現させる上で重要なポイントかもしれません。 床から浮いたトイレ【大和郡山市・スペースマイン】施工例、同邸宅の他の写真を見る 黒いトイレ【天理市・リビングデザイン】施工例、同邸宅の他の写真を見る 壁紙や床材など空間を一新 せっかく便器を入れ替えるなら、この際、古くなった壁紙や床材を張り替えるのもオススメです。トイレの嫌な臭いは、汚れや菌の染み付きが原因の1つとも言われます。空間全体を一新することで、清々しいトイレになりますよ。 壁材としては、漆喰や珪藻土といった自然由来の素材を用いれば、調湿・消臭効果が期待できます。 壁紙にも調湿・消臭効果のあるものがあるほか、色柄は無限大。壁の一部の面だけ、お気に入りの柄の壁紙を採用するなど、遊び心を反映しやすい場所でもあります。 飛び散りが予想される部分には、メラミン化粧板なら清掃性が高くお手入れ簡単です。 床には、お手入れがしやすいビニールクロスのほか、天然大理石を使用するといったゴージャスなトイレも。天然の大理石を使っても、小さな空間だからこそコストが抑えられるそう。 また、お家の間取りによっては、扉を引き戸にして段差をなくす。ペットのトイレスペースも一緒に設けるといったリフォームも可能です。 タイル壁やヤカン型の水栓など、ご夫婦の遊び心が反映されている【明日香村・島田工務店】施工例、同邸宅の他の写真を見る 一部の壁紙をミントブルーに変えたトイレリフォーム【奈良市・ビーライフ】施工例 温熱環境を整える 扉を閉めていることが多く、窓が無いもしくは小さいといった密閉性の高さから夏はムンッと熱気がこもっていたり、冬は他の部屋よりもさらに寒く感じたり、外気の影響を受けやすいトイレ。 夏の暑さ対策には、人感センサーや湿度センサー付きの換気扇を付けるといったことも効果的です。 冬の寒さは、日中の日照不足や窓からの冷気の侵入による影響が大きいことが考えられます。ヒートショックを防ぐためにも、断熱効果が高い窓に入れ替える、壁床などに断熱材を敷くなど、温熱環境の見直してみてはいかがでしょうか。 とはいえ、そこまで予算がない!という現実もあるはず。 夏場は、窓や扉を開けて換気する、扇風機を設置するなど、空気の入れ替えができると少しはマシに使えます。 冬場は、窓にカーテンを付けたり、100均でプラスチック段ボールなどを調達して内窓をDIYすると、良いかもしれません。 トイレ施工事例 住まいづくりのプロである工務店に頼めば、いつものトイレがあっという間に一新できます。トイレリフォームの参考にしてくださいね。 信楽まで探しに行った手洗い鉢。毎日使う場所だからこそ心地よく高級旅館のような風情あるトイレ。【葛城市・建築工房和】同邸宅の他の写真を見る マンションのトイレリフォーム。玄関と同じデザインクロスを効果的に使うことで、より一層ラグジュアリーな仕上がりに。【奈良市・ビーライフ】同邸宅の他の写真を見る シンプルで洗練された印象の空間。洗面スペースとトイレをゆるやかに仕切って配置。【生駒市・ROKA architecture. by VENDOR株式会社】同邸宅の他の写真を見る 2階の床は、節ありの杉の無垢材を使用。廊下との段差を無くし、入口はドアから上吊りの引き戸へと変更した。【大和郡山市・輪和建設】同邸宅の他の写真を見る トイレには本棚を設置。壁にはにおいを吸収するエコカラットが貼られている。【五條市・HAUSQA(株式会社 平和技建)】同邸宅の他の写真を見る 洗面スペースと空間を共にしたモデルハウスのトイレ【奈良市・吉川住研】モデルハウスの情報を見る まとめ 毎日使う場所だから、新しいトイレ空間は、気分も上げてくれるはず。「こまめに掃除しよう」といった新しい習慣が身につくかもしれません。部分的な小さなリフォームから大きなリノベーションまで手掛ける奈良の工務店に、ぜひ相談してください。 →奈良県にある工務店一覧ページを見る
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2025/07/24
暮らしを整える、外構という視点〜シンプルな佇まいと、憧れのシンボルツリーを添えて〜
有限会社吉川住研 施工事例 家を建てるとき、多くの方がまず重視するのは、間取りやキッチン、収納の使い勝手といった「家の中」のこと。家族の生活動線や便利な設備をしっかり考えたはずなのに、いざ暮らしが落ち着いてくると、ふと気になってくるのが「家の外」──つまり「外構(がいこう)」です。実際、編集部にもこんな声が多く届きます。 「家を建てた当時は外構まで手が回らず、とりあえず最低限にしておいた。」 「住み始めて10年、ようやく庭やアプローチを整えたい気持ちになった。」 住まいに慣れ、暮らしのスタイルが定まってくると、外構が“住まいの余白”として浮かび上がってくるのかもしれません。私自身、すっきりとしたシンプルな外構に、シンボルツリーが1本映えるような佇まいがずっと憧れです。玄関アプローチに風にそよぐ緑があるだけで、きっと毎日の帰宅が少し楽しく、心地よい時間に変わるはず。 今回は、そんな思いを持つ方々に向けて、これから外構を見直すための基本の考え方や人気の設備、そして時代の流れに合った新しい工夫をご紹介します。 まずは「オープン」か「クローズ」かを考える 外構を考えるとき、最初に迷うのが「開放感を重視するか、安心感を優先するか」。これは「オープン外構」と「クローズ外構」のどちらを選ぶか、ということでもあります。 ★オープン外構 ヨシダデザイン工房 施工事例 敷地と道路の境界に、あえてフェンスや門をつくらず、開放的に仕上げたスタイル。最近の住宅街ではこのタイプが主流になりつつあります。 メリット デメリット 敷地が広く見える 門まわりの費用が抑えられる 街並みに自然になじむ 視線が気になる場合がある 小さなお子さんやペットの飛び出し対策が必要 防犯面では工夫が必要 私は、このオープン外構に惹かれています。ほどよい抜け感と、シンボルツリーの存在が引き立つのが魅力です。 ★クローズ外構 株式会社ビーライフ一級建築士事務所 施工事例 塀や門扉で敷地を囲い、プライバシーや防犯性を重視したスタイル。昔ながらの安心感があります。 メリット デメリット 外からの視線を遮れる 敷地内が「自分たちの空間」として落ち着く セキュリティー面で安心 工事費用がかかりやすい 閉鎖的な印象になることも 敷地内への侵入者が、外から見えない どちらにも良さがありますが、自分のライフスタイルや地域の雰囲気に合わせて選ぶことが大切です。 「置き配」が当たり前になった今、外構も進化中 建築工房 和-nagomi-by株式会社 和 施工事例 ネット通販を日常的に使う今、「置き配」をどう安全に受け取るかは、多くの家庭の関心ごとです。たとえば宅配ボックス。工事不要の簡易型から、スマートロック付きの高機能タイプまで幅広く選べます。また、盗難防止バッグという選択肢も。宅配業者が荷物を入れ、ファスナーを閉め、ワイヤーで固定できる仕組みで、ちょっとした防犯に役立ちます。 また、外構と一緒に、カメラ付きインターホンや防犯カメラを導入する家庭も増えています。最近はスマートフォンと連携できる機種が主流で、不在中も安心です。 EV時代に向けて、駐車スペースもアップデート 株式会社ビーライフ一級建築士事務所 施工事例 電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)がぐっと身近になってきた今、外構でも「EV対応」が求められる時代です。たとえば、200Vの屋外EVコンセントをあらかじめ設置しておけば、将来EVを購入しても安心。カーポートの柱や外壁に取り付けるのが一般的です。さらに、おすすめなのが屋根付きカーポートとの組み合わせ。雨の日でも濡れずに充電できるだけでなく、車の乗り降りも快適に。最近では太陽光パネル付きのカーポートも登場しており、発電した電力でEV充電や家庭用に活用することもできます。 機能性とデザイン性を両立するスタイル ヨシダデザイン工房 施工事例 毎日使う駐車スペースも、工夫次第で使いやすく、美しい空間に変わります。 片側支持タイプ(片持ち)…柱が片側にだけあるため、出入りがしやすく、すっきりとしたデザインに。シンプル志向の方に人気。 両側支持タイプ…安定性が高く、積雪や強風が強い地域におすすめ。 アルミ+ポリカーボネート屋根…軽量で耐久性があり、紫外線をカット。お手入れも楽です。 太陽光パネル付きカーポート…エネルギーを自給しながら、見た目もスタイリッシュに。 外構の印象を左右する要素だからこそ、暮らし方に合ったカーポートを選びたいですね。 外構でかなえる「私らしい暮らし」 ROKA architecture. by VENDOR株式会社 施工事例 外構というと、大がかりでお金がかかる印象を持つ方もいるかもしれません。でも実際は、少しずつ整えていくことも十分に可能です。たとえば、季節を感じられるシンボルツリーを1本植えるだけで、玄関まわりの印象はガラリと変わります。春に芽吹き、夏に木陰をつくり、秋には紅葉、冬には凛としたシルエット。毎日の暮らしの中に、自然と向き合う余白が生まれます。そんな外構を目指して、少しずつ整えていく人も増えています。 外構は「住まいの仕上げ」 株式会社ビーライフ一級建築士事務所 施工事例 外構の資金計画は、家のプランニングと同時に行う必要がありますが、家の完成と同時に仕上げなくても大丈夫。むしろ、暮らしてみてわかる“足りなかったもの”を補う作業とも言えます。住まいに合わせて、暮らしに合わせて、年齢に合わせて。今の自分にちょうどいい“外”のかたちを見つけていけるのが、外構づくりの楽しさです。 まとめ 「こんな外構にしたい」という憧れは、暮らしをもっと豊かにする第一歩。 シンプルで、季節が映える木が1本――そんな風景に心が動いた方は、ぜひ一歩を踏み出してみてください。外構は、住まいの“これから”を育ててくれる空間です。
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2025/07/17
平屋と二階建てのメリット・デメリットを整理。ライフステージで変わる「住まいのカタチ」
実家での二階建て生活、ワンルームでの一人暮らし、結婚後のマンション暮らし──。人生の節目ごとに、「住まいのかたち」も少しずつ変わってきたという方は多いのではないでしょうか。間取りや生活動線、暮らしやすさの違いを、実体験から実感してきた方も少なくないはずです。私自身もその一人です。 特に、共働きや子育て中の家庭にとっては、すべての生活がワンフロアで完結するマンションの暮らしは、家事の効率がよく、セキュリティー面でも安心感があります。けれども、子どもの成長や暮らし方の変化にともない、「もっと広い空間でのびのび暮らしたい」「自分たちのライフスタイルに合った家に住みたい」といった思いが芽生え、戸建てへの住み替えを検討するタイミングが訪れることもあります。 そんなとき、選択肢としてよく挙がるのが「平屋」と「二階建て」です。 それぞれに魅力がある一方で、家族構成や将来のライフプランによって、向いている住まいのかたちは異なります。 今回は、「平屋」と「二階建て」それぞれの住まいの特徴を整理しながら、わが家にぴったりの住まいを選ぶためのヒントをご紹介します。 平屋の【メリット】と【デメリット】 ○メリット1 → ワンフロアの快適さと家族の距離が縮まる安心感 生活動線がシンプルで、家事や育児の負担を軽減。 それぞれが違うことをしていても、自然と同じ空間に集まる機会が増えるのがワンフロアの魅力。家族の距離がぐっと近づきます。 ○メリット2 → 開放感と自由度のある設計 高さの制限が少ない分、天井を高くしたり中庭をつくったりと、空間に広がりをもたせる設計が可能。土地の形状に合わせた柔軟なレイアウトにも対応しやすいのが平屋の良さです。 ○メリット3 → 将来を見据えた「終のすみか」 バリアフリー設計も自然に取り入れやすく、老後の暮らしにも◎。段差のない構造は、長く快適に住み続けるうえで大きなメリット。地震に強い構造も魅力の一つです。 ○メリット4 → メンテナンス性の良さ・リノベのしやすさ 高さがない分、屋根や外壁の点検・修繕がしやすく、リノベーションの自由度も高めです。 ×デメリット1 → 広い敷地が必要 同じ延床面積の場合、二階建てより土地が広くないと建てられないため、都市部では難しいケースも。 ×デメリット2 → 採光・通風の工夫が必要 建物が横に広がるため、中央に位置する部屋が暗くなりやすい傾向があります。天窓や吹き抜け、中庭を作るなどの工夫が求められます。 ×デメリット3 → プライバシーの確保が課題に 家族全員が同じフロアにいるため、個室の音や気配が気になる場合も。 ×デメリット4 → 建築コストが上がることも 基礎や屋根の面積が広くなり、坪単価が高くなるケースがあります。 二階建ての【メリット】と【デメリット】 ○メリット1 → 限られた土地でも空間を有効活用 上下に空間を分けることで、都市部など土地が限られた場所でも広い住空間を確保できます。 ○メリット2 → 生活ゾーンを分けやすい 1階を共用、2階をプライベート空間にすることで、プライバシーを確保しながらも、生活にメリハリが生まれます。 ○メリット3 → 眺望や採光のメリット 2階からの景色や日当たりは、平屋では得られない魅力の一つ。風通しも工夫次第で◎。 ○メリット4 → 土地コストや固定資産税を抑えやすい 土地の使用面積が小さく済むため、トータルコストの抑制につながります。 ×デメリット1 → 階段が将来的に負担に 若いうちは問題ない階段も、年齢を重ねると移動の負担になることがあります。 ×デメリット2 → 冷暖房効率が下がりやすい 上下階の温度差が出やすく、光熱費や空調管理に工夫が必要。 ×デメリット3 → 外部メンテナンスの負担 高所作業のため、足場を組む必要があり、点検・修繕費がかさむことも。 ×デメリット4 → 構造的な複雑さ 耐震設計や補強が必要になるケースもあり、建築コストが上がる可能性も。 まとめ:現在と未来、両方にフィットする住まい選びを 平屋は、マンションのような機能性と、戸建てならではの自由な設計度を併せ持った住まい。一方で二階建ては、空間の効率的な活用とプライバシーの両立が魅力です。 重要なのは、「現在の暮らしや希望」だけでなく、「これからの人生設計」も見据えて選ぶこと。単に流行や憧れで決めるのではなく、自分たちの価値観やライフスタイルに合っていて、長く快適に暮らせるかが、住まい選びの本質です。 「土地にゆとりがあり、バリアフリー重視であれば、平屋。」 「限られた敷地で、空間やプライバシー重視なら、二階建て。」 水害リスクや、家族構成、将来の住まい方によっても、最適解は変わってきます。 住まいは、人生のステージを彩る大切な空間。 だからこそ、「どちらが正解か」ではなく、「どちらがわが家にフィットするか」を軸に、じっくり選んでいきましょう。
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2025/07/16
【写真で伝える上質な暮らし。】奈良の工務店が手掛けた7邸の“ラグジュアリー”
上質な住まい—それは、非日常を日常にすること 住まいは、ただ生活する場所ではなく、心身が満たされる空間であるのが理想です。 快適で美しく、その空間にいるだけで心が満たされる。まるでラグジュアリーなホテルに滞在しているかのような特別な時間が、日常に溶け込む住まい。それこそが、暮らしを豊かにする本質的な上質な住まいです。 本物の贅沢とは。 上質な家づくりとは、単なる豪華さではなく、居心地の良さや質の高さを重視することです。選び抜かれた素材、洗練されたデザイン、計算し尽くされた動線。そして、壁や床の質感、柔らかく降り注ぐ光、空間に流れる静けさ——それらが調和することで、居心地の良い上質で特別な暮らしを実現させます。 時間とともに美しさが深まる住まい。 たとえば、無垢材の床は、時を重ねるごとに味わいが増し、住む人の暮らしとともに変化していきます。漆喰の壁は、自然素材ならではの柔らかさと調湿効果を持ち、心地よい空間を演出します。こうした本物の素材が生み出す美しさは、時が経つほどに住まいへの愛着を深めます。 緻密に設計された住空間 シンプルながら緻密に計算された設計は、上質な暮らしに重要な要素です。動線設計によってスムーズな生活が可能になり、開放感のある間取りが家族との時間を豊かにします。調和の取れた照明計画は、朝昼夜で異なる表情を作り出し、空間に奥行きと温かみをもたらします。それらのすべてが融合することで、住む人の感性に寄り添った、唯一無二の住環境が生まれるのです。 そんな「非日常を日常へ」と変える住まいの施工例を紹介します。空間の美しさ、素材の質感、住む人のライフスタイルに寄り添う設計。そのすべてが調和した住まいの魅力を、ぜひじっくりとご覧ください。 1. 住まいの内と外が心地よくつながるラグジュアリーな住空間 【 株式会社ビーライフ 一級建築士事務所 】゠奈良県奈良市゠ 代表取締役 山下 淳哉さん お客様のご要望をしっかりうかがった上でプランを立て、平面図だけでは伝わりにくい家のイメージも、3Dパースを用いて具体的にご確認いただいています。納得いただいてから制作に進むため、多少お時間はかかりますが、カフェ風・ナチュラル・スタイリッシュ・メルヘン系など、お好きなテイストの住まいを丁寧に具現化します。 木目のアクセントが映える、黒を基調としたモダンな佇まい。直線的で洗練されたフォルムが印象的なこの住まいは、閑静な街並みにありながら、ひときわ存在感を放っています。 外からは窓がほとんど見えず、閉鎖的にも見えますが、扉を開けた先に広がるのは、想像を超える開放感と室内外の一体感。LDK・フリースペース・和室が緩やかにつながる吹き抜けの大空間、天井まで届く大窓からの自然光、内と外をつなぐ半屋外のテラス…。静かで上質な時間が日常の中にしっくりと溶け込んでいくようです。 『株式会社 ビーライフ』代表・山下氏が語るように、「建具を使わず一続きにした大空間だからこそ、床の高低差や素材の変化でエリアごとにメリハリをつけることで、より広がりを感じられ、また落ち着ける空間になる」。まさにその言葉どおり、床の段差や素材の切り替えによって空間に自然なリズムが生まれ、ダークトーンを基調にした落ち着きと洗練が随所に漂います。住まい手の暮らし方や家族構成に寄り添い、洗面ボウルの数や暖房機の配置まで丁寧に設計。見た目の美しさだけでなく、使い勝手や快適さにも心を配っています。さらに、動線や空間の随所に遊び心を添え、機能性と豊かさを両立させた住まいです。 この住まいづくりを手掛けた『ビーライフ』について、詳しくはこちら 2. “ 高級感” に磨きをかけたワンランク上の上質さ 【 一級建築士事務所リビングデザイン 】゠奈良県天理市゠ 代表・一級建築士 井上 敏治さん サロンをご自宅で営む奥様の「訪れる方に特別な時間を感じてほしい」というご希望をもとに、非日常感と居心地の良さを両立する空間を目指しました。ゲストにとっては印象深く、ご家族にとっては日々が快適で豊かになるよう、動線や素材にもこだわりながらプランしています。 築30年の鉄骨造4階建てを大規模にリノベーションした『大泉の家』。室内に広がるのは、白い天然大理石と重厚な家具が織りなす、華やかで気品ある空間です。 ヨーロピアンクラシックを好む奥様と、スタイリッシュモダンを好むご主人。「〝伝統的〟と〝現代的〟を融合させる」難題の設計に取り組んだのは、高級ホテルなども手がける『一級建築士事務所 リビングデザイン』の代表・井上氏でした。もともと車庫だった1階を15帖の大きな玄関ホールに、2階のワンフロアを40帖のLDKにするなど、間取りも以前から大きく刷新。 鉄骨造ならではの強みを生かし〝間仕切りも柱もない大空間〟のLDKを実現。ひときわ目を引く海外製ロートアイアンの手すりや、奥様お気に入りの最高級といえるシステムキッチンなど、さまざまな素材の特徴や質感を生かした空間が広がります。計算された間接照明などの光の演出で、モダンデザインの要素が加えられています。お茶会や食事会を楽しむゲストへのおもてなしはもちろん、日々の暮らしやすさにも配慮され、断熱性や収納、動線計画に至るまで細やかな工夫が施されています。華やかさと機能性をあわせ持つ、まさに“伝統”と“現代”が寄り添う住まいです。 この住まいづくりを手掛けた『リビングデザイン』について、詳しくはこちら 3. 重厚で上品なホテルライク空間が、日常を特別に彩る住まい 【 株式会社 家族の森 】゠奈良県生駒郡゠ 代表取締役 小西 真紀さん 全館空調の快適さをきちんと活かすには、住まい全体の断熱性と気密性が不可欠です。そこで、屋根や壁にはウレタン遮熱工法を施し、窓まわりには高断熱仕様の樹脂サッシを採用しました。これらの工夫によって、家のどこにいても温度差のない、心地よい暮らしがかなえられています。 黒格子の窓とロートアイアン調の装飾をまとったチャコールグレーの外観が、日が落ちるとさらに表情に豊かさを増す、そんな“非日常を愉しむ家”。 お子様の独立をきっかけに、ふたたび注文住宅に取り組まれたお施主様は、「大好きなインテリアに囲まれて暮らしたい」という想いをかたちにされました。 扉を開けると、外観からの想像以上に優美な空間が広がり、リビングの高い天井にはこだわりのシャンデリアが輝き、その天井は折り上げられて間接照明が華やかさを添えています。 大開口でつながるキッチンは黒を基調としたフルオーダー仕様で、〝K様にとって一番の使いやすさ〟がかなえられています。住まいの装いすべてが住まい手の感性に寄り添い、洗練された空間をかたちづくっています。さらに、全館空調や高断熱・高気密の施工、吉野産桧による構造材、制振装置の導入に至るまで、機能面も抜かりなく備わっています。 “本質のラグジュアリー”が随所に漂っているこの住まいについて、お施主様は「前に建てた家とは比べようもないほど、家事のしやすさも温熱環境も快適になりました」と、満ち足りた笑顔で語ってくださいました。 この住まいづくりを手掛けた『家族の森』について、詳しくはこちら 4. 和と洋が融合する上質な平屋風邸宅 【 株式会社 島田工務店 】゠奈良県高市郡゠ 代表 島田 昌則さん 敷地の広さを活かし、開放感と暮らしやすさを両立させた設計を心がけました。明るく風通しの良い空間構成や生活動線への配慮に加え、将来を見据えたバリアフリー対応など、ご家族の暮らしに寄り添う工夫を随所に盛り込みました。世代を超えて快適に暮らせる住まいです。 地元で築かれた信頼関係を基に始まったお施主様との家づくりは、ラグジュアリーさと実用性が調和した平屋風住宅として、完成。30畳を超える広さのLDKは北庭に面しており、明るく開放的な雰囲気をもたらしています。 吹き抜けに設けた丸窓や中庭、内窓を生かした設計によって、室内には自然光が効果的に取り込まれています。玄関を入ってすぐ正面に本格的な和室が広がるという意外性のある設計は、訪れた方に驚きと強い印象を残します。 また、玄関ベンチの設置や将来的なスロープの導入を見据えたバリアフリー設計により、住まう方の体格やライフステージの変化にも柔軟に対応。断熱性能の高い建材とLIXILの熱交換換気ユニット「エコエア90」により快適な空気環境を保ちます。外壁には耐候性に優れた素材を採用し、屋根の段差構造で重厚感のある外観に。2階には造作収納やセカンドリビングを設け、サウナや大型の洗面室、ランドリースペース、書斎なども備えた住空間は、ご夫婦おふたりのライフスタイルに寄り添う、贅沢で合理的な住まいをかなえています。細部に至るまで丁寧に設計されたこの住まいは、快適で豊かな日々を支える理想の住空間です。 この住まいづくりを手掛けた『島田工務店』について、詳しくはこちら 5. 鉄骨階段がつなぐ、家族と過ごす空間と自分時間のある家 【 パーシモンホーム by 株式会社 日都建設 】゠奈良県生駒郡゠ 二級建築士 北野 広治さん 来客の多いご夫妻の暮らしに合わせ、広々とした土間とリビングを一体に計画し、ゆったりとお客様を迎えられる空間を設けました。一方で、浴室やランドリールーム、主寝室などのプライベートスペースは2階にまとめ、にぎやかな交流と静かな時間をしっかりと分けています。家族の時間もおもてなしの時間も、どちらも心地よく過ごしていただけるよう、動線や空間の使い方に工夫を重ねました。 ご紹介をきっかけに、日都建設での家づくりを決められたお施主様ご夫妻。 店舗のような両開きの玄関ドアを開けると、タイル張りの広々とした土間リビングが広がります。 この開放的な土間は、ネイルのお仕事をされている奥様のライフスタイルに寄り添い、将来的に友人を招いて施術ができる“サロン”としても活用できるように設計されたもの。ご夫妻の暮らしにフィットした、多目的な空間です。 敷地の東側にはご両親のお住まいがあり、その方角には大きな掃き出し窓やFIX窓を設けて、ゆるやかなつながりとさりげない安心につながる設計に。さらに、土間やキッチン、洗面スペースにも、足元や上部に明かり取りの窓を設けて、自然光がやわらかく室内を包み込むように計画されています。光と影が織りなすコントラストが、空間に心地よさと奥行きをもたらしています。 お施主様は、一般的な間取りにはあまり関心がなく、そこで思い切って土間を主役に据えた大胆なプランをご提案。結果的にそのアイデアに深く共感され、ご採用いただきました。 ご自身でも気づいていない想いや好みを引き出し、かたちにしていく―― それが、日都建設の家づくりに息づく大きな魅力です。 この住まいづくりを手掛けた『日都建設』について、詳しくはこちら 6. 性能と意匠性の融合。細部に宿る住まいへのこだわり 【 HAUSQA by 株式会社 平和技建 】゠奈良県五條市゠ 代表取締役社長 平 雅門さん お施主様の細やかなご要望にお応えし、本物の素材と確かな技術で高品質な住まいを実現しました。25畳のリビングと5.6メートルの吹き抜けによる開放感、雨の日も安心なガレージからの動線、スキップフロアを活かした事務スペースなど、デザイン性と機能性を両立しています。注文住宅だからこそできる“理想のかたち”を、これからもご提案していきます。 「自分たちの家を建てたい」という想いが高まり、家づくりへの一歩を踏み出されたお施主様。ご家族全員が快適に暮らせる空間であることを重視し、性能面とデザイン性への強いこだわりに応えてくれる工務店を探されていた中、知人の紹介で『平和技建』とご縁がありました。 ライフスタイルや好みを丁寧にヒアリングし、住宅性能についてもよく調べていたお施主様には、高気密構造を実際に体感していただいたうえで、設計をスタートしました。素材選びにもこだわり、「長く愛せる本物を使おう」と、内装の好みに寄り添いながらプランを進めました。 ガレージから濡れずに玄関へ入れる導線、ご主人の事務作業に使えるスキップフロアの専用スペースや、大きな吹き抜けを生かした開放的なリビングなど、快適な暮らしを支える工夫が随所に。2階との視線の抜けや温度差の緩和にも配慮し、空間全体が心地よくつながる設計です。さらに、玄関から洗面・浴室へと続く裏動線を設け、暮らしにスムーズさを。現場に足を運ばれたご主人は職人の仕事ぶりに信頼を寄せ、「この人になら任せられる」と感じられたそうです。完成後は「理想以上」と喜ばれ、ご友人からも「こんな家に住みたい」との声が。上質な素材と性能、そして住まい手への想いが詰まった一邸です。 この住まいづくりを手掛けた『平和技建』について、詳しくはこちら 7. “憩いの時間”が流れる平屋 【 株式会社 北条工務店 一級建築士事務所 】゠奈良県奈良市゠ 四代目代表取締役・一級建築士 北条 愼示さん 普段お住まいのご自宅も弊社でリノベーションをお任せいただいており、そのご縁から今回の別邸もご依頼いただきました。お施主様ご夫婦は“上質な空間”への感度が高く、日頃から親しまれているホテルのような落ち着きや品を、この住まいにも取り入れています。 ゆったりとした敷地に大きな切妻屋根が印象的に映える平屋建ての邸宅。もともとご主人のご実家があったこの場所に、ご夫婦が「週末の余暇やこれからの人生を豊かに過ごしたい」という想いを込めて建てられた別邸です。設計・施工を手がけた『北条工務店』は、以前の建物から取り出した木材や石材も活用しながら、侘び寂びの空気感や非日常感、懐かしさや奥ゆかしさといった情緒を丁寧に表現していきました。深い軒に守られたポーチと背の低い木製玄関扉は、ご夫婦のご希望であった「お茶室に入るような静けさ」を体現したもの。その先に続く玄関ホールも、明るすぎず暗すぎず、「ほっ」と落ち着ける空気に包まれています。 LDKはゆったりとした一体空間でありながら、タイル貼りのリビングだけをダウンフロアとすることで、さりげなくゾーニング。掃き出し窓の先にはフラットにつながる大きなウッドデッキが広がり、室内と外とが一体となるような心地よさを生み出しています。 家具を飾れる余白を設けたダイニングや、サンルームと隣接したキッチンの横には、大容量のパントリーも配置。そのほか、実家の品を収める土間付き納戸や、アートが映える広い廊下など、暮らしの風景を大切にする設えが随所に。日本的な落ち着きと上質な空気を愛するご夫婦の感性に、『北条工務店』が寄り添い、紡ぎあげた一棟です。 この住まいづくりを手掛けた『北条工務店』について、詳しくはこちら こだわりの住まいづくりを支える、最新補助金情報まとめ 上質な住まいを実現するうえで、設計や素材選びと同様に重要なのが、制度面での支援です。ここでは、快適性や性能向上を後押しする補助制度をご紹介します。 1. 住宅省エネ2025キャンペーン(国土交通省) 美しさと快適性を両立する住まいへ。 高断熱窓や高効率給湯器など、上質な暮らしを支える住宅設備の導入を後押しする補助制度です。性能とデザインの両立を目指す住まいづくりに、制度の活用をご検討ください。 https://jutaku-shoene2025.mlit.go.jp/ 2. 長期優良住宅化リフォーム推進事業(国交省) 時を重ねても美しく、心地よく。 既存住宅の性能向上や長寿命化を支援する制度です。素材の質感や設計の工夫を活かしながら、住まいの価値を永く保つための選択肢としてご覧いただけます。 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/shienjigyo_r6-04.html 3. 先進的窓リノベ2025事業(環境省) 光と空間の質を高める、窓からのアプローチ。 大開口や吹き抜けのある邸宅において、断熱性とデザイン性を両立させるための支援制度です。快適性を高めながら、空間の美しさを引き立てる窓リノベーションの可能性をご紹介します。 https://window-renovation2025.env.go.jp/ まとめ 光や素材の質感、空間の余白。写真に映るディテールのひとつひとつに、丁寧な設計と施工の工夫が込められています。 今回ご紹介した住まいのように、見た目の美しさはもちろん、日々の過ごしやすさまでを考え抜いた家づくりは、暮らしをより豊かなものにしてくれます。 新築だけでなく、リフォームやリノベーションでも、上質な空間を叶える工夫は可能です。 掲載の奈良の工務店は、ラグジュアリーに憧れる気持ちや「自分らしく住まいを整えたい」という想いに、しっかりと寄り添ってくれる心強い存在。 細やかな設計と誠実な施工で、一人ひとりの“こうしたい”をカタチにしてくれます。 「住まい図鑑WEB」では、ほかにもさまざまな実例や、家づくりに関わる企業の想いをご紹介しています。 もっといろんな住まいを見てみたい、ほかの施工も気になる――そんな方に向けて、詳しくご覧いただけるページをご用意しています。 暮らしやすさと心地よさを備えた、ちょっと特別な住まいのかたち。 このページが、家づくりのヒントやきっかけになりますように。
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2025/07/10
ドラマの部屋に暮らしたい。中古住宅+リノベで叶える、あの世界観と理想の暮らし。
「新築じゃなくて、中古住宅を買ってリノベーションという手もあるのか。」 そう思うようになったきっかけを思い返すと、やはりドラマの影響が大きかった気がします。 たとえば『続・続 最後から二番目の恋』。鎌倉の古民家で繰り広げられる、ちょっと切なくて心地よい大人の物語。その舞台となる家の美しさに、何度もため息をついたものです。年月を重ねた木の風合い、風の通る縁側、和と北欧が共存するインテリア。まさに“味わいのある暮らし”を体現していました。これはハマりすぎて、コロナ禍に入る前の2019年だったかな?気付くと聖地巡礼で、極楽寺駅に降り立って写真を撮っていました(笑)。 『モテキ』では、長澤まさみ演じる松尾みゆきの住むヴィンテージマンションが印象的でした。築年数のあるマンションの一室を、素敵すぎるキッチンを中心として、アートや照明、小物で個性的に彩った空間。天井の高さや古い建具もそのままに、自分らしい暮らしを楽しむ姿に心が惹かれました。 そして『大豆田とわ子と三人の元夫』。松たか子演じるとわ子の部屋は、シンプルでありながら素材感や余白にこだわった、とても美しく洗練されたリノベ空間。自然光、木のぬくもり、整った収納――“心地よい日常”ってこういうことかもしれないと、憧れを抱かずにはいられませんでした。見るたびにいつも、「ああ、この世界観に入りたい」と思うのですが、それは、リノベされた空間とインテリアの醸し出す部分が大きいように思います。という事は、私たちは、リノベーションによってあの世界観に没入し、生活できるってことですよね?なんて夢のある話なのでしょうか? その物件、本当にリノベ向き?最初に見るべき4つのポイント リノベーションを成功に導くためには、8割が物件選びで決まるといわれるほど重要。価格や立地だけでなく、「この建物は本当にリノベに向いているのか?」という視点が大切です。 「輪和建設」リノベーション施工事例、詳細ページを表示。 1.築年数と耐震性 1981年6月以前の建物は旧耐震基準のため、安全基準を満たしていない可能性があります。 リノベ費用に耐震補強の予算が必要になることもあるので要注意。 2.間取り変更のしやすさ 木造軸組工法は、壁を取り外して間取りを大きく変えやすいです。でも、ツーバイフォー工法やRC造は、壁が建物の大事な柱の役割をしているので、間取りを変えるのが難しくなります。 3.法的制限と「再建築不可」問題 再建築不可の土地は、建て替えや売却時に大きな支障が出る可能性があります。 購入前に必ず法的制限の確認を行い、不動産会社や役所にチェックしてもらいましょう。 確認しておきたい主な法的制限 ・接道義務:幅4m以上の道路に2m以上接している必要あり ・用途地域・建ぺい率・容積率:建物の種類・大きさが制限される ・高さ制限・斜線制限:周囲への日照や景観に配慮した高さの制限 ・防火地域:建物の構造や設備に制限あり ・特別規制(文化財・風致地区など):外観・用途に制限がかかることも ・宅地造成等規制法:造成地では安全対策や許可が必要な場合あり 4.インスペクション(建物診断)を行う 見た目はきれいでも、中の配管や基礎に問題を抱えていることもあります。専門家による調査で、雨漏り・シロアリ・劣化などのリスクを事前に見つけることがとても重要です。 中古住宅リノベのメリット&デメリット 「安い」だけじゃない、中古リノベの本当の魅力。 「ROKA architecture. by VENDOR株式会社」リノベーション施工事例、詳細ページを表示。 メリット ●新築よりも割安 物件価格は新築の約3〜4割安く、その分をデザインや機能のグレードアップに使えます。 ●立地で妥協しない 駅近や人気エリアでも、中古なら選択肢が広がり、理想の場所に住める可能性が高まります。 ●資産価値の下落がゆるやか 築10年以上の物件は、価格の下落がある程度落ち着いているため、資産価値が安定しやすい傾向があります。 ●デザイン自由度が高い スケルトンリノベーションなら、内装や間取りを一から自由に設計可能。理想の空間づくりができます。 ●補助金や税制優遇の対象になることも 耐震改修や省エネリフォームなど、条件によっては補助対象になることも。 ●周辺の情報を事前に把握できる ある程度、まわりにどんな人が住んでいるのかを知ってから入居できる。 ●安定した住環境を確保できる まわりに空き地などがなければ、全部屋の日当たり、窓からの景色や住環境が大きく変わることがない。 デメリット ●傾きや老朽化のリスク 一部の部屋や家全体に傾きがないかを事前に確認することが重要です。また、配管や配線、屋根などが古い場合、予想外の追加費用が発生することもあります。 ●保証が限定的 中古物件は、構造躯体の保証、雨漏りなどの防水に関する保証、設備の保証について、長期保証がないか、短期間の保証しか付かない場合が多いです。 ●工事中の仮住まいが必要 フルリノベーションには3〜6ヶ月かかるため、その間の仮住まいや引越し費用も考慮しましょう。 ●ローン審査が厳しいことも 中古物件は担保評価が低く、住宅ローンの条件が厳しくなる場合があります。ただし、「中古+リノベ一体型ローン」などの選択肢も増えています。 快適に暮らすためのリノベ3大ポイント 見た目だけでなく、日々の暮らしを快適にする工夫も見直しましょう。 「吉川住研」リノベーション施工事例、詳細ページを表示。 1.耐震補強 構造の安全性は命を守る最優先事項。基礎や壁の補強、構造金物の追加など、専門家の診断を踏まえた設計を。 2.断熱性能の向上 築古物件は断熱性能が不十分なケースが多く、快適性と光熱費に大きく関わります。床・壁・天井、そして窓も断熱仕様に。 3.設備の刷新 給排水管や電気配線の老朽化はトラブルの元。リノベ時に一新しておくことで、長く安心して暮らせる基盤が整います。 まとめ 「ビーライフ」リノベーション施工事例、詳細ページを表示。 『続・続 最後から二番目の恋』や『大豆田とわ子』のような暮らしは、ドラマの中だけの話ではありません。中古住宅+リノベという選択肢によって、思い描いた通りの空間は自由に一から作ることができます。 理想の家づくりへの第一歩は、物件の状態、法的条件、将来を見据えた設計。そして、そのための入念な下調べと準備。それらをひとつひとつ丁寧にクリアしていくことです。 「“らしさ”にこだわる。自分だけの空間で暮らす毎日。」 「好きに囲まれて、自分らしく暮らす。」 その想いを、現実のものに。 “ここで暮らしたい”と思える場所が、中古住宅の中にきっと見つかります。
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2025/07/03
二世帯住宅という選択肢!暮らし方の基本を知ろう
「3つの型」と「間取りで配慮するポイント」とは? 実家が遠い私にとって、二世帯住宅という選択肢 子育てに追われる毎日の中で、「もし親が近くにいてくれたら」と感じたことはありませんか? 私自身、県外出身で実家は遠方。頼れる家族が近くにいない状況で、育児や家事を夫婦だけでこなすのは本当に大変です。加えて、自身の体調にも変化が訪れる“プレ更年期”の時期に差しかかると、心身ともに疲れがたまりやすくなり、将来への不安も増してきます。そんなときにふと思い浮かぶのが「二世帯住宅」という選択肢。 親と同居することで、子育てや家事のサポートを得られる安心感は大きな魅力です。また、介護に対するハードルも下がります。ただし、生活リズムの違いやプライバシーの確保など、気になる点も多いのが現実。だからこそ、間取りや住まい方に工夫を凝らせば、無理なく支え合える“ちょうどいい距離感”をつくることが可能になります。 本記事では、そんな“子育て+更年期世代”にこそ知ってほしい、二世帯住宅の3つのタイプと、それぞれの暮らしに合った間取りの工夫について、わかりやすくご紹介します。 二世帯住宅とは?3つの型を理解しよう 二世帯住宅は、親世帯と子世帯が同じ建物内で生活する住宅です。生活スペースや設備の「共有の程度」によって、以下の3つの型に分けられます。 1.完全分離型 玄関・キッチン・浴室・トイレ・LDKなどすべてを別々に設けるタイプ。それぞれの世帯が独立して暮らせます。 メリット デメリット ・プライバシーをしっかり確保できる ・万が一空き家になっても賃貸活用が可能 ・緊急時にはすぐ助け合える距離感 ・建築費用が高くなりやすい ・広めの土地が必要 ・意識しないと顔を合わせる機会が減る可能性も 2.部分共用型 玄関や浴室など一部を共用し、他の空間は分けて生活するスタイル。独立性と共有のバランスを図れます。 メリット デメリット ・程よい距離感を保てる ・完全分離よりコストを抑えやすい ・階を分けるなどの工夫で生活リズムの違いにも対応しやすい ・共用部分ではプライバシーの配慮が必要 ・光熱費などの費用分担が曖昧になりがち 3. 完全同居型 玄関・キッチン・リビングなど、すべてを共用するスタイル。寝室のみを分けることが多いです。 メリット デメリット ・生活に必要な設備が1セットで済むため費用を抑えられる ・介護や育児で協力しやすい ・一世帯になっても違和感なく暮らせる ・プライバシーがほぼない ・生活リズムの違いによるストレスが出やすい ・お互いの夫婦喧嘩が筒抜け ・音やにおいの干渉に配慮が必要 間取りで失敗しない3つのポイント 実際の設計では、和室と洋室をうまく使い分けたり、1階を親世帯、2階を子世帯にしたりする工夫が効果的です。部分共用型では、玄関だけを共用し、水回りやLDKを別にすることで快適性が向上。音やにおいの干渉も抑えられます。間取りの工夫で快適な二世帯生活を実現しましょう。 1.プライバシーを守る設計 家族といえども、プライベートな空間は必要です。遮音性のある壁や、親世帯の寝室と、子世帯の寝室、さらに、水回りを遠ざける配置でストレスを軽減できます。 2.ライフスタイルの理解と調整 世帯ごとの生活リズムや趣味の違いをあらかじめ把握しておくことが大切。例えば、親世帯が早寝早起きで、子世帯が夜型の場合は、上下階で空間を分けるのがおすすめです。 3.家事・費用のルールを明確に 光熱費や日々の家事を分担する場合は、「共通口座を作る」「費目別に分担する」などのルールを事前に決めておくことで、トラブルの防止につながります。 迷った場合の解決策!いったいどのタイプの二世帯住宅が合うのか 二世帯住宅は「誰と」「どう暮らしたいか」が明確になるほど、快適で心地よい住まいになります。完全分離・部分共有・完全同居も、メリットデメリットはそれぞれ。迷った場合のおすすめは、一度どちらかの家で、完全同居して暮らしてみること。少なくとも1ヶ月。できれば3ヵ月。たまに顔を合わせる程度だと見えない…お互いの生活が見えてきます。将来を見据えた安心の暮らしのために、自分たちに合ったスタイルを見つけてください。 まとめ:二世帯住宅は“暮らし方”に合わせた選択を 二世帯住宅は、子育てや介護といったライフステージの課題に対して、心強いサポートを得られる住まい方です。しかし、親子とはいえ生活リズムや価値観の違いは避けられないもの。だからこそ「どんな距離感で暮らしたいのか」を家族でしっかり話し合い、それに合った住宅の「型」と「間取り」を選ぶことが何より大切です。 完全分離型:生活スタイルが異なる世帯に◎ → それぞれが独立して暮らせるから、プライバシーも安心 部分共用型:程よい距離感とコストのバランスを求める家庭に◎ → 一部を共有しながら、個々の空間も確保できる 完全同居型:協力しながらの子育て・介護を重視する家庭に◎ → 一緒に支え合う安心感があり、家族のつながりも深まる 家族みんなが笑顔で過ごせる住まいづくりを、今こそ一緒に考えてみましょう。 ライター 内藤美由紀