特集・コラム一覧
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2025/06/12
60代からの家づくりの最適解とは?後悔しない家づくりの秘訣と間取りの工夫
「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」を取り入れた、安心・快適な暮らし 60代からの家づくりを考える方が増えています。自然豊かな地方への移住、子世帯との同居を見据えた二世帯住宅、退職金を活用した“最後の家”づくりなど、目的は人それぞれ。たとえば、子どもの独立を機に、60代のご夫婦が2階建てから平屋へ建て替えるケースも見られます。子育てを終えたこの時期は、これからの暮らしを安心・快適に過ごすために、新築やリフォームを検討するよいタイミングです。同時に、年齢とともに現れる身体の変化に備え、「使いやすさ」と「安心」を両立した住まいづくりが求められます。 60代で新築を選ぶ方は、コンパクトな間取りや平屋住宅など、安全性と暮らしやすさを重視する傾向にあります。ただし、住宅ローンの条件が厳しくなることや、将来の介護に備えた設計として、バリアフリーやユニバーサルデザインを取り入れるなど、先を見据えた工夫が欠かせません。 今回は、「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」の違いを踏まえながら、60代からの家づくりに役立つ間取りや設計のポイントを考察していきます。 ・「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」ってどう違うの? 「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」は、どちらも暮らしやすさを追求する考え方ですが、実は似て非なるものです。それぞれの違いを正しく理解することで、60代からの住まいづくりに最適な設計が見えてきます。 ・バリアフリーとは、困っている人のために“障壁”を取り除く 高齢者や障がい者の生活に支障が出ないよう配慮して、段差や狭さ、使いにくさといった物理的な負担を減らすことを目的とした考え方。 (例)玄関のスロープ設置、浴室の段差解消、トイレへの手すり設置など。 ・ユニバーサルデザインとは、すべての人に“やさしい空間”をつくる 年齢・性別・国籍・身体の状態に関係なく、「誰にとっても使いやすい」ことを目指す設計思想。 (例)レバー式のドアノブ、音声案内つきのエレベーター、操作しやすい自動水栓など。 どちらも欠かせない考え方であり、60代からの家づくりではその両立が理想的です。 60代からの家づくりにおける意識したい8つのポイント 介助・介護に配慮した暮らしやすい間取り 設計の工夫一つで、毎日の暮らしやすさが大きく変わります。安心・快適な住まいをつくるには、介助や介護が必要になる可能性も踏まえた設計がマストです。以下のポイントを意識することで、家族全員が、暮らしやすく、長く安心して住める空間が整います。 ①廊下は広めに確保 ・理想は幅120cm以上。最低でも90cmを確保。 ・車椅子や歩行器を利用することを想定して、余裕のある設計を。 ②段差を解消 ・転倒リスクを減らすため、玄関・浴室・トイレなどはフラットな設計に。 ・家具の配置は通りやすさを考慮し、すっきりとした空間をキープしましょう。 ③トイレ・浴室に介助スペースを ・トイレは1.2m×1.5m以上の広さが理想。(介助者が同時に入れる広さと、車椅子の回転スペースを確保するため) ・手すりの設置や、便座の高さ調整(約40〜45cm)も大切。 ・浴室はまたぎやすい浴槽、滑り止め加工、手すり設置などで安全性を確保。 ④キッチンの工夫 ・立っても座っても作業しやすい高さのカウンター。 ・少ない力でスムーズに開閉できる引き出しや収納、効率の良い動線で体への負担を軽減。 ・家族とのコミュニケーションを取りやすい対面式のキッチン。 ⑤収納は“取りやすい高さ”に ・無理な動作を避けるため、手が届きやすい腰〜目線の高さに収納をまとめて、取り出しやすさを重視。 ・可動棚なら、暮らしの変化にもフィットしやすく便利です。 ⑥ 生活動線のシンプル化 ・移動が楽になるよう、寝室・水まわり・リビングを近くにまとめる。 ⑦ドアは引き戸にする ・場所を取らずに開閉できるため、介助の際も邪魔になりません。 ⑧明るく均一な照明で、影を減らす工夫が大切 ・部屋全体が明るい照明で、視認性と安全性を高めます。 新築?それともリフォーム?選び方のポイント 新築では、「退職金を活用した最後の家づくり」として、段差のないフラットな間取りや平屋、二世帯住宅など、選ばれることが多くなっています。一方でリフォームは、今の住まいを生かしながら段差をなくしたり手すりを設置したりと、安全性を高めるバリアフリー化が大きな魅力です。 ・新築の場合 新築は最初から自由に設計できるため、バリアフリーやユニバーサルデザインを存分に取り入れられ、将来を見据えた安心の住まいづくりが可能です。 ・リフォームの場合 既存の構造を生かしつつ、段差解消や手すりの設置、引き戸への変更など、必要な部分から順に改善していくのがポイントです。予算に応じて優先順位を決め、無理なく進めましょう。 まとめ:「今の快適さ」と「将来の安心」を両立する家 60代からの家づくりは、今の暮らしを大事にしながら、将来の安心にも備えておくことが非常に重要です。「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」を取り入れることで、誰もが快適に、そして安心して長く暮らせる住まいが実現します。 間取りの工夫次第で、暮らしの快適性は飛躍的に向上します。 将来への備えとして、今の暮らしをより快適にする住まいづくりを考えてみましょう。 人生の新たなステージに向けた「60代からの家づくり」が、 これからの暮らしに明かりを灯し、心豊かな日々をもたらしますように。 ライター 内藤美由紀
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2025/06/10
奈良の工務店が手がける“無垢の木の家”6選|編集部が魅力を調査!
無垢の木の家ってどんなもの? そもそも、無垢材とは。 自然の木をそのまま切り出し、木が持つ本来の風合いを生かした加工をしていない木材です。 ひとつひとつ木目や色合いが異なる無垢材を用いた家は、年月が経つほどに味わいが増し、家族の成長とともに変化していくのも魅力のひとつです。 無垢材の魅力。 天然の木そのものである無垢材は、手触りが優しくあたたかみを感じることができます。木には多くの空気が入る隙間空間があり、これにより空気を多く含んでいるので熱伝導を抑え冬は冷たくなりすぎず、夏はさらっと心地よく感じます。また「吸放湿作用」に優れていて、室内の湿度を快適な範囲に保ち、夏はさらっと涼しく、冬は乾燥しすぎない心地よい空間を実現します。 また、木材が放つ自然の香りにはリラックス効果があり、ストレス軽減や睡眠の質向上が期待できる点も魅力です。 100年暮らすことができる木の家。 木の家は、適切なお手入れと設計次第で、100年以上にわたり快適に暮らせる住まいを実現できます。実際、古民家や寺院といった100年以上前に建築された木造建物が、現在も多く残っているのがその証拠です。 住宅の耐久性を評価する基準である、「劣化対策等級3」を選ぶことで構造躯体の頑丈さを備え、3世代以上にわたって維持することが可能となります。 また、「長期優良住宅」の基準を満たす家は、点検や修繕が容易に行える設計が特徴で、長期間安心して住み続けられる工夫が施されています。さらに、省エネ性能や快適性も考慮されており、暮らしやすさが長期間にわたり持続します。 そこに、耐震等級3を取得することで、地震への強い耐性を持たせることができ、安全性がさらに高まります。 こうした基準を満たした無垢材の家は、適切に手をかけるほどその魅力を増し、家族の暮らしや思い出を優しく包みながら成長し続けます。 世代を超えて愛される無垢材の家は、単なる建物という存在以上に、人々の暮らしに温かみと特別な価値をもたらしてくれるでしょう。 新築・リノベ対象の助成金!奈良県産材を使用した住宅助成事業を活用しよう 奈良県では、県産材の利用拡大を図るため、県産材を使用した住宅の新築・増築・改築・リフォーム・リノベーションに対して助成制度があります(2025年6月3日現在)。丈夫で美しい奈良の木を、住まいに取り入れてみませんか。詳しくは奈良県のホームページをご覧ください。 ★奈良県「県産材を使用した住宅助成事業」 https://www.pref.nara.jp/27797.htm また木材産業が盛んな桜井市では、桜井市内で製材された木材を一定量以上使用し、所定の基準を満たす人に対して最大で25万円分の奨励金(市内共通商品券)を交付する制度が実施されています。 ★桜井市「桜井市内製材木等利用促進事業奨励金制度について」 https://www.city.sakurai.lg.jp/sosiki/machidukuribu/syoukoushinkouka/sinaiseizaimoku/1496908782707.html 自然素材の温もりを暮らしに|奈良の無垢の木の家施工例 【 株式会社 家族の森 】 代表取締役 小西 真紀さん 「今の住まいへの不満を全て解消した家を建てたい」というお施主様の強い想いに応えるべくプランニングしました。吉野の木材をはじめとする自然素材をふんだんに用いるのはもちろんのこと、機能性にもこだわり、G2グレードの断熱性能と全館空調システムを組み合わせて、エアコン一台でも年中快適に過ごせるエコな空間を実現しました。 10年越しの夢をカタチに。自然素材で造る快適な住まい。 10年前に購入した新築住宅の住み心地に満足できなかったため、「夏は涼しく、冬は暖かい家に住みたい」と建て替えを決意されたお施主様。性能にも、自然素材にも徹底的にこだわりたい――そんな思いを叶えたのが、自然素材をふんだんに使いつつ高い性能を兼ね備えた家づくりに定評のある『株式会社家族の森』でした。 構造材を含め、住まいのすべての木材に最高級の吉野杉・桧を使用。美しい木目、柔らかく温かみのある質感に加え、高い防虫・調湿性を生かした空間は快適なものに。自然素材の珪藻土を壁に採用することで、さらに室内の空気を優しく整えました。 快適性をより高めているのが、高気密・高断熱に加え、遮熱性能を兼ね備えた特許工法「ウレタン遮熱工法」です。エアコン1台で家全体の室温を一定に保つ全館空調システムを導入することで四季を通じて快適な住環境を維持します。また、完全自由設計だからこそ、お施主様のこだわりが実現。大きく開放的なLDKの吹き抜け、一緒に暮らす愛猫たちのためのキャットスペース&ペットドア、周囲の景観との調和を意識した間取り計画――住まいの随所に、お施主様のこだわりが息づいています。丁寧なヒアリングで住まい手の想いを盛り込んだプランニングも同社の得意とするところ。 この住まいづくりを手掛けた『家族の森』について、詳しくはこちら。 【 株式会社スペースマイン 】 代表取締役会長 矢島 美和子さん 「地元・奈良の木を使って、奈良の風土に合う住まいをつくる」ことをコンセプトに、平屋とは思えない天井高、一見無駄に思える広い廊下など、暮らしにゆとりが生まれる住まいが完成しました。廊下の杉板は、一度すべて並べてから、色のバランスを見て施工。杉の赤身と白太が混在する源平は、経年変化で互いに色が寄り添い、美しさが増す楽しみがあります。 奈良県産「杉トラス」を使用した地震に強い、本物の健康住宅。 「健康に暮らせる家を建てたい」——そんな想いに応えるのが、奈良県を拠点に活動する『株式会社スペースマイン』です。奈良県産材や十津川村の木を構造体から仕上げ材まで使用し、化学物質ゼロの“本物の健康住宅”を提供。住む人の心と体に優しい住まいを実現しています。 他社の新築の見学へ行った時に体調を崩した経験があり、「家を建てるなら健康住宅」と強く思うようになったお施主様。そんな折、知人の紹介で『スペースマイン』と出会い、こだわりの家づくりがスタートしました。 この住まいの大きな特長は、廊下空間の美しい現梁としても印象的な 奈良県産の杉トラス。トラス工法とは、柱の本数を減らしながら広く開放的な空間を作る建築技術です。通常の木造住宅では、壁や天井を支えるために約4mごとに柱が必要ですが、トラス工法では三角形の骨組み(トラス)を組み合わせることで、少ない柱でも強度を保てます。 これにより、開放的な間取りが可能になり、スケルトンインフィルの空間を実現。スケルトンインフィルとは、住宅の構造(スケルトン)と内部の間取り(インフィル)を分けて設計する考え方。丈夫な構造をしっかり確保しながらも、内装や間取りの変更がしやすいため、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できるのが魅力です。 この住まいづくりを手掛けた『株式会社スペースマイン』について、詳しくはこちら。 【 建築工房 和なごみ -nagomi- by 株式会社 和なごみ 】 一級建築士 熊谷 三枝子さん 新居に取り入れたいことが明確だったH様は、住みたい家のコンセプトや吊戸棚の高さまで丁寧にまとめたご要望を最初に提出してくださいました。ご出産後の大変な時期もZOOMで打ち合わせに参加されるなど、妥協のない家づくりへの姿勢には頭の下がる思いです。 一年中素足で過ごしたくなる柔らかい肌触りが魅力的な杉の床。 土地探しから家づくりまで一貫してサポートしてくれる工務店を探していたお施主様。そんな折、無垢の木や漆喰を使った住まいづくりを得意とする『建築工房 和』の存在を知り、相談に訪れたことから始まった家づくり。登山やキャンプを楽しむお二人にとって、葛城山を望む土地と出会えたことから、住まいの構想がとんとんと進んでいきました。 「どんな家に住みたいかを家族でじっくり話し合い、間取りや設備、収納の細かい寸法までまとめて設計士さんに伝えました」と話すお施主様。キャットウォークやミーレの食洗機を組み込んだⅡ型キッチン、漆喰壁の仕上げ、玄関から水回りへの動線、船底天井の小上がりなど、随所にお施主様のこだわりが込められています。さらに、杉の無垢材を使用した床材は、一年中素足で過ごしたくなるほどの柔らかい肌触りで、日々の暮らしに温もりをもたらします。どの部分について尋ねても、家づくりに込めた思いや決定までの経緯が語られる、まさに「後悔しない家づくり」を体現しているかのようです。 この住まいづくりを手掛けた『建築工房 和なごみ -nagomi- by 株式会社 和なごみ』について、詳しくはこちら。 【 輪和建設株式会社 一級建築士事務所 】 専務 中西 春代さん 以前、増築工事をさせていただいたお施主様のご縁で、今回、息子さんの新築工事もさせていただく事になりました。 緑豊かな立地条件とお施主様の生活スタイルが確立していることも相まって、風景に溶け込んだセンス溢れる住まいが完成しました。 周囲の景色も取り込む大開口の大空間。大自然と、自然素材に包まれた住まい。 のどかな自然環境に溶け込む邸宅。整えられた庭の美しさが、住まいの魅力をさらに引き立てています。造園業を営むお施主様自ら庭園を手がけられました。仕事柄家づくりにも多く関わることもあり、以前から『輪和建設』とも繋がりがありました。同社が建てる家の魅力を十分理解していたこともあり、安心して施工を任せられたそうです。重厚な玄関扉を開ければ、杉の香りが優しく出迎えてくれます。フローリングには、あえて節入りの無垢材を使用。ありのままの天然木の表情を、暮らしの中で楽しめます。 吹き抜けのあるLDKは、大開口の窓からたっぷりと自然光が差し込み、開放感あふれる空間に。お施主様のこだわりが詰まった多目的室には、迫力ある音響を楽しめる高出力スピーカーと、古民家から移された大きな梁が印象的に配置されています。勾配天井が広がりを演出し、空間に豊かな奥行きをもたらしています。ここで音楽を聴くひとときは、格別な時間なのだそう。 暮らしの動線も、ご夫婦の暮らしやすさを考え、L字型のキッチンを中心に設計。幼い頃から「住まい」に興味を持ち、間取り図を分析し、自分なりの理想の家を考えていたというその思いを形にするため、『輪和建設』との縁を活かし、こだわりを詰め込んだ住まいを実現しました。 この住まいづくりを手掛けた『輪和建設株式会社 一級建築士事務所』について、詳しくはこちら。 【 株式会社 北条工務店 一級建築士事務所 】 設計・一級建築士 岸野 由美子さん もともと、ご実家の敷地内にあった店舗を、これからの暮らしを考えて平屋の住まいへと建て替えました。お施主様の理想をじっくりとお聞きし、“暮らしやすさ”と“心地よさ”を両立する間取りをご提案しました。収納スペースを各所に設けることで、整理整頓がしやすく、すっきりとした空間に。そして、新しい住まいの中にも昔からの思い出をしっかりと残しながら、憧れの照明や家具を取り入れています。 住まい手の想いを丁寧に紡ぎ趣深く端正に仕上げた和モダンの住まい。 『北条工務店』をお施主様が知ったきっかけは、同社主催のイベント『HJ MARCHÉ』でした。初めて事務所を訪れた時には、洗練された空間や家具に驚き、その直感から今回の住まいづくりも同社に相談することに。 お住まいは、ご実家の敷地内にあった店舗を建て替えたもの。これまで過ごしてきた思い出の場所だからこそ、外観の形状には以前の面影を少し残し、使われていた建材の一部も新しい住まいに受け継いでいます。 間取りは、「自分もゲストも落ち着ける場所を多くしてほしい」というお施主様の想いに応えながら、暮らしやすさをしっかりと追求し設計。玄関ホール側に水まわりをまとめることで、家事動線をスムーズにし、奥にあるLDKは間仕切りなくつながりつつも、パントリーを介してLDKが回遊できるよう工夫しました。落ち着いて過ごせる心地よいオープン過ぎない住空間に設計しました。 室内の装いは、木目となじむアースカラーでまとめ、リビングとダイニングには内障子、畳敷きのヌックを設けるなど、素材の温かみを活かした美しい和モダンな雰囲気に仕上げました。 この住まいづくりを手掛けた『株式会社 北条工務店 一級建築士事務所』について、詳しくはこちら。 【 HAUSQA by 株式会社 平和技建 】 代表取締役社長 平 雅門さん お施主様ご家族が安心して快適に暮らせる住まいを目指し、耐震・断熱・気密の性能を徹底的に高めました。特に断熱性ではHEAT20のG3に迫る数値を記録し、四季を通じて健やかな室内環境を実現しています。また、太陽や風といった自然の力を活かすパッシブデザインも取り入れ、心地よさと省エネを両立しました。日々の暮らしの質を高める住まいになったと感じています。 暮らし心地を高めてくれる高断熱・高気密の家 『平和技建』が手がける「HAUSQA(ハウスカ)」では、厳格な性能基準を設定し、年々品質を磨き上げています。例えば、耐震性能は許容応力度計算を用いて設計し、耐震等級3を取得できる構造を採用。大切な家族を守る安心の住まいを実現しました。さらに、断熱性能はHEAT20のG2グレード以上を目指し、具体例としてこの邸宅では焼杉の外壁や、断熱性能トップクラスのネオマフォーム、高性能樹脂サッシなどを採用。その結果、G3グレードに限りなく近い数値を記録しました。 熱交換しながらの換気システムを導入し、ムラのない空気の流れを確保。隙間の少ない高気密な空間設計で、一定の温度に安定した健やかな空気を維持し、一年中快適に過ごすことができる高性能なZEH住宅をかなえました。さらに、太陽や風を活かすパッシブデザインを採用。季節ごとに光の入り方を計算し、軒の長さや日射取得率の高いペアガラスを選定。心地よい室内環境と爽やかな景色を楽しめる住まいになっています。同社は住む人の立場に寄り添った家づくりを徹底し、その満足度の高さに定評があります。 この住まいづくりを手掛けた『HAUSQA by 株式会社 平和技建』について、詳しくはこちら。 INFORMATION 雑誌『無垢の木の家に住む。』 「無垢の木の家に住む。」は、奈良の工務店が手掛けた 20邸の無垢の木の家 を、美しい写真と間取り図で紹介する一冊。木の温もりと質感を存分に味わいながら、心地よい暮らしを叶えるためのヒントが詰まっています。 木に宿る、心地よい暮らしをあなたへ。 天然木の魅力を深く知り、住まいの選択肢を広げるための必読書。奈良県内の書店やオンラインで好評発売中!詳しくはこちら。
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2025/06/02
2025年版、奈良の工務店モデルハウスへ行こう
県内各所にある住宅会社のモデルハウスや展示場。 家づくりを考えている人なら、必ず行って欲しい場所です。 そこで、編集部がよくある不安や疑問を解決します! 絶対予約が必要なの?? 突然モデルハウスに訪問しても、担当者が工事現場や打ち合わせに行って不在の場合があります。また住宅会社によっては、営業事務所からモデルハウスの場所が離れているため、随時人が居ないという場合も。予約の要・不要は会社により異なりますので、必ず事前に確認しましょう。 家を買わないといけないの?? 一度訪問したその場で契約をする人は、ほぼいてません !! 契約をする人は、すでに心に決めていた人です。会社担当者の人たちも、モデルハウスに来てくれた人へ強引に売りつけるようなことはしません。まずはお客さん側も企業側も、お互いを知ることがメインになります。 一度行ったら、しつこく営業されない?? 毎日電話がかかってきたり、時には家まで訪ねて来られたり、それはとっても困りますよね。その経験はもしかすると、ご自身の返答に問題があったのかも?電話を不在着信のまま置いておいたり、「考えますね」と言ったまま返答をしていなかったりしませんか?しっかり断る、もしくは「必要時はこちらからかけます」と、きっちり答えを伝えましょう。 モデルハウスで、ずっとピッタリ付いてこられるのはプレッシャーなんだけど? これは、安全の確保や小さな疑問にも答えられるようにという担当者の気配りです。初めて訪問するモデルハウスの中では、気になる素材や素敵な空間に見とれてしまうことも。そして気が付かない段差があってビックリ!!ということも多々あります。担当者の人とお話しながら見て回るのがベストです。 実際、何を見たら良いの??? まずは、実物を見て雰囲気を感じること。天井高や大空間、家事動線など言葉ではよく聞くけれど、スケールや動線は実際に体感してこそわかるもの。また窓や照明の位置には、どういった工夫がされているのか。経年により素材はどのように変化しているのか。そして、その会社にはどんな人が働いているのか、一緒に家づくりができそうかどうかも。しっかり確認してみましょう。おおよその価格帯の確認もお忘れなく。 【行ってみよう!】奈良県内優良企業のモデルハウス7選 各企業がどういった家を手掛けるのか、雰囲気や心地よさなどがよくわかるモデルハウスが県内各所にあります。 【マルマインハウス 株式会社マルヤマ】奈良市:富雄北の家 【吉川住研】奈良市:ならやまモデルハウス 【スペースマイン】大和郡山市:四季の家 【マイ工務店】天理市:HYGGE STYLE(ヒュッゲ スタイル) 【リビングデザイン】天理市:リビングデザイン モデルハウス 【サイエンスホーム 奈良店 株式会社カーペンターズハウス】斑鳩町:ナチュラルカントリーの家 【奈良規松緑化】生駒市:エクステリアパークコンパス生駒店
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2025/06/02
【住宅編集部が答える!】注文住宅で知りたいこと 12選!!
奈良すまい図鑑編集部が取材でよく聞くエピソードや、運営する『住宅会社紹介カウンター ナラタテ』でお受けする質問をピックアップしてお答えします。不安や疑問を解消して注文住宅がますます楽しみになりますように。 1.新築における防犯対策は、どんなことができますか? ヨシダデザイン工房 空き巣の侵入方法は、窓からが圧倒的に多く、次に玄関などのドアからのようです。空き巣の大半は侵入に5分以上かかると犯行をあきらめるといわれているので、開口部の対策を強化するといいでしょう。1階部分の窓には防犯ガラスやシャッターを設置することでたやすく侵入することを妨げます。玄関などのドアにはディンプルキーの導入がおすすめです。ディンプルキーは、通常のシリンダーキーよりピッキングが難しいため侵入を妨げます。センサーライトや防犯カメラの設置も有効です。また、敷地内が見えなくなるような高い塀や生け垣は、隠れやすく空き巣に好まれる条件が整ってしまいますので、オープン外構にするのもおすすめです。プライバシーの確保も両立するには、植栽やフェンスの建て方を工夫するのもいいでしょう。 2.造作家具ってよく聞くけど、どんなものですか? スペースマイン 「造作家具」とは、間取りやスペースの広さ、収納したいもの・置きたいものに合わせて、工務店や設計事務所が一から設計・製作・施工を行う家具のことです。完全オーダーメードで、基本的に床・壁・天井などに固定します。造作家具の最大の魅力は、自由度の高さです。既存の家具や設備を置くのではなく、空間やテイストに合わせてリビングの一角にテレビボードを備え付けたり、大きなものになれば、キッチンや洗面スペースに生活スタイルに合わせた棚を作ったり、統一感がある使い勝手のいい空間を作ることができます。 3.家事をしながら子どもを見守れるキッチンにしたい。 一級建築士事務所 リビングデザイン 子どもたちが遊ぶことのできる空間をリビングやダイニングに設けてはいかがでしょうか。遊び場や勉強スペースがLDKにあると、家事をしながら子どもの様子を見ることができます。キッチンで作業している親に対して、話しかけにくいと子どもは感じる場合もあるため、オープンタイプのキッチンにするだけでコミュニケーションのハードルを下げることができます。対面や回遊性のあるカウンターキッチンを設け、料理をしながら子どもと話をしたり、子どもが大きくなってくれば手伝ってもらったりしすいレイアウトもおすすめです。LDKの中心の家事動線をコンパクトにすることで、子どもを見守りながらもゆったり、家族でくつろげる空間になるよう考え るのがポイントです。 4.子どもがまだ小さいので、先に子ども部屋を作るか悩んでいます。いい方法はありますか? 建築工房 和-nagomi- 今すぐ必要だと感じなければ変動性のある間取りを考えてみてはいかがでしょうか。子ども用のフリースペースや間仕切りのない小上がりを作り、子育て中はキッズスペースとして、成長したら客間にするなど別の用途に転用できます。個室を作るのであれば、あとから壁を設ける工事は難しくないので、まずは大きな部屋を設けておき、子どもの成長にあわせて仕切って使えるように可変性のある間取 りにするのもおすすめです。子どもが小さいうちは家族の寝室として使うこともできます。 5.家事をしやすい間取りにしたいけど、どうしたらいいかわかりません。 北条工務店 料理や洗濯、掃除など、家事のために移動する経路を「家事動線」といいます。家事をしやすくするには、この「家事動線」をコンパクトにまとめるといいでしょう。特に水回りの動線を集約し、効率的にすることで家事ストレスが軽減されます。洗面所からキッチン、リビングへの移動が一方通行ではなく、ぐるぐると回ることができる「回遊動線」にすることで行き止まりなく家事を行うことができます。また、アイロンや掃除機など、それぞれ使う場所に収納するのもひとつです。生活スタイルを考えてみて、家族の動きなどを把握することで、何がどこに必要なのかが見えてきます。 6.ハウスメーカーと工務店、設計事務所の違いを知りたいです。 ハウスメーカーって? ハウスメーカーには明確な定義があるわけではありませんが、あえて工務店や設計事務所と区別するとすれば、自社工場を持ち、規格化された一定の品質の建材や設備を大量生産することでコストを抑え、全国規模に住宅の提供を展開している会社と言えます。 仕様が統一されているので、商品の供給も安定しており、ハウスメーカーが価格やテイスト・仕様別に基本プランを作成し、その中から選ぶことができます。規格外の要望があれば、特注としてオーダーもできます。ただ特注扱いなので、コストは高くなる傾向にあります。 工務店って? 工務店の多くは地域に密着しており、土地に精通していることが多いため、建てたい土地の特長を生かした建築を得意とします。設計から施工まで建物工事の全部を請け負い、自由度の高い設計を手掛けることが大きな特長です。規格に沿ったプランを提供するハウスメーカーでは対応できない狭小地や変形地の建築にも対応できます。 工務店によって得意とする設計やデザイン、特色がありますので自分のイメージに合った工務店を探すことでオリジナリティーのある家づくりが可能になります。 設計事務所って? 設計事務所は、その名前の通りお客様の望む間取りや内観、外観をヒアリングで丁寧に拾い上げ、細部にわたり一から「理想の住まい」を設計し作り上げる会社です。設計士が在籍しており、敷地の形状や周囲の環境も踏まえ、独自性の高い唯一無二の設計プランの実現が可能となります。 主な仕事は、工務とは独立してかなえたいデザインを形にする設計です。工務店と提携している設計事務所であれば、設計完成後にそのまま設計事務所から信頼する工務店に工事依頼してくれますので、設計から完成までワンストップで行えます。 土地の形状や地盤、希望している要望に即して構造体を選ぶことができるのも魅力のひとつです。 家づくりで最も重要なことは「家づくりのパートナーをどこに決めるか」です。どんな家に住みたいか、生活スタイルなどを考え住まいのイメージを一緒にかなえてくれる住宅会社を選んでください。 7.信頼できる会社かどうかは、どう判断したらいいですか? 住宅会社紹介カウンター ナラタテ 一番いいのは、実際に工務店や住宅会社へ行って、これまでどんな家を建ててきたのか、どんなスタッフが働いているのか、よく見聞きし雰囲気を知ることです。 でも、「いきなり行くのはちょっと」という場合はそれぞれの会社が行っているイベントや見学会、注文住宅を建てた方の住まいを見ることができるOB訪問などをきっかけに、実際の施工例を巡りながら、いろんな会社と接点を持つことをおすすめします。予算も土地もなにも決まっていないし、漠然としたイメージだけしか今はないという方でもイベントなら、気軽に参加OKな雰囲気です。 それでも住宅会社に迷っていたり、家づくりに対する不安が募ったりしたときは、住宅相談窓口を利用するのもおすすめです!第三者の立場からお客様の要望を整理し、家づくりのステップを進めるための相談ができます。 8.収納力のある玄関にしたいけど、すっきりも見せたい。 マイ工務店 来客用と普段家族が使う玄関を分けたファミリー玄関というスタイルがあります。散らかりやすい玄関を分けることで、来客時に慌てることがなくなります。 扉付きのシューズクロークを設置すると、収納が丸見えになることなくすっきりとした空間を保つことができます。その扉に鏡をつけることで、身だしなみのチェックができる+空間が広く見えるという効果も! 土間収納を設けると、アウトドア用品やスーツケース、三輪車など外からそのまま収納することができます。それぞれ収納量・レイアウト・動線などが大きく異なるため、玄関の間取りや生活スタイルを考え住宅会社と相談し選ぶことが大切です。 9.毎日使うキッチンの手入れを楽にしたい!おすすめの設備はありますか? キッチンを選ぶときは、メーカーとグレードをチェックしましょう。多くのメーカーは、だいたい3種類のグレードを展開していて、それぞれデザインや対応しているオプションが違います。本当に必要な設備をしっかり想定して自分に合ったキッチンを選ぶことが大切です。今回編集部がご紹介するのはLIXILの「リシェル」です。LIXILのキッチンは、使いやすさとデザインの良さが調和しており、価格も手頃でバランスの取れたキッチンとして定評があります。「リシェル」の魅力は多種多彩。ワークトップ(天板)は、熱や傷に強く、デザイン性も高いセラミックで作られ、熱いままのフライパンを置いても変色・変形しません。また、吸水性がないため、汚れが染み込むことなく簡単に拭きとることができて、お手入れ楽々です。 汚れがスムーズに流れる「スキットシンク」は、シンク奥に段差が設けられていて、素早く水が流れていくよう設計されています。それにより汚れの広がりが抑えられ洗い物あとのシンク掃除が簡単に! 2段のレーンを活用してさざまな作業が手際よく行える「Wサポートシンク」はシンク内にレールがあり、スライド式のプレートを引き出せて、ワークトップを汚しやすい揚げ物の下ごしらえや肉・魚のカットなどをシンク内で行うことが可能。また洗い物の水切りなど作業に応じてシンク内のスペースを活用できて、調理も片付けもWでサポートしてくれます。 株式会社 LIXIL LIXILのキッチンは収納力も魅力のひとつ。「リシェル」ではテコの原理で、引き出しを開ける力を約30%軽減したという「らくパッ収納」でさらに使いやすさがアップ!立体構造で無駄なく収納スペースが活用できるようになっています。 10.毎日子どもと一緒に入るバスタイムの充実と、機能性もデザイン性も欲張りたい! お風呂は一日の疲れを癒したり、家族とのコミュニケーションを育む場であったり、大切な空間です。ご自身のライフスタイルに 合ったお風呂を設置することで、満足度の高いバスタイムを毎日過ごすことができます。 編集部がご紹介するパナソニックの「オフローラ」は、「シンプルって、自由」がコンセプトのシステムバス。当たり前にあったカウンターや棚をなくすことですっきりとしたデザインと、お手入れのしやすさが実現されています。洗い場のスペースが広々と使えて、子ども達とのびのびお風呂タイムが過ごせます。 Panasonic 天井に埋め込まれ凸凹のない「フラットライン照明」、表面が硬くなめらかで拭くだけで綺麗な状態を保つことができる「スゴピカ浴槽」、水垢が付きにくい新素材で作られた「スゴピカ水栓」、床はスミが少し立ち上がってコーナー部に目地がなく、スミまでラクに拭くことができる「スゴピカフロア」が標準仕様の「オフローラ」は、浴室まるごとお手入れしやすくなっています。壁パネルも選べる幅が広く、デザイン性も高い空間を演出できます。そこに自分好みのアイテムをプラスすることで、ご自身のライフスタイルに合わせてお風呂を組み立てていくことができるのも大きな魅力。 オプションでつけられる「酸素美泡湯」は、酵素を含んだミクロ泡がお湯を白く柔らかくし、湯冷めしにくく体を芯から温めてくれます。モイスチャー効果もあり、肌のうるおいが保たれしっとり感が長続き。バスタイムをどう過ごしたいかを考えて、選ぶのは楽しいですね。 11.雑誌で室内窓をみて、素敵だったので作ってみたいです!室内窓にはどんな効果がありますか? 𠮷川住研 室内窓は、見た目がおしゃれなだけではなく、立地条件や間取りによって、窓の取れない部屋や奥まった部屋であっても、室内窓で日当たりのいい部屋とつなげて明るさを採り、風の抜けも確保できます。 また、室内窓を設けることで空間のつながりが緩やかになり、別々の場所にいながら家族を近くに感じることができます。 12.大きなダイニングテーブルを置いて、リビングを作らない間取りは可能ですか? 輪和建設株式会社 もちろんできます!最近ではダイニングとリビングが一体化した、リビングを設けない間取りを選ぶ人も増えているようです。 リビングを作らないことで、空間に余裕をもってダイニングを作るということもできますし、間取りの選択肢も増えます。ダイニン グを中心に家族と過ごす空間を考え、食事をしたりくつろいだり、家族団らんの場として大きなダイニングテーブルを配置するのは素 敵ですね!キッチンカウンターとダイニングテーブルをつなげて配置すると、配膳や後片付けなどの家事動線も楽になります。 まとめ>> いかがでしたでしょうか? 家づくりで大切なことは、「思い描いている暮らしのイメージや、かなえたい生活スタイルを作り手に伝えること」。 人生を過ごす住まいについて、家族や住宅会社、相談カウンターなどで思う存分話してください!そして、マイホーム実現への過程を楽しむことも重要です! 「奈良すまい図鑑WEB」では、県内の優良住宅会社が掲載されています。是非、ご自身のこだわりを見つけて、どの住宅会社が自分に合っているか検索してみてください!
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2025/06/02
【キッチンの基本2】生活に合ったキッチンを見つける
毎日使うキッチンは、調理中も片付け中も、ストレスなく使いやすい場所が求められます。 だからこそ、キッチン選びの基本は、生活に合ったキッチンを見つけることです。 そのためには、ご家族の生活に合ったキッチンのスタイルをセレクトすることが必要になります。 【1】キッチンの向き、対面or非対面 敷地の大きさや間取りによって可能不可能はありますが、キッチンをどのように配置するかは、まずダイニングやリビングと向き合わせて配置され、お料理中も家族の様子が確認できる「対面」か、向き合わず調理に集中できる「非対面」の2パターンに分かれます。さらに、それぞれキッチンが壁に沿っているかどうかで、また2つに分かれます。 a、対面:アイランド(孤島) b、対面:ペニンシュラ(半島) c、非対面:壁付 d、非対面:独立(個室) それぞれメリットがありますので、詳しく見ていきましょう! a、対面:アイランド(孤島) アイランドキッチンは「孤島」のようにキッチンが配置され、左右どちらからでも入れるようになっています。 そのため、ある程度ゆったりとした面積が確保できないと、配置できないキッチンでもあります。 回遊動線がもてるので、複数人で一緒に料理がしやすいのが特長。 b、対面:ペニンシュラ(半島) 注文住宅・リフォーム問わずに、取材をしていて一番多いのがこちらのキッチンパターン。 キッチンの左右どちらかが壁にくっついて設置されています。 「ペニンシュラ」とは半島を意味しており、壁からニョキッと半島のように突き出た形からこの名前が付けられているそう。 例えば、火の近くにお子さまやペットを近づけたくないといったご家庭や、コンロの周りには壁を設けて清掃性を高めたいといった要望にバッチリ応えてくれる。 c、非対面:壁付 キッチン全てを壁沿いに配置するのが、壁付キッチン。 限られたLDKのスペースを有効に利用したいといった場合や、調理に集中したい!という方に人気。 d、非対面:独立(個室) ダイニングやリビングから離して、キッチンのみの部屋を設けるパターン。 料理の匂いが部屋に広がるのが嫌、キッチンを人に見られたくない、調理家電が見えることで部屋の雰囲気を壊したくない!といった方に人気。 【2】キッチンの種類、手元を見せるor見せない 対面キッチンの場合、キッチンからダイニングやリビングを見渡せるのが特長ですが、反対に逆側からもキッチンが丸見えということ。そこで、カウンターや吊戸棚を設置することで、利便性を高めながら見える範囲も調整することが可能です。 a、フルフラット b、セミフラット c、セミオープン a、フルフラット キッチンのCM広告やモデルハウスで見かけるのは、ほぼこのフルフラットキッチン。 無駄に遮るものがなく、LDK全体を一つの部屋としてすっきりと見せてくれる。 ■フルフラットのペニンシュラキッチン施工例 パーシモンホーム by株式会社日都建設「鉄骨階段でつなぐ集いの場と自分時間のある家」 b、セミフラット キッチンの前面に腰壁やカウンター収納を付けて、手元が隠せる。立ち上がり部分にニッチを設けて調味料置き場にしたり、コンセントを増やしたりすれば、作業効率を高めることも可能。 旦那さんやお子さんが、シンクを使った後の「あら?こちらで水浴びでもされましたか?」といった水の飛び散りも防いでくれる。 ■セミフラットのII型ペニンシュラキッチン施工例 吉川住研「日常の中で感じる非日常、こころの豊かさを追求した住まい」 c、セミオープン コンロの前に壁を設けて油の飛び散りを防いだり、対面キッチンの上部に吊戸棚などを設けて収納力を高めたり、視線を防ぐと共に利便性をUPできる。 ■セミオープンのペニンシュラキッチン施工例 ビーライフ 一級建築士事務所 まとめ これなら使いやすそう、自分の家族にはこっちかなといった、理想的なキッチンはイメージできましたか?自分以外のご家族のキッチン使用頻度や来客の頻度も、キッチン選びの一要因に加えて、使い勝手が良く、部屋の雰囲気にピッタリと合って、家事ストレスフリーのキッチンを手に入れてくださいね! 関連コラム:【キッチンの基本1】シンクとコンロの配列 加筆:2025年6月2日 初回投稿日:2023年1月23日
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2025/06/02
知っておきたい!工務店で建てる注文住宅8つのステップ
オーダーメード住宅づくりのステップ “何から始めればいいのかわからない“。多くの方が、家づくりを始めるにあたり最初にそう考えます。注文住宅は、自分たちの希望や思いをカタチにできる反面、決断や選択をする場面が多く、その道のりは決して短くはありません。今回は、工務店での注文住宅づくりのステップと、気をつけたいポイントやヒントを考察していきます。 1 【1】「家を建てたい」と決めたら家族全員でイメージプランニング 家を建てようと決めた瞬間から家づくりは始まります。「家を建てる=人生をデザインすること」。まずは、家族全員で「どんな暮らしがしたくて、どんな家に住みたいのか」を一緒に考えましょう。将来の生活様式や、家族構成の変化など考慮しながら、理想の部屋のイメージや、暮らしやすい動線を想像してみましょう。 SNSや住宅雑誌、展示場などでイメージを膨らませながら具体化する。 POINT1 SNSのPinterestなどで“理想の家”ボードを作っておくと便利です。 POINT2 『奈良すまい図鑑』などの住宅雑誌を見たり、モデルハウスを見学したりして、理想の住まいのイメージを広げましょう。 POINT3 完成見学会に参加する。(等身大の暮らし、最新設備、性能がわかる) 【2】必要に応じて、土地探しをスタート 「家を建てる」ことは人生でも大きな決断の一つですが、その第一歩となる「土地選び」は、住まいの快適さや生活の質に直結する重要なポイントです。なぜかというと、土地の形状や方角、広さが建物の設計に密接に影響するからです。 土地と建物を同時に考えることが、理想の家づくりのコツ。 POINT1 土地探しについても工務店に相談すれば、親身に対応してくれることがあります。地元の情報に詳しい工務店なら、非公開物件を案内してくれることも。 POINT2 土地選びの際は、その地域の特性に加えて、通勤・通学のアクセスの良さや日当たり、周囲の騒音リスク、地盤の安全性など、トータルで検討することが大切です。 【3】工務店を選ぼう(土地探しも対応してくれる工務店の場合は②と同時進行できます) 土地が決まったら、いよいよ、家づくり成功のカギとなる工務店選びです。 地域密着型工務店といえば、自由度の高さと、お施主様目線の対応力が最大の魅力です。 その工務店がどんな家を建ててきたのか、得意とするデザインや雰囲気をチェック。 POINT1 「構造見学会」や「完成見学会」に足を運び、建物の構造や工務店の技術力を実際に見て、体感してみましょう。実際の建物を見ることで、自分たちの暮らしをよりリアルに想像しやすくなります。また担当者との相性チェックも、家づくりにはとても重要です。 【4】ヒアリングとプラン提案 工務店が決まると、理想の暮らしや希望する間取り、デザイン、設備などについて、詳しいヒアリングが行われます。その内容をもとに、間取りプランや概算見積もりが提案されます。 具体的なイメージを伝えたいときは、写真を見せながら話すと効果的。 POINT1 すべての要望をかなえようとすると、どうしても予算を超えてしまいがちです。 打ち合わせを円滑に進めるために、「絶対譲れないポイント」と「可能であれば叶えたいポイント」を事前にまとめて、優先順位を決めておくことをおすすめします。 【5】契約・仕様決定 提案プランと見積もりに納得できたら、工事請負契約を締結します。その後、設備や内装・外装の仕様をひとつひとつ決定し、それが実際の建物のかたちとなります。 POINT1 後からの仕様変更は追加費用がかかる可能性が高いので、できるだけこのタイミングで決定しておきましょう。 POINT2 モデルハウスで実物を見れば、サイズ感や質感のイメージがつかみやすくなります。 【6】着工・建築スタート 地鎮祭を経て、いよいよ工事着工となります。基礎工事で土台を作り、次に上棟で骨組みを完成させ、その後内装工事に移ります。工事中もこまめに現場に足を運び、進捗状況を把握しておくと安心です。 気になる点はその場でどんどん質問。 POINT1 現場監督とのやり取りがスムーズな進行のポイントです。 【7】竣工・引き渡し 完成後は工務店と一緒に内覧をして、不具合がないかしっかり確認します。問題なければ鍵を受け取り、新生活スタート。 POINT1 住宅設備の使い方やメンテナンス方法は、しっかりと説明を受けておきましょう。また、保証内容やアフターサポートの範囲もこのタイミングで確認しておきます。 【8】アフターフォロー 家は建てた後の暮らしが何よりも大切です。むしろ、暮らし始めてからがスタートとも言えます。 困ったときにすぐ連絡できる関係を築いておくことが理想的。 POINT1 定期点検やトラブル時の対応がきちんとしている工務店なら、安心して長く暮らせるでしょう。 わからないことは、住宅会社相談カウンター「ナラタテ」に相談! 奈良で注文住宅を建てるなら、住宅会社相談カウンター『ナラタテ』の活用がおすすめです。土地探しから工務店選びまで、経験豊富なアドバイザーが丁寧にサポートし、お客様に最適な住宅会社をご紹介します。理想の家づくりを、まずは楽しくイメージするところから始めてみませんか?お気軽に『ナラタテ』へご相談ください。 まとめ:家づくりで最も重要なのは、“信頼関係”です。 注文住宅は、一生に一度のかけがえのないプロジェクトです。 簡単な道のりではありませんが、信頼できる工務店と一歩ずつ丁寧に進めることで、理想の住まいを形にすることができます。「こんな暮らしがしたい」という思いを言葉にし、それを真摯に受け止めてくれる信頼できるパートナーと出会うことが何より大切です。それが、理想の家づくりを叶えるための最も重要なポイントです。 ライター:内藤美由紀
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2025/06/02
【キッチンの基本1】シンクとコンロの配列
朝・昼・晩と毎日使う場所だから、そこに立つことが楽しくて、ストレスなく使えるキッチンが理想的。さらに収納力があって、お掃除が手間なくできて、おしゃれだったら文句なし。そこでまずは、キッチン別にメリット・デメリットをご紹介します。そして、奈良の工務店が実際に施工した写真と一緒に魅力を整理していきましょう。 『一級建築士事務所リビングデザイン』モデルルームのキッチン こちらのキッチンは、フルフラットのI型キッチンをペニンシュラ施工。 今の時点で、「ふるふらっと?」「I型?なんて読むの?」「ぺぺぺにんしゅら?」と、何がなんだかわからない方も、この記事を読むと、まずは「I型キッチン」が理解できるようになります! キッチンの配列 キッチンの配列は、大きく分けて次の4パターンが挙げられます。 【1】I型キッチン 【2】II型キッチン 【3】L型キッチン 【4】U型キッチン 【1】I型キッチン まずは、I型キッチン(あいがた)。シンク・調理天板・コンロが1直線に並んでいます。上から見るとその形がアルファベットの「I(アイ)」の形と似ているから、I型キッチンと呼ばれる由来になっているとか。キッチンの中でも一番オーソドックスな配列で、昭和のアパートは、ほぼこちらの形です。 ちなみに、昭和50年代後半築の大手ハウスメーカーの戸建て建売だった実家もこのカタチ。 昔住んでいたギリギリ平成生まれの4F建て鉄筋コンクリート造の賃貸マンションもこちらのカタチです。 キッチンを壁付にするか、リビングに向けるか(対面キッチン)で、使い勝手も雰囲気もグッと変わります。 ○メリット ×デメリット キッチンの面積がコンパクトにまとめられるため、狭小住宅でも採用しやすい。 調理スペースを広げすぎると、シンクからコンロまでの移動距離が遠くなって不便。 シンクとコンロの間の調理スペースを広げることで、作業効率を上げられる。 調理中は平行移動しかできないため動線が混み合い、複数人だと使いにくい。 I型キッチン施工実例 ↓ 『なかむら工務店』新築で採用、「新しくて古い」 を異素材で表現した省エネ住宅>>> 『シバ・サンホーム』新築で採用、風合いを楽しめる白い塗り壁の家>>> 【2】II型キッチン こちらもキッチンを上から見たときに、「I」が並んで「II」の形に見えることからII型(2型・にがた)もしくはセパレート型キッチンと呼ばれています。 シンクとコンロを別の「I」列に配置することで、例えば、シンクはリビングに向けて家族の様子がすぐわかるように、コンロはお掃除の利便性を考えて壁付にといった設置が可能です。小さなお子様がいるご家庭では、火は子供の手が届かないなるべく離れたところに。。。といった安全性にも応えられます。 ○メリット ×デメリット シンク・コンロ・冷蔵庫の配置を三角することで、作業効率がUP。「ワークトライアングル」と呼ばれています。 シンクで洗った野菜をそのままフライパンに!湯切りしたお鍋をコンロにもどす!といったときに、水が落ちて床が濡れがち。 調理に使う作業スペースを広くとりやすい。 コンロで調理中は、リビングの様子が見えない。 火や熱い鍋などを生活スペースから、できるだけ離すことができる。 II型キッチン施工実例 ↓ 『マイ工務店』新築で採用、色とりどりの植物と調和する住まい>>> 【3】L型キッチン こちらも見たまま、コンロとシンクがLの字につながっているキッチンを、L型(エルがた)キッチンと呼びます。全てを壁沿いに設置することも、L型の一部のみを壁沿いに設置することも、どちらでも可能。 ○メリット ×デメリット コンロとシンクの行き来がしやすい。 L字の角になった部分は奥行きがあるため、デッドスペースになりがち。 作業スペースの広さが確保しやすい。 I型と比べると高額になる場合がある。 L型キッチン施工実例 ↓ 『岡田工務店 岡田一級建築士事務所』新築で採用、住まい手になじむ、和モダンの「優しい家」>>> 『大吉建設』リノベーションで採用、きれいな空気に包まれた、笑顔も溢れる健康住宅を実現>>> 【4】U型キッチン シンクからコンロ、調理スペースまでが「U」の字につながって並んでいるキッチンがU型(ユーがた)キッチン。まるでDJブースのような、キッチンステージのような堂々たる存在感を放ちます。調理スペースがとても広く使えて便利なキッチンです。しかし、なかなか広いスペースが必要となるため、あまり日本の一般家庭では見かけないかもしれません。 ○メリット ×デメリット 広々とした調理スペースが実現可能。 施工に広いスペースが必要。 まとめ シンクとコンロの位置関係によって、4パターンに分けられるキッチンの配列。 今のお住まいのキッチンはどのような形でしたか? キッチンに使える広さや使い勝手に合わせて選択してくださいね。 関連コラム:【キッチンの基本2】生活に合ったキッチンを見つける 加筆:2025年6月2日 初回投稿:2022年4月21日
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2025/06/02
「理想の家」を建てる5つのポイント
一生に一度になるかもしれない、マイホームづくり。 決して安い買い物ではないからこそ、後悔や失敗はしたくない。居心地が良く、いつでも安心できて、帰るのが楽しみになる家を手に入れたいですね。そのために、「理想の家」の実現に向けて知っておきたい5つのポイントをお伝えします。 ─ 目次 ─ 【1】情報収集 【2】理想を家族で共有する 【3】信頼できる会社・プランナーと家づくりを進める 【4】プランナーとの擦り合わせを怠らない 【5】コストバランスを考える まとめ 【1】情報収集 Johnny_pxによるPixabayからの画像 まずは、「理想の家」に関する情報の引き出しを増やしましょう。そして、理想とする家や、好きな部屋の雰囲気をしっかりと自分で認識し、周りに伝えられるように準備が必要です。 その第一歩としては、書店に行ったり、インターネットを開いたり、ご自身の都合と使える時間に合わせて利用しましょう。 書店で暮らしの情報誌や住まい情報誌を開く、旅の本から美しいホテルの雰囲気をチェックする。海外の雑誌を開いて、日本とは違う角度から情報収集をするのもオススメです。 MarieによるPixabayからの画像 また、Instagram・ピンタレスト・憧れの人のSNSなどから、好きな雰囲気の画像や動画を集めておく。 YouTubeでも家づくりそのものに関する情報や、暮らし方といった情報まで、ハード面もソフト面もいろいろと発信されています。もちろん全てに目を通す必要はありませんが、興味のあることが知れて、信憑性も合わせて確認する機会が持てるのは良いことです。 【2】理想を家族で共有する HamsterfreundによるPixabayからの画像 「理想の家」はどなたとお住まいになりますか? 両親・夫婦・子供、それぞれが居心地良く過ごせる家となるように意見を出し合い、誰も置いてきぼりにならない、みんなの理想が詰まった家が良いですね。 玄関に手洗い場が必要or必要ない、風呂場に窓が必要or必要ないといったことから、南向きであたたかい日差しが差し込むリビングが良いという人もいれば、北向きのやわらかな光に包まれるリビングが落ち着くという人も。 小さなことから、間取りに関わる大きなことまで決めなければいけないことはたくさんあり、それは個人の好みだけではなく、実際の生活パターンによっても異なります。 どうしても意見がまとまらない!という場合は、住宅会社のプランナーに相談して解決策を探ってもらうのも一つの方法です。 【3】信頼できる会社・プランナーと家づくりを進める PexelsによるPixabayからの画像 ハウスメーカーが良いのか、工務店が良いのか、どこの住宅会社が良いのかわからない。という方もたくさんいらっしゃると思います。百聞は一見にしかず、ぜひ無料相談会や構造見学会・完成見学会に足を運んでみましょう。 どういった特長がある家を建てる会社なのか、働いている人たちや会社はどんな雰囲気なのか。そういった中で「各社の担当者(プランナー・営業担当者)を信頼できるか、話していて楽しいか」といった視点で、見極めるのもひとつの方法です。 家づくりが始まると細かい打ち合わせが多く、「この人ならわかってくれる」という安心感や、うまくコミュニケーションが取れるかどうかは大切なこと。少人数で営まれている工務店では、窓口担当者を変更したいと思っても、他にスタッフがいないという場合もあります。壁紙ひとつ決める場合でも、膨大なカタログの中から選ぶのは一苦労。自分の好みを分かってくれる、信頼できる担当者と出会えていれば、そういった選択もストレスなく決めていけます。 【4】プランナーとの擦り合わせを怠らない StockSnapによるPixabayからの画像 理想の家を実現させるためには、建築を依頼するプランナーへ思いを伝える時間は最重要項目です。 たとえば「落ち着きのある色合い」と言っても千差万別。土をイメージする茶色が落ち着くのか、それとも海を彷彿させる青色なのか。ファッションモデルのアンミカさんが、バラエティー番組で発言された「白って200色あるねん」と同じように、色には細かな違いがあり、捉え方にも個人差があります。 同じように「おしゃれ」と言っても、どんな家が「おしゃれ」なのか、大きな個人差があります。どういう色・形状・雰囲気が「おしゃれ」なのかをしっかりプランナーと擦り合わせましょう。 その際のアイテムとして、情報収集の際に集めた画像や雑誌の切り抜きなどがあれば、口ではなかなか伝えられない細かなニュアンスも、視覚を通して相違なく伝えられます。 【5】コストバランスを考える Nattanan KanchanapratによるPixabayからの画像 理想の追求には、どうしてもお金がかさんでしまうもの。どこにどうお金を使うのかは、しっかりと見極めが必要です。 家が建った後、目に見える部分は全て、後からリフォームをすることができます。トイレやキッチンなどの設備は、毎年と言っても良いほど新しい機能や便利な機能が増えていきますし、壁紙や床材などは比較的安価かつ短期間で変更できます。どうしても気に入らない部分は、建築後にいくらでも変更できます。しかし、目に見えない家の基礎となる部分や安全性などは、最初の投資が必要不可欠です。 また後回しになりがちな、駐車場やお庭といった「家の見た目」に関わる部分にかける予算配分も大事です。家づくりのプロであるプランナーに相談しながら、限りある予算をフル活用できるような設計プランを出してもらいましょう。 まとめ まずはマイホームの実現に向けて、住まう人みんなの理想を整理して夢を膨らませていきましょう。信憑性のない情報に惑わされないよう、気になったことは各社の無料相談会などに参加して、プロに意見を聞いてみるのも良いと思います。 しっかりと自分たちの話を聞いて、気持ちに寄り添ってくれる住宅会社に出会い、住まう人みんなの「理想の家」をぜひ実現させてください。 加筆:2025年6月2日 初回投稿:2023年4月21日
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2025/05/30
子育て中でもスマートに暮らしているママは、実は取捨選択上手だった
子育て中でもスマートで洗練されたお洒落な部屋で暮らしたい。憧れるのは、無駄がなく、インテリアや動線にもこだわり、上質で整った暮らし。今日こそ絶対断捨離しよう。いつもそう思っているのに、現実は程遠く、家事、育児、洗濯、宿題、次々とくるプリントの山に追われる毎日。それなのに、SNSの世界には、子育てを楽しみながら、すっきりとしたおしゃれな部屋でスマートに暮らすママが一定数存在しますよね。一体あの人たちは何者なのでしょうか?心底うらやましいけれど、どうやったらそうなれるのか見当もつきません。だけど彼女たちは、実は「整理収納アドバイザー」でも「家事が得意なプロ」というわけでもなさそうです。今回は、憧れの「丁寧な暮らし」に近づくために、まずは見直すべき「動線」と「仕組み」を考察していこうと思います。 家の中の“流れ”を無理なく作ることで、動線を味方につけた「片付けがはかどる家」にする モノが「自然と元に戻る」仕組みを作ることは、最大の時短&ストレス軽減につながります。特に子どもがスポーツをしている家庭では、道具や洗濯物が多く、片付けのハードルが俄然アップしてしまうため、仕組みづくりは最重要課題です。 1.玄関を「帰宅」→「片付け」→「明日の準備」が完結できるゾーンに 最初に手を付けたのは玄関です。ただいまの声と共にせっかく片づけたリビングが一気に散乱するのを防止するため、玄関を「片づけ」「翌日の準備」が子供にもわかりやすくできる工夫をしてみました。 具体的には 壁にフックを取り付けて、カバンやキャップは“かける収納”にする 洗濯するタオルや使用したユニフォームを投げ込める通気性のいいかごを設置する。 ハンカチ、ティッシュ、給食セット、体操服など翌日の持ち物をセットしておける小さな棚を作る。 この効果は絶大で、リビングの荒れ具合が一気に下がり、明日の準備を促す必要もなくなります。さらに、フックやカゴをナチュラルなものやアイアン素材など好きなテイストでまとめることで、玄関から生活感を排除したおしゃれな空間づくりが可能です。 2.暮らしをスムーズにする「洗濯動線」 もうひとつの大きな課題が「洗濯動線」です。部活や外遊びでどんどん増える洗濯物を、毎日何度も「洗う・干す・たたむ・しまう」のは、想像以上に重労働。これを少しでもラクにするためにたどり着いたのが、“移動しなくていい仕組み”をつくることです。理想は、洗濯機のすぐそばに室内干しスペースと簡易たたみ台を設置すること。洗い終わったらその場で干し、たたみ、家族ごとのかごに分けて各部屋へ。移動距離を最小限にした洗濯動線は、確実に生活にゆとりをもたらし、洗濯を“苦行”から“ルーティン”へと導いてくれるでしょう。ウッドシェルフやおしゃれなかごを使えば、実用性とデザイン性を兼ねたランドリールームも実現できます。 3.洗濯室とファミリークローゼットを連結した間取りがおすすめ これから家づくりをするなら、スペースにゆとりがあれば洗濯室とファミリークローゼットを連結した間取りが断然おすすめ。洗濯からたたみ、収納までの動線が短くなり、家事の負担が大幅に軽減できます。また、ファミリークローゼットを隣接させることで、着替えや服の管理がしやすくなり、朝の準備もスムーズに。暮らしやすい住まいを目指すなら、ぜひ検討すべき間取りです。 4.子どもが「自分でする」仕組みづくり 片付けがうまくいかない最大の理由は、ママが“全部する”構造になっていること。大切なのは、子どもが“自分で戻せる”環境をつくること。収納は目線の高さ、ラベルやイラストでわかりやすく。「出す」より「戻す」が簡単になるだけで、子どもは驚くほど自分で動けるようになります。 具体例 自分の荷物ボックスを玄関近くに置く ラベルやイラストで「ここに戻す」を視覚的にわかりやすく 汚れものは自分で分ける(通常着、泥付き、タオルなど) 家事シェアというと“お手伝い”の延長に聞こえるかもしれませんが、これは自立の一歩であり、ママの心と暮らしにも余白を生み出してくれます。 5.習慣化のコツは「美しさ」より「戻しやすさ」 片付けの理想を追いすぎて、収納を複雑にすることは、子どもには扱いづらくて逆効果。 何より「戻しやすいこと」を最優先とし、引き出しよりもかご収納、フタはナシ、出しっぱなしでも見栄えがいい素材や色味を選ぶ。これだけで、生活感を隠しながら、家全体のリズムも整います。 まとめ:「整っているママ」は、“選んでいるママ” 泥や汗も成長の証。シューズ洗いは子どもの担当にするなど、家事はみんなで回すと暮らしがラクになります。おしゃれでスマートに暮らすママは、特別なことをしているわけではなく、「何を大切にして、何を手放すか」を上手に選んでいます。理想の暮らしは、まず1つの場所を整えることから。玄関、洗濯スペース、収納棚——どこからでもOK。少しずつ流れをつくっていき、“片付く習慣”が自然と育ち、自分らしく心地よく過ごせる毎日になりますように。 ライター 内藤 美由紀
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2025/05/27
第1回住まいの特集、只今編集中
毎月更新していく特集の第1回目はこちら ↓ 【家づくりのプロが選ぶ!】奈良の工務店、無垢の木の家 公開まで、しばらくお待ちくださいませ! 来月からの特集もお楽しみに♪