中古住宅リノベの失敗例5選~成功させるためのポイント~
2025/09/05
目次
中古住宅を購入して、自分好みにリノベーションするという選択肢が広まりつつあります。しかし、理想の住まいを手に入れるには、思わぬ落とし穴も多く存在します。リノベ経験者の中には「もっと事前に知っておけば…」と後悔する人も少なくありません。
今回は、中古マンション・戸建てリノベーションで実際によくある失敗例と、その回避法を5つのポイントに分けてご紹介します。しっかりと準備・確認を重ねて、納得のいく住まいづくりを目指しましょう。
【1】物件選びの失敗でリノベがうまくいかない
中古住宅のリノベーションは「物件選び」が成功の8割を占めると言われています。見た目や立地だけで選ぶと、後で思わぬトラブルに見舞われることも。
よくある失敗ポイント
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1.耐震性が不十分な物件を選んでしまう
1981年以前の建物は耐震基準が旧基準のため、安全面で補強が必要になることが多いです。耐震補強費用は予想以上に高くつく場合も。
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2.間取りの自由度を考えずに購入
鉄筋コンクリートやツーバイフォー構造は、壁が重要な構造材のため、大きな間取り変更が難しいことがあります。自由に変えたいなら木造軸組工法の物件がリノベに向いています。
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3.法的制限や再建築不可の問題を見落とす
購入後に接道義務や用途地域、建ぺい率などの制限が厳しいことに気づき、希望通りにリノベできないケースもあります。
- 回避のポイント
• 専門家によるインスペクション(建物診断)を必ず受けて、劣化や構造の問題をチェック。
• 不動産会社や役所で法的制限をしっかり確認し、再建築が可能かどうかも見極める。
• 間取りの変更がどこまで可能か、建築士に相談する。
【2】予算管理の甘さで費用が膨らむ
「中古+リノベなら新築より安くできる」と聞いても、予算オーバーで失敗するケースは少なくありません。
よくある失敗ポイント
1.予備費を用意せずギリギリの予算で計画
見えない劣化部分の補修や追加工事で、数十万円〜数百万円の費用増が出ることも。
2.仮住まいの費用や引越し費用を考慮していなかった
フルリノベは3〜6ヶ月かかることが多く、その間の住まい代を見落としがち。
3.工期遅れによる生活の混乱
工事が遅れると、引っ越しや新生活開始がずれ込み、ストレスに。
回避のポイント
• 物件購入費+リノベ費用+予備費(全体の1割以上)+仮住まい費用を含めた総予算を設定する。
• 予算に余裕を持ち、途中での変更や追加工事に対応できるようにする。
• 工期に余裕を持ち、スケジュール管理を業者と密に行う。
【3】間取りやデザイン重視で暮らしにくくなる
雑誌に載っているような素敵なデザインを追い求めすぎて、実際の暮らしに合わない空間になってしまうことも。
よくある失敗ポイント
1.収納不足で物があふれる
見た目はスッキリでも、実際は収納が足りず散らかる原因に。
2.家事動線が悪い
キッチンから洗濯機や玄関までの動線が遠く、毎日の家事がストレスに。
3.メンテナンスが大変な素材や設備を採用
おしゃれだけど掃除が難しい素材を使い、結局手入れが面倒になる。
回避のポイント
• 家族の生活スタイルに合わせて収納量と場所を設計する。
• 家事動線をシンプルに、効率よく動ける間取りを優先。
• 掃除やメンテナンスがしやすい素材を選び、使い勝手も大切に。
【4】施工会社選びでトラブルに
どんなに素敵なプランでも、施工が不十分だと満足度は下がります。信頼できる業者選びが重要です。
よくある失敗ポイント
1.価格だけで業者を選び、技術力や実績を確認しなかった
工事の質が低く、補修が必要になることも。
2.コミュニケーション不足でイメージが伝わらない
希望が正確に伝わらず、完成後にイメージと違うと感じる。
回避のポイント
• 複数の業者に見積もりと相談をし、施工事例や口コミを比較する。
• 担当者の人柄や対応の丁寧さも重要な判断基準に。
• イメージ写真や具体的な希望をできるだけ細かく伝える。
【5】設備や断熱の見落としで快適さが損なわれる
お洒落なだけでなく、毎日を快適に過ごすには、設備や断熱などの見えない部分も大切です。
よくある失敗ポイント
1.古い配管や電気設備をそのまま使い、トラブル発生
水漏れや停電などのリスクが高くなります。
2.断熱や気密が不十分で冬寒く、夏暑い
光熱費が高く、快適な暮らしから遠ざかることに。
回避のポイント
• リノベの際に配管や電気配線を新しく交換する。
• 断熱材やサッシの交換など、性能向上を積極的に行う。
• 快適性とランニングコストの両方を考えた設計に。
まとめ:失敗を防ぎ、納得のリノベを実現するために
中古住宅リノベーションは、コストを抑えながら理想の住まいを実現できる魅力的な選択肢です。しかし、物件選び、予算管理、間取り設計、業者選び、設備面の配慮など、検討すべきことは多くあります。計画段階でリスクや制約をしっかり把握し、信頼できる専門家と連携しながら進めることが、後悔しないリノベーションの鍵となります。ひとつひとつの判断を丁寧に積み重ねて、自分に合った快適な暮らしを手に入れてください。