明日香村に誕生した、やさしさが広がる共生の場

こちらの建物は、知的障害者が農作業を通じて社会参加を図ることを目的に明日香村に新築された施設である。東大阪で障害者施設を運営するお施主様との偶然の出会いから始まったこのプロジェクトは、地域社会と共生する施設づくりを目指して進められた。施設には、利用者の作業動線を考慮した作業スペースやプライベート空間、集団生活に必要な共有スペースを計画的に配置。屋外には農作業場が広がり、キッチンからも見渡せる設計が施されている。外観は塗り壁仕上げの和風デザインで、明日香村の風致景観と調和する。施工段階では地域住民への丁寧な説明を重ね、完成後には住民との交流も活発に。正月飾りづくりの指導やバーベキューの開催など、地域とのつながりが自然に育まれている。利用者が手がける農作物や手工芸品は道の駅で販売され、経済的自立にもつながっている。この施設は、福祉と地域が調和する社会の実現に寄与する象徴的な存在といえるだろう。
物件情報
タイプ | 事業所 |
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構造 | 木造 |
築年数 | 新築 |
明日香村の風景に合う建物を意識しながら、利用者さんの動線や地域の方とのつながりも大事にして設計・施工しました。完成後の交流の話を聞いて、私たちも本当に嬉しかったです。