店舗 こだわりのデザイン 施工事例一覧
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スペースマイン
画家の物語を守りながら、基本性能を向上させた集いの場
垂仁天皇陵の真北に建つ、ギャラリー兼セミナースペース『アトリエ宝来』。企業研修事業を行うお施主様が「ゆったりと集える場をつくりたい」と、洋画家の故・冨田啓介氏のアトリエを再生させたものだ。手掛けたのは『スペースマイン』。同社は、鉄筋コンクリート構造物のリノベーションに対応できる、数少ない工務店のひとつである。コンクリート打ちっ放しに加え、3階吹き抜けのため、「夏は暑く、冬はとても寒い」ことが課題となっていた、こちらの建物。1階に開閉式の天井を設け、屋根や窓、外壁に断熱を施すことで、空間の明るさを残したまま、断熱性能を大幅に改善した。窓サッシや棚、絵の具が付いた床やドアなど、旧アトリエの面影が残る部分はあえて活用し、奈良県産の杉をふんだんに使った、温かな集いの場へと生まれ変わった。 ■写真:杉の天井とマッチするプラスチック障子紙の開閉天井は、閉めているときもやわらかな光を通す。
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一級建築士事務所リビングデザイン
二条大路南の家
光と影が織りなす極上のひととき 奈良市のとある制約の多い地区に建つ同邸宅。住宅にドッグカフェとトリミングサロン・ペットホテルが併設されており、ダークトーンで統一した外観がカフェらしい洗練された雰囲気を醸しつつも、周囲の景観と見事に調和しています。こちらの住まいを手掛けたのは『リビングデザイン』。今回同社が最も心を砕いたのが“コストとデザインのバランス”だそうです。「お金を掛ければ良いものは作れますが、当然ながら予算には限りがあります。特に同邸宅は店舗を併設している分、設備にもお金がかかるので、それ以外の部分をいかにしてコストを掛けずに高級感を出すかがポイントとなります。そこで生きてくるのが、ホテル建築の技法です」と語るのは、同社代表の井上氏。井上氏は、長年ホテル建築に携わった経験とノウハウを住宅建築に応用したハイセンスな空間づくりを得意としており、同邸宅でもそのテクニックを随所にちりばめています。例えば、室内の壁には基本シンプルな白のクロスを用いていますが、“住まいの顔”ともいえるテレビ周りや玄関など、要所要所にタイルや天然石などの異素材を取り入れることで、空間にメリハリと華やかさをプラスしています。また、照明の使い方を工夫することも、高級感ある空間づくりのために欠かせないと井上氏は言います。同邸宅でも部屋全体を明るく照らす全般照明ではなく、スポットライトや間接照明を効果的に用いることで空間にさらなるラグジュアリー感をもたらしています。この他にも、メーカーの建材を用いることでコストを抑えつつ、空間と一体感のある食器棚を自社で造作したり、洗面台も既製品をうまく組み合わせてオリジナル品と比べても遜色ないクオリティーのものに仕上げたり、所々にコストを抑えつつ高級感を演出するためのテクニックが用いられています。また、デザインだけに留まらず、機能的で室内の行き来がしやすい動線計画や、目の錯覚を利用して空間をより広く見せるレイアウトを採用。敷地内に店舗用の駐車場があり庭が造れない分、2階に庭代わりのバルコニーと洗濯物が干せるバルコニーという異なる役割のバルコニーを2箇所設けるなど、暮らしやすさの面にもさまざまな配慮がなされています。卓越したデザインセンスと経験に裏打ちされた高い設計力で、お施主様念願の暮らしやすく心安らぐラグジュアリーな住まいが実現しました。 ■写真:テレビ周りの壁には天然の大理石、天井とテレビボード下に間接照明を用いることで、コストを抑えつつ空間にメリハリと華やかさをプラス。また、勾配天井にすることで、空間を実際よりも広く開放的に見せるよう工夫されています。
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ビーライフ 一級建築士事務所
キッズスペースがある子供服店
株式会社ビーライフ一級建築士事務所が、設計・施工を手掛けたお店『Bisque(ビスク)』。シンプルでナチュラルな子ども服を扱うショップだけに、外から見た姿は木の温もりが感じられるやわらかな佇まいとし、柱や窓枠などで黒色を差してその印象を引き締めた。店内の装いも、白い塗り壁や木目+アイアンなど素材にしっかりとこだわってデザイン。トイレの洗面台は、子どもが使いやすいよう配慮。子どもたちが楽しく過ごせるキッズスペースは、つくり手の遊び心もたっぷりと詰まっている。
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ビーライフ 一級建築士事務所
曲線美を追求したオンリーワンのメルヘン空間
奈良のお土産としても人気の高い“大仏プリン”の本店である“プリンの森”。こちらをつくるにあたって、ビーライフ代表の山下氏がオーナーとのヒアリングの中で思い浮かんだテーマは「メルヘン」とプリンのようなやわらかい「曲線」。こだわりであった「将来はプリンの中に入ってプリンを作りたい」という夢を是非叶えようと、デザインを膨らませていった。一番こだわったのは、曲線のフォルム。壁や店内の建具など、難易度の高い造作全て職人の手仕事によって仕上げられた自信作。また、カラメルが垂れているような表現力や、ぐねぐねした手すりなど、思わず「わぁ」と叫んでしまいそうな、遊び心溢れる演出もふんだんに盛り込んだという。 ■写真:山下氏が一番苦労したという、外壁のフォルム。弧を描きつつ台形に仕上げるのには、高い技術が必要だという。