なぜ家づくりにファイナンシャルプランナーが必要なのか
「ファイナンシャルプランナー」
よく聞く言葉ではあるものの、実際に相談したことがある人は少ないのではないでしょうか。
実は、マイホームを建てる時こそ頼りになる存在なんです。
今回は建築・不動産業に長く勤務したのち、ファイナンシャルプランナーとして活躍されている稲本豊さんにお話を伺った様子をご紹介します。
幸せの尺度に合わせた選択をしよう
稲本さん)例えば、たくさんの家が建てられる広い分譲地があったとします。その中には、角地もあれば南向きの土地もある。道路に面しているところもあれば、メイン道路から一本入ったところもある。もちろん、土地によって価格が違います。マイホームを建てるのに、あなたならどこを選びますか?
編集部)…角地…、です。角地は土地の中でも価値が高いんですよね。
稲本さん)そうですね、角地はその特性から価値が高いと言われます。もちろん価格も高い。でもそれは、「あなたの幸せの尺度に合った土地」ですか?
角地でない土地との差額は「角地じゃないといやだ!」という価値に見合った、対価ですか?
編集部)つまり、「角地にしてよかった」住まい方、ですか…。日当たりがいいとか、他の家と隣り合わせにならない面が多いからいいんじゃないかな、とか、ですよね。
稲本さん)そうですね、角地ならではの間取りを実現できることや、将来、土地を売却するときに価値が高いことなどが挙げられますね。その特長を余すことなく活かした家づくりを行えることができて、資産価値も高いのであれば、角地は買うに値します。
しかし、他の土地より多くお金を払って角地を手に入れたものの、間取りに活かせなかったり、そもそも理想とする間取りや住まい方が角地の利点と関係がなかったりした場合は、もしかすると角地の価値に見合った対価を払う必要がなかった、ということもあります。
つまり、家を建てるときも建てた後でも角地であることは必要かどうか、それをしっかりと考えてから選ぶべきなんです。こんな風に、選択とお金が直結している事柄で、さまざまな知識や角度から、価値を一緒になって考える、それがファイナンシャルプランナーなんです。
マイホームの完成が人生のゴールではない
稲本さん)マイホームの資金計画に無理があり、建てた後、夢をあきらめた人や、せっかく建てた家を手放さなければならなくなった人の話を、私は知っています。だからこそ、10年後も「この選択でよかったね」と言えるマイホームにしてほしいのです。
編集部)マイホームのための資金計画相談ではどんな話をするのですか?
稲本さん)まずは必要な資金計画を話します。マイホームの予算を考えるときは、先程の角地の選択のように、今考えている選択が本当に必要かを一緒に考えます。よくある相談は、「このシステムキッチンにしたいんですが、あと100万円捻出できますか?」でしょうか(笑)。
編集部)それこそ家づくりって、お金と直結した選択の連続ですもんね。
稲本さん)「人生を豊かにする事柄、優先すべき事柄」のために、何を選択するべきで、いつまでにいくら必要で、どのように安全に確保していくか。大きな決断だからこそ、正確かつ冷静な第三者の視点を取り入れてほしいと思います。マイホームの夢と、その後も続く人生も豊かなものにする計画をバランスよく配置し、セーフティラインを一緒に見つけるお手伝いをさせていただきます。
編集部)なるほど。なぜ家づくりにファイナンシャルプランナーが必要なのかの答えが見えました。
いかがでしたか?
ファイナンシャルプランナーが、人生の中でご家族にどんな風にかかわっていく存在なのかに対する答えは見つかったでしょうか。人生で大きなお金の選択をする「マイホーム」を考えるこの機会に、心強い味方がいることを覚えておきたいですね。
お話を聞いた人
ファイナンシャルプランナー 稲本豊さん
建築・不動産業に25年勤務した経験から、リアルなマイホーム資金計画に定評がある。気さくな人柄から、相談は人生相談にまで多岐に渡る。
取材場所
奈良の住宅会社紹介カウンター「ナラタテ」奈良店
住所:〒630-8013 奈良県奈良市三条大路1-7-12
電話番号: 0120-879-912