洋風建造物を無垢材と伝統色で古民家風レストランへとリノベーション

「洋風の建物を和風に変えてほしい」という依頼を受け、同社は既存の小屋組みや外装、内装の特徴を活かしながら、宴会場としてふさわしい和の空間を再構築した。確かな品質の木材と双璧を成す企画・提案力によって、単に和の意匠を取り入れるだけでなく、周囲の環境や利用者のことを考慮した提案が行われている。内装は和紙のプリーツスクリーンや畳などを用い、落ち着いた雰囲気を演出。素材は木の香りや手触りにまでこだわり、居心地のよさを追求している。天井は梁を見せ、弁柄色のクロスで伝統的な色彩を加えた。こうした細部への配慮が、和の空間に深みをもたらしている。外装には継ぎ目の見えない木製看板を設置し、職人の高度な技術が感じられる仕上がりとなっている。出入り口はバリアフリー仕様で、傾斜をつけ無垢材の手すりを設けることで高齢者にも配慮した設計だ。篝火の灯る入口は山間の自然と調和し、訪れる人を温かく迎える。素材の良さを最大限に引き出す施工力と、施主の思いを丁寧にくみ取る提案力が融合し、細やかな工夫にあふれた空間が完成した。こうした取り組みが、人々の記憶に残る居心地の良い場を生み出している。
物件情報
タイプ | レストラン(宴会場) |
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構造 | 木造軸組工法+木造トラス工法 |
敷地面積 | 115.25㎡(34.86坪) |
プランニング期間 | 1カ月 |
施工期間 | 1カ月 |
詳細情報
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生まれ変わった宴会場は、多くの人でにぎわっている。経験に基づく発想力で洋風の建物から和の空間を創り出した。
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内装は建具や照明で工夫し、外装には2メートルの看板と篝火の設置を提案することで、予算内で希望を実現。
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入り口は傾斜をつけたバリアフリーにし、照明を丸提灯型に替え、梁見せ天井に弁柄色クロスを貼った。
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窓のスクリーンはダブルタイプで、透明スクリーンだけを下ろせば外の風景をゆったり楽しめる仕様になっている。
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木材を組み合わせて造った看板は継ぎ目が見えない仕上がりで、職人の確かな腕が垣間見える。呼び名は「やまさち」。
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洋風の建物を和の空間に変える際、落ち着きや温かみを重視し、素材や照明、色味まで細部にこだわり提案した。
代表取締役社長 貝本 拓路
洋風の建物を和の空間へと生まれ変わらせるにあたり、「空間のつながり」「古き良き」「家族」を感じられる設えを心掛けました。素材選びから照明の形状、空間の色味まで一つひとつ丁寧にご提案しました。