自然素材に包まれた家

装いはやわらかく、建物は頑丈に……
年代による構造の特性も見極めて
期待以上の「快適さ」と「安心」を創造
「以前は天井や出入り口が低く、暗さや狭さも気になる「いかにも昔ながらの造り」という家でした」とお施主様。生まれ変わった現在の姿からは、まるで想像できない話だ。自然素材を生かした温かみある装いや、広がりを感じられる各空間のレイアウト、また気密・断熱性や耐震性といった快適・安全な性能もしっかりと備わった同邸宅。その改修プランを計画し、設計・施工を行ったのは『輪和建設』である。ご夫婦が思い描いていた「理想の暮らし方」は、「平屋感覚でゆったりとした毎日を過ごしたい」というもの。そこで主寝室は1階に置き、生活のほとんどをワンフロアで完結するよう計画。また新設したパントリーや洗面スペースをLDKとオープンにつなげることで、家族みんなが使う空間に「ゆとり」をつくり出した。さらに二間続きだった和室と洋室を一つにまとめることで、十分な容量の収納スペースも用意。そして壁には漆喰、床や天井部の化粧材にも無垢の吉野材を用いるなど、自然素材もふんだんに取り入れている。2階は、お子様が将来使う個室一部屋と、広々としたホールに変更。サッシの総入れ替えや外断熱の施工で「快適な温熱環境」も実現し、同社が最も重要視している「構造補強」も、基礎からきっちりと見直した上で万全な対策を講じている。
物件情報
タイプ | 二階建て |
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構造 | 木造在来工法 |
築年数 | 築46年 |
詳細情報
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大和天井のダイニング
ご夫婦希望の大和天井や、吹き抜け部に設けた格子の天井、さらに床や柱など、至る所から木の温もりが感じられる同邸宅。梁を支えるために追加した和室前の柱には、見た目や安全性を踏まえて丸太が使われている。
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開放的な和室
板の間がある和室も、庭に面した大きな窓によって明るさと開放感でいっぱいの空間となった。
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玄関
造作の建具や収納は、同社のオリジナル。
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見える構造材
現しの梁には化粧材を張り、見た目を美しく。
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建具の再利用
和室入り口には、以前からの建具を再利用。
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心地よいLDK
やわらかな光と風と、健やかな素材。心地よさに包まれたその家は、これからも「家族の時間」を紡いでいく。
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明るい洗面スペース
洗面スペースはあえて個室とせず、LDKやキッチン奥のパントリーからオープンにつなげて配置。毎日の家事動線をしっかりと計画した上でのレイアウトなので、使い勝手はとても良いそう。
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格子床のホール空間
2階では、2部屋あったうちの片方を、広々としたホール空間に変更。格子による「半吹き抜け」のおかげで、1階とのつながりも感じられる。
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外断熱
外観は、壁に外断熱を施し、見た目の装いも美しく。また、庭の一部を広々とした駐車場につくり替え、さらにアプローチ部分も新しく整え直した。
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藍染めをイメージした畳
和室と洋室が連なって並んでいた空間は、「板の間がある和室」に。畳は「藍染めをイメージして色を選んだ」とお施主様。
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薪ストーブと収納スペース
LDKの出入り口付近には、薪ストーブと収納スペースを設置。その間にある壁は、耐震補強のために設けられたものだ。
設計 阿部 智子
もともとの建物は、50年近く前に新築されたものです。解体後に柱などの構造材の組方や施工状況を調査した上で、構造計算を改めてやり直し、基礎の補強や新設、柱や耐力壁の増設で、耐震性を大きく向上させています。また室内の改修プランは、ご夫婦の希望をしっかりと反映しつつ、自然の光や風、また自然素材の心地よさをいつも感じられるように計画しました。