住まい手の人生を引き立てる天然素材の家

漆喰の壁、天然無垢材の床板など使う素材は本物だけ。手間がかかり、工程も制約されるが、作業効率の優先を選ばない。「暮らしの器となる家は長持ちさせたいし、長く住んでも飽きのこない、人生を引き立てる家を造りたい」と吉川氏。お手本は、石油ではなく天然素材で造られたヨーロッパや日本の古き良き民家。年月を重ね、住めば住むほど価値が増す骨董品のような家づくりです。劣化ではなく、住むほどに風合いが高まる『経年美化』。そして、デザインしすぎることなく、おさまりを大切にしているという吉川氏だが、外観には一層のこだわりを持つ。それは、家への愛着が外観で大きく変わるため。今回紹介する家の外観は線と面を意識してデザインし、漆喰特有の温かみのある質感を際立たせています。
住みはじめた時がピークではなく、ずっと続く家。
現場監督も務めるという吉川氏。図面上では分からないことも現場で細部まで修正、デザインを詰める。光の反射が独特な漆喰の壁を活かし、優しく、心やすらぐ照明を提案するのが吉川流。リビングと主寝室に設けた間接照明のランプシェードは、吉川氏の手によるオーダーメードとのこと。また、無添加住宅の特徴である石屋根の天然玄昌石材は自然な美しさと耐久性を兼ね備え、玄関アプローチや土間、キッチン壁面、洗面化粧台の天板にも使用しています。耐火性にも優れているため、キッチンまわりの安心・安全面でも心強いなど、見た目だけではない実用性も魅力です。住みはじめた時がピークではなく、住むほどに味わいが増し、メンテナンスも簡単。吉川氏は、そんなストレスフリーの家を生み出しています。
物件情報
タイプ | 二階建て |
---|---|
構造 | 木造在来工法 |
築年数 | 新築 |
敷地面積 | 252.58㎡(76.41坪) |
延床面積 | 136.01㎡(41.14坪) |
詳細情報
-
室内からこぼれる柔らかな光と、外構のライトアップが美しく照らし出す白漆喰の壁が印象的なファサード。
-
天然石を使った省エネ屋根システム『クールーフ』を採用。屋根部の熱を風力で自然換気して2階も涼しく。
-
屋根部をすっきりと仕上げるため、見えない部分である野地板にもフローリングやドアと同様の床材を使用。
-
リビング中央の天井部に奥様ご希望の波動スピーカーを。床材は無垢のレッドパイン。
-
家事動線に配慮したアイランドキッチン。リビング階段でコミュニケーションも良好。
-
漆喰にコーラルストーンを配した玄関土間のシューズクローゼット。収納もたっぷり!
-
洗面台の天板には石屋根やキッチン壁にも採用した玄昌石を使って、高級感をプラス。
-
バスコートに設けたトップライトを通して、2階のバスルームからも星空を見られる。
-
将来は2部屋に分割できる子ども部屋。ロフトを作った際のコンセント位置にも工夫。
-
リビング階段の上部に設けた吹き抜け空間。トップライトからの光が家全体に広がる。
設計・現場監督 吉川 晋一
人に優しい本物の素材を使って、一見モダンだが、どこか温かみのあるテイストにしました。漆喰が引き立つよう線と面を意識したデザインを施し、表面に見えない部分にも手を掛けることで、おさまりの良さを徹底しています。トップライトからの光が家中を駆け回り、まるで南欧リゾートの住まいのような心地良さを醸し出します。
とにかく「明るい家」がご希望だった奥様。どこにいても子どもたちの気配がわかるように、1 階と2 階のつながりに配慮して家全体をひとつの空間にデザインしています。土地探しから始まり、設計、現場監督から家の引き渡しまで、すべてを自身が担当しました。
2階バスルームから星空を眺めたいというご主人の要望に応え、バスコートを創出。リビング階段の上部はダイナミックな吹き抜けにし、トップライトを設けて暗くなりがちな2階廊下や階段付近も明るく開放的です。漆喰の壁は光が広がる特性を活かし、家中に光が届くよう窓の位置や大きさも計算しています。