樹齢150年の古桜に魅せられ、桜と対峙した際にもっとも映える素材やデザインを選択、自然素材に寛ぐ「法蓮の家」

端正でいて柔らかな佇まい
粋を感じる和みのファサード
春は桜、夏は青葉、秋には紅葉が楽しめる佐保川沿い。万葉歌人も愛した歴史ある地、法蓮町に樹齢150年という見事な古桜があります。その美しさに魅せられ、4年越しの宅地探しに終止符を打ったのが、奈良県産の檜や杉など自然素材をふんだんに使った邸宅の施主であり、設計者でもあるご主人。「まずは土地ありき。その土地にあった『木の家』を建てたかったんです」との想いから、外観のポイントは桜と対峙した際、最も互いに引き立てあえるデザイン性と素材感。例えば、川べりの遊歩道から少し奥まった真南の立地を活かしつつ、きつい日差しはカットできるよう、ゆるやかな片流れの屋根を採用。檜と共に構造材の中心である杉の梁が、外壁を境にそのまま庇となる連続性もあいまって、面で魅せるファサードに。1階は檜のテラスに濡れ縁、玄関扉、杉の腰壁、木製網戸には横桟で目隠しを。2階には見上げ視線を遮り、日よけと意匠を兼ねた横格子の手すりを設けるなど、四季を通じて粋と和みを感じられる『木の家』となりました。
子どもが裸足で駈けまわる
家族と一緒に成長する家
居住空間は、できるだけコンパクトでシンプルに。子どもたちが裸足で自由に走り回れる無垢材のフローリング。仕事を持つ奥様が機能的に家事をこなし、育児にも目の行き届くオール電化のオープンキッチン。徹底した見せない収納スペースもたっぷりで、子育て世代にありがちな生活感も臭わせません。将来的には2つの空間に間仕切りできる子ども部屋など、ライフスタイルにあわせて住まい方を自在に変えられる、造り込まないフレキシブルさも魅力です。宅地選び同様、慎重を期したのが想いを託す施工会社でした。自分好みの天然素材を使い、空間の広がりを考慮した緻密なモジュール設定など、設計士ならではのこだわりを丁寧に汲み取り、正確に表現してくれる腕のいい職人がいることは必須条件。「輪和建設の完成見学会に参加し、意匠性をくみ取ってくれる現場監督がいたことから、自然素材の家づくりを提唱する『輪和建設』を選びました」とご主人。柱と床は檜、梁と壁には杉を使い、いずれも天然乾燥させた奈良県産の木材で、職人が手刻み加工して構造を組み上げ、漆喰と和紙で仕上げていきます。光を呼び込むトップライト、計算された風の通り道、梁見せ天井には調湿作用がある天然ヨシを貼り、ホタテ漆喰壁や珪藻土クロスなど、伸び伸びと深呼吸したくなる木づくりの家が完成。吹き抜けのリビングに配された梁は、愛猫が喜ぶキャットウォークにもなり、悠々と上空を散歩する姿にお施主様邸の心地良さが感じられます。
設計/一級建築士事務所株式会社イデア プランニング
物件情報
タイプ | 二階建て |
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構造 | 木造在来工法 |
延床面積 | 122.55㎡(37.07坪) |
詳細情報
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夜の外観
幽玄な夜桜のごとく。
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光り降り注ぐリビング
光が彩り、風が遊ぶ。
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檜の玄関
天然の檜を使った玄関扉は、出入りがしやすい引き戸タイプ。
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桜並木の見える吹き抜け
まるで1枚の絵のように美しい桜並木が、ゆったりと眺められる。
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モダンな和室
ダウンライトに吊り押入、縁なし畳がモダンな和室。
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連続する空間
天井高に合わせたサッシが、空間に連続性と開放性をもたらす。
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無垢材の生きる和室
タモ無垢材を使った一枚板のカウンターなど木の温もりに溢れる。
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木製洗面台
収納量たっぷりと、オリジナル木製洗面化粧台。
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家族をつなぐ吹き抜け
光と風を誘う吹き抜け空間。いつも家族の気配を感じられる。